2019年6月27日6時0分に朝日新聞から、現場の写真と傾斜の見取り図付きで下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年6月に静岡市清水区の用水路に男子中学生(当時12)が転落し、死亡した事故で、静岡県警は柵設置などの安全対策を怠ったとして、用水路を管理する県中部農林事務所の元所長や農地整備課の職員ら6人を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めた。
捜査関係者への取材でわかった。
事故は昨年6月27日午後に発生。
県警によると、男子生徒は同級生と2人で現場付近で遊んでいた際、急斜面に設けられたコンクリート製の用水路に落ち、約25mの高さを斜めに滑り落ちた。
119番通報を受けて病院に搬送されたが、頭の骨折などで死亡した。
同事務所によると、用水路は雨水などを調整池に排水するために、昨年3月に造られた。
長さ約63mの水路(幅約1.2m、深さ約1.1m)が25mの高さから斜めに延び、傾斜は24°。
途中に障害物などはなく、滑り台状の構造になっている。
捜査関係者によると、現場には当時、人の立ち入りを防ぐ柵や進入禁止を呼びかける掲示は設置されていなかった。
事務所側は県警に、「まさか進入するとは思わなかった」と説明したが、県警は、人が周辺に出入りし、用水路に落ちる可能性も予見できたのに、必要な対策を怠ったと判断した。
同事務所は、事故後、用水路前にバリケードやフェンスを設置するなどした。
滝本裕士・石川県立大教授(農業土木工学)は、「コンクリート製の水路であれば、数mの高さでも死を招きかねない。ましてや20m以上の構造物に柵も何も無いのは不注意すぎる」と指摘した。
出典
『用水路で中学生25メートル転落死、県職員ら書類送検へ』
https://www.asahi.com/articles/ASM6K727TM6KUTPB03R.html
6月27日19時33分にNHK静岡からは、当時の所長らが書類送検されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年、静岡市清水区の排水路に当時12歳の男子中学生が転落し死亡した事故で、警察は、安全対策を怠っていたとして、排水路を管理している静岡県中部農林事務所の当時の所長と職員あわせて6人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。
書類送検されたのは、静岡県中部農林事務所の60代の当時の所長と40代から50代の職員あわせて6人。
去年6月、清水区南矢部で当時12歳の男子生徒が友人と遊んでいて誤って排水路に滑り落ち、頭などを強く打って死亡した。
警察がその後、現場を詳しく調べたところ、排水路は傾斜が30°ほどで長さおよそ70mの滑り台状の溝になっていて、中は滑りやすくなっていたほか、転落を防ぐための柵などは設置されていなかったという。
警察によると、排水路は県が周辺の土地改良事業の一環で18年前に整備したもので、地元住民からは「子どもが排水路付近で遊んでいて危ない」などと対策を求める声が中部農林事務所に寄せられていたという。
警察は、点検や柵の設置などの安全対策を怠ったことが事故につながったとして27日、6人を業務上過失致死の疑いで書類送検した。
警察の調べに対し、元所長らは「当時は子どもが近寄るとは思っていなかった」などと容疑を否認しているという。
※地元住民の話し(音声情報のみ)
「フェンスとかないから、ここは怖いね・・・滑ったらあそこまでいっちゃうね・・・などと、事故前に女房と話していました」
出典
『中学生転落死県職員6人書類送検』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20190627/3030003262.html
(2020年1月19日 修正1 ;追記)
2020年1月17日12時49分に日テレNEWS24から、所長ら6人が不起訴になったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
静岡地検は16日、書類送検されていた県の職員6人を不起訴処分とした。
理由については明らかにしていない。
http://www.news24.jp/nnn/news16422742.html
1月17日20時2分にNHK静岡からは、同種施設への横展開対応も図られていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
事故を受けて、県は、排水路の周辺に人が立ち入らないよう柵を設け、注意喚起の看板を立てるなどの対策を行ったほか、同じような排水路の管理を行う県内のすべての農林事務所に施設の安全対策を徹底するよう通知したということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20200117/3030005475.html
(ブログ者コメント)
以下は、日テレNEWS24の映像の4コマ。
2021年4月14日19時14分にNHK静岡からは、不起訴不当とする遺族の申し立ては退けられたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男子中学生の遺族は、去年8月、「排水路に人が立ち入ることは予測でき、転落防止策を講じるべきだった」として、検察審査会に6人の不起訴は不当だと審査を申し立てていました。
静岡検察審査会は12日付けで、「重大事故が起こり得ると予見できる可能性があったとは言えない」などとして、不起訴は妥当だと議決しました。
そのうえで、県中部農林事務所について、「安全に対する意識が不足していたのではないかと思われる」と指摘しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/20210414/3030011156.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。