2020年5月22日17時47分にYAHOOニュース(ハンギョレ新聞)から、『労働監督が終わってわずか1日で…現代重工業の30代下請労働者が事故死』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
【今年だけで重大災害がすでに4件】
21日、蔚山(ウルサン)の現代重工業で、社内の下請労働者が作業中に死亡する重大災害が再び発生した。
同社で労働者が作業中に死亡する重大災害は、今年だけですでに4件目だ。
同日午前11時10分頃、蔚山の現代重工業造船事業部14岸壁で建造中の液化天然ガス(LNG)タンカーの中で、配管(直径80センチメートル)の溶接補助作業をしていた社内下請労働者のKさん(33)が配管の中で倒れているのを同僚の労働者が見つけ、病院に運んだが亡くなった。
同社では、先月まで労働者が作業中に挟まる事故で死亡する重大災害が相次ぎ、11日から20日まで雇用労働部の特別労働監督が行われた。
特別労働監督が終わってから、わずか1日で再び事故が起きたのだ。
金属労組現代重工業支部は、事故が発生したLNGタンカーについて、会社側に作業の全面中止を要求した。
組合は、「溶接用のアルゴンガスを配管の中に満たして外側から溶接した後、配管の内側の溶接部位を点検するために中に入る場合があるが、この過程で、配管内部の換気を十分に行わずに入ることになれば、酸素不足で窒息することがあり得る。Kさんの事故は、このような事例だと推測される」と語った。
アルゴンガスは無色・無臭・無毒性だが空気より重く、このガスが入っている密閉空間に入る場合、酸素不足による窒息事故の危険がある。
組合はまた、「労働部の特別監督中には作業をあまり行わせないが、監督が終わると同時に普段の作業方式に戻った事例が多く、現場で安全作業が行われる時まで特別労働監督を延長してほしいと要請したが、これを無視した結果、重大災害が再び発生した。特に、亡くなったKさんが属した社内協力業者は、1次協力業者からさらに請け負った2次協力業者だと明らかになり、多段階の下請雇用構造が重大災害の重要な原因となった」と主張した。
同社では、これに先立ち、先月21日には造船事業部先行塗装部で、夜間作業を行った労働者のJさん(50)が船体構造物(ブロック)を外に移す時に開閉する大型の門(ビッグドア)に挟まれて亡くなる事故が起きた。
先月16日には特殊船事業部の水中艦生産部で、労働者のKさん(45)が潜水艦の魚雷発射管内部で油圧で作動するドアに頭と首を挟まれ、意識不明状態で病院で入院治療を受けたが、11日後の27日に亡くなった。
2月22日には、作業用の足場構造物(トラス)製作をしていた社内下請労働者が21メートルの高さから落ちて亡くなる事故も起きた。
このように事故が相次ぐと、雇用労働部は11~20日、同社に対する特別労働監督に乗り出したが、特別労働監督が終了して、わずか1日で再び事故が起きた。
会社側も、先月23日に丸一日、自主的に全ての生産活動を中断して、安全大討論会と安全点検などを行ったが、空念仏に終わった形となった。
労組は、「安全不感症と生産第一主義に陥った会社経営の素顔を如実に示した。重大災害の場合、企業主を強力に処罰できる『企業殺人法』の制定が必要だ」と求めた。
会社側は、「今年相次いだ重大災害に対し、総合的な安全対策を樹立し、安全管理の強化に全社的な力量を集中していた間に再び事故が発生し、なんとも言えない残念な気持ちだ。事故収拾に万全を期する一方、関係機関の調査に積極的に協力して、事故原因の究明に努力する」と明らかにした。
http://japan.hani.co.kr/arti/politics/36712.html
(ブログ者コメント)
事故というもの、続くときには続くことがあると、これまで何回かコメントしてきた。
事故が続いても、それぞれの原因に、たとえばマニュアル不備などの具体的な関連性が見られれば、再発防止策を打ち出せるのだが、ほとんどの場合、関連性は見られない。
今回紹介した事例も、そういったケースの1つのような気がした。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。