2022年10月17日20時21分にNHK茨城から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
16日、茨城県内の製油施設で、放射線を使って配管の検査を行っていた作業員の男性が機器を扱う手順を誤り、15ミリシーベルトの被ばくをしたことが分かりました。
作業を請け負った会社は、健康への影響はないと考えられるとしていますが、作業員は医療機関で健康状態を確認しているということです。
原子力規制庁によりますと、16日午後1時半ごろ、茨城県にある製油施設で、作業員の男性1人が15ミリシーベルトの被ばくをしたと、作業を請け負った検査会社「W社」から報告がありました。
作業員は、可搬型の機器から放射線を出して配管の内部を撮影する作業を繰り返していましたが、その際5分間ほど、放射線が出る先端部分を容器に収納するのを忘れたまま機器に近づいて作業したということです。
放射線を扱う業務の従事者は、年間の被ばく線量の限度が50ミリシーベルトとされていますが、1回の作業で計画していない被ばく線量が5ミリシーベルトを超えると、国に報告するよう法令で定められています。
作業は2人で行っていましたが、もう1人は補助的な役割で、被ばく線量は4.02ミリシーベルトだったということです。
会社側は、現時点で健康への影響は考えられないとしていますが、2人は17日に医療機関を受診し、健康状態を確認しているということです。
「W社」は広島市に本社があり、3年前の2019年4月にも、山口県の化学工場で作業員1人が検査機器を扱う手順を誤り、9ミリシーベルトの被ばくをしていました。
「W社」は、「前回とは違う機器の取り扱いで誤りが起きてしまった。二度と起こさないよう、再発防止策を徹底したい」としています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20221017/1070018910.html
10月17日21時7分に読売新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
原子力規制委員会は17日、茨城県鹿嶋市の製油所で16日にガンマ線透過試験装置を使って配管を検査していた男性作業員が計画外に被曝 したと発表した。
被曝線量は15ミリ・シーベルトで、放射線を扱う作業者の被曝限度(通常年間50ミリ・シーベルト)以下だった。
男性が所属する設備検査会社「W社」(本社・広島市)は、2019年にも同様の事案発生を規制委に届け出ている。
規制委によると、男性は体調不良を訴えておらず、周辺の環境への影響もない。
同社によると、男性は別の男性作業員と共に検査位置を変える際、本来は装置の放射線源を遮蔽機能がある容器内に収納する必要があるが、約5分間収納せずに作業を続け、被曝した。
別の男性作業員も被曝したが、被曝線量は報告義務のない5ミリ・シーベルト未満だった。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20221017-OYT1T50199/
10月14日付で規制委員会のHPには、該社からの報告を受理したという記事が掲載されていた。
○令和4年10月16日(日)13 時30分頃、株式会社Wの放射線業務従事者(以下「従事者」という。)2名が、茨城県の製油所内において、密封線源(イリジウム192(ガンマ線源)、370ギガベクレル)を内蔵したガンマ線透過試験装置(別添図参照)を使用して、配管の非破壊検査の作業(溶接線の検査)を行っていた。
○当該従事者は、当日数回の検査作業を実施していたが、作業中に線源が遮へい機能を有した線源容器に収納されていない状態に気付いたため、携帯していた個人線量計の被ばく線量を確認した。
その結果、2名のうち1名が15ミリシーベルトであり、5ミリシーベルトを超える計画外の被ばくがあったことを確認した。
他の1名は4ミリシーベルトであった。
○なお、当該従事者2 名について、被ばく線量が年間の法令線量限度を超えるものではなく、現時点で被ばくによる健康への影響はないと考えているが、医療機関による健康状態の確認を受ける予定である。
また、周辺環境への影響はない。
https://www.nra.go.jp/activity/bousai/trouble/houkoku_new/220000077.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。