2022年10月13日19時0分にYAHOOニュース(GIZMOD)から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
病気ではなく進化ですって。
1986年にウクライナで起こったチェルノブイリ(チョルノビリ)原子力発電所事故。
今でも現場は放射線濃度が高く、一般の人は立入禁止されています。
植物や生物は自由にしていますが、なんと現地にいるアマガエルが、本来の緑色ではなく真っ黒になっているのだそうです。
【全画像をみる】チェルノブイリのアマガエル、放射線濃度に応じて黒く進化している
【事故後36年がもたらした進化】
放射線は遺伝子を破壊して突然変異を引き起こす可能性もありますが、東部アマガエル(Hyla orientalis)は被爆に対抗する手段として、メラニンを多く出すことで自身を護っているのだそうです。
最初に発見されたのは2016年のことで、数年の調査により、12カ所に点在した池から200匹以上のアマガエルを捕獲・比較しました。
その結果、立入禁止エリアにいるカエルは、外部より平均で43.6%暗い色に変化し、発電所に近くなるほど黒さが増していることが判明したのでした。
チェルノブイリのアマガエルは、10~15世代の入れ替わりがあったと見られています。
事故現場の周辺は自然保護区となっており、今ではクマやオオカミ、オオヤマネコなどの絶滅危惧種が保護されているとのこと。
人の手が入らない場所で高濃度の放射線に晒されているのは、非常に特殊な箱庭と言えましょう。
人間でも、紫外線の強い/弱い地域に何代も住めば肌の色が変わりますが、同じメカニズムってことなのでしょうね。
生命の神秘です。
Source: Wiley Online Library, THE CONVERSATION via NEW ATLAS, Boing Boing, NATIONAL GEOGRAPHIC
https://news.yahoo.co.jp/articles/aad6d0013fa6200e0f39345d653cdde5494a79b9
2022年9月30日付でカラパイアからも同趣旨の、やや詳しい記事がネット配信されていた。
生物が環境に適応する為の進化は、今もなお着々と進行している。
その証拠は、1986年に史上最悪の原発事故が起きたウクライナのチェルノブイリで見ることができる。
チェルノブイリは今や自然豊かな野生生物の宝庫となっているが、スペインの研究者によると、以前は珍しかった黒いカエルが増えているのだそうだ。
原発事故の影響で、周囲の自然環境は高濃度の放射線によって汚染された。
チェルノブイリの黒いカエルは、そうした環境に「自然選択」を通じてうまく適応した結果だと考えられるという。
チェルノブイリの環境に適応した黒いカエル
スペイン、オビエド大学のヘルマン・オリサオラ氏らの研究グループは、2016年からチェルノブイリの現地調査を進めている。
ここは原発事故から30年が経過した今、人間がいなくなったことで豊かな生態系育まれ、野生生物が多く存在する、
ヨーロッパ最大の自然保護区の 1 つとなった。
現在では、さまざまな種類の絶滅危惧種が保護されている。
調査を開始してすぐ、損傷した原子炉のすぐそばで、非常に珍しい「イースタン・ツリー・フロッグ(Hyla orientalis)」が発見されたという。
このカエルは通常明るい緑色だが、その個体にかぎっては体が真っ黒だったのだ。
多くの生物の黒は、「メラニン」という色素によるものだ。
この色素は紫外線や放射線のエネルギーを吸収・放散して、その悪影響から細胞を守ってくれる。
さらに細胞内のイオン化した分子(活性酸素など)を取り除いてもくれる。
おかげで放射線による細胞のダメージは軽減される。
【放射線汚染が酷かった地域ほど黒いことが判明】
研究グループは、その後も、2017~2019年にかけて、カエルの色の調査を進めている。
対象となったのは、ウクライナ北部の12ヶ所だ。
各地域の放射線汚染レベルはまちまちで、地球でもっとも汚染された地域もあれば、チェルノブイリの立入禁止区域から外れた地域もあった。
そこで200匹以上のツリーフロッグを調べたところ、立入禁止区域の個体は他の地域よりも体がずっと黒いことが明らかになったという。
2016年に見つかったカエルのように、真っ黒なものもいた。
こうした色の黒さは、現在測定できる放射線レベルとは関係がなく、原発事故当時にもっとも汚染が酷かった地域でよく見られたという。
【黒いカエルは環境に適応するための自然選択】
こうした結果は、放射線の影響で急激に進化が進んだだろうことを示しているという。
原発事故以前、少数派だった黒い個体は、メラニンのおかげで放射線に強かったと考えられるからだ。
生き残る確率が高かった黒いカエルは、繁殖して数を増やした。
こうして、事故から10世代のうちに、チェルノブイリ立入禁止区域では、黒いカエルが主流派になったと考えられる。
古典的だが、非常に速やかな「自然選択」の賜物である。
こうした研究は、放射線に汚染された環境において、メラニンが果たす保護機能を理解するきっかけとなる。
それはただの生物学的な関心というだけでなく、核廃棄物を扱う現場や宇宙探査など、さまざまな分野において応用が期待できるとのことだ。
ウクライナの戦争が終われば、チェルノブイリの魅力的な生態系を調査するために、大勢の研究者が戻ってくるだろう。
https://karapaia.com/archives/52316444.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。