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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20221014431分にYAHOOニュース(Merkmal)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

【ある事業所で、半年間に3件発生】

2015年、日立物流は悩んでいた。

ある事業所において、半年間で追突事故が3件、立て続けに発生したからである。

いずれの事故においても、ドライバーは居眠りもしていなければ、脇見もしていない。
携帯電話を操作するような、ながら運転も行っていない。
もちろん、乗務前点呼において体調不良も確認されていなかった。

運送会社に限らず、タクシー会社、バス会社では、立て続けに交通事故が発生した場合、まずはドライバーへの安全教育の強化を行うことが多い。

だが、このようにドライバー自身に問題行動がなかったケースでは、安全教育を行う意味が乏しい。

どうしたら良いのか……?

悩んだ日立物流は、事故を起こしたドライバーから、さらにヒアリングをした。

すると、ひとりのドライバーは妻の闘病に悩んでおり、もうひとりのドライバーは親の介護で慢性的な精神疲労状態にあったことが分かった。

事故の原因として浮かび上がったのは、悩みごとによって運転に集中しにくい状態にあったこと、すなわち漫然運転であった。

 

【漫然運転の予兆を察知する難しさ】

だが、これはこれでとても悩ましい。

というのも、漫然運転を引き起こしかねないドライバーの心身の状態を、乗務前点呼において運行管理者が把握したうえで運転を控えさせることは難しいからである。

ドライバー側にしても、「今日は気持ちが落ち込んでいるので、乗務を控えさせてください」とは申告しにくいだろう。

申告されたところで、運行管理者も「それはサボりたいだけじゃないの……?」と思うかもしれない。

ドライバーに限らず、全ての働く人々は、バイオリズムの変化によって「今日は仕事に集中できていないな」と感じた経験があると思う。

多少気持ちが沈んだ程度ではなく、事故を起こしかねない状態、すなわち漫然運転をしてしまうほどバイオリズムが低下した状態を検知する仕組みはないのだろうか。

 

AIドラレコで、安全な運転技能を習得】

一見、普通のドライブレコーダー(ドラレコ)と近しい姿をしたMobility Technologies社の「DRIVE CHART」。

だが、車両運行中の車外の映像を記録するだけの従来型ドラレコとは、根本的に異なった機能を備えている。

車内外のカメラで撮影したドライバーの行動、クルマの挙動を検証し、運転の3要素(認知・判断・操作)のうち、とりわけ認知と判断に対するドライバーの悪癖を指摘する役目を担うのだ。

・加速度センサーなどにより、急発進、急後退、急ブレーキ、急ハンドル、制限速度超過などの不適切な運転を検知

GPSと連動、車両の位置情報をリアルタイムに把握することで、一時停止標識のある交差点で一時停止を行わなかった事象を検知

・車外向きカメラで撮影した画像を解析し、前車との車間距離不足を検知

・車内向きカメラで撮影した画像を解析し、ドライバーの脇見を検知

 

AI導入により事故件数が3分の1に】

前回の記事「運転中のドライバーを襲う『意識不明の事故』 プロドライバーさえ防げない悲劇、その根本原因とは何か?」2022102日配信)で紹介したとおり、交通事故の9割近くは、認知と判断の誤りによって発生する。

この「誤り」というのは、交通事故が起こったタイミングでたまたま誤ってしまったというケースもあるだろうが、大半はドライバー自身が普段から行っている悪癖に起因するケースが多いだろう。

例えば、交通事故発生時における違反件数2位の「脇見運転」(13%)による交通事故を起こしてしまったドライバーは、普段から注意力が散漫で脇見運転を行っている可能性が高い。

DRIVE CHART」は、このような認知と判断に関係するドライバーの悪癖を指摘することで、正しい運転技術を身に付けることを促す。

その効果はすさまじい。

例えば、冷凍冷蔵輸送を生業とし、約40台のトラックを抱える運送会社 低温(奈良県)では、「DRIVE CHART」を導入後、事故発生件数を3分の1まで減少させ、保険料を約600万円削減することができたという。

 

【心身不調で鈍る「認知」「判断」の制度】

安全な運転を目指す上で厄介なのは、運転の3要素における「認知」「判断」の精度が、その時々によって変化することだ。

筆者(坂田良平、物流ジャーナリスト)の場合、疲れてくると無意識のうちに車間距離を長くする癖がある。

無意識のうちに心身の疲れを察知し、車間距離を調整するように習慣づいており、逆に車間距離を長くとっていることに気が付き、「ああ、疲れているんだな……」と思うこともある。

これは、トラックドライバーだった頃、先輩ドライバーから「帰り道、特に長距離輸送の帰路は、疲れて反応速度が遅くなっているから、いつもよりも車間距離を長く取れ」と口酸っぱく言われた名残だと思う。

実際、これで交通事故を免れたこともある。

 

【漫然運転を行う心身の状態を検知】

現在では、一部の乗用車、商用車にエマージェンシー・アシスト・ストップという仕組みが導入され始めている。

これは、ステアリングが保持されていない状態を検知すると、警報を発したうえで、走行中の車線で自動的に車両を停止させる仕組みである。

だがこれは、ドライバーの体調急変が発生した後で被害を最小限に抑える仕組みであって、こういった不測の事態を事前に察知する仕組みではない。

「漫然運転を引き起こしかねないようなドライバーの心身の状態を検知することが、乗務前にできれば、交通事故を未然に防ぐことができるのではないか?」と考え、仕組み化したのが、日立物流が日立製作所や理化学研究所などと産官学連携で開発した「SSCV-Safety」である。

冒頭のエピソードをきっかけに、日立物流は、自社、グループ会社らのドライバーの協力を得て、運転中の体調と事故リスクの相関性を研究した。

2019年から2020年にかけて、4000人のデータを収集し、分析したことで、ヒヤリハット事象を起こしてしまうようなドライバーの心身の不調を、乗務前に検知する仕組みを作り上げた。

・乗務前には、体温、血中酸素濃度、血圧、自律神経を測定することで、ドライバーの体調や疲労度を把握して事故リスクを事前に予測

・運転中は、自動でヒヤリハット事象を検知・通知するクラウド型ドラレコと、ウェアラブル脈拍センサーによって、ドライバーの疲労状態を検知  

日立物流グループでは、「SSCV-Safety」の実装によって、ヒヤリハット事象を94%減少させることができたという。

 

【交通事故は、被害者も加害者も不幸に】

前話でご紹介した、はとバスドライバーによる死亡事故(201912月発生。体調不良のドライバーがハイヤーに追突し、ハイヤーのドライバーが死亡)は、20223月、嫌疑不十分で不起訴となった。

当時、私はある大手メディアから、本事故に関する見解を求められた。

大手メディアの記者は、はとバスドライバー本人に取材を行っており、その様子を教えてくれた。

「御本人はすごくマジメな方で、今回の事故のことを深く悔いていらっしゃいます」

当時の報道でも、当人のマジメな人柄がいくつも報道されていた。

そのマジメさゆえに、多少の体調不良程度では、会社に「休ませてほしい」と報告しづらかったのかもしれない。

ことさら日本では、「しんどい」「きつい」というアラートを発することが、周囲から怠惰の証と見られてしまう傾向が高い。

だが、職業ドライバーにおいて、「しんどい」「きつい」を抱えたまま運転業務に従事することは、最悪、人の命を奪うリスクをはらんでいる。

ハイヤードライバーの命は元に戻らないし、ご遺族の心の傷は消えない。

今回紹介したような、「しんどい」「きつい」に対し、科学的な裏付けを持たせることができるソリューションが、より発展、普及することで、ひとつでも多くの悲劇を回避することができるようになることを願いたい。

https://news.yahoo.co.jp/articles/99e1e00aa1b6b0cb67d27998ad4b69e32fd5cf80

 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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