2015年8月14日付で毎日新聞から、下記趣旨の記事が図解付きでネット配信されていた。
工場の配管に設置する保温材の劣化により、国内の製造業が消費するエネルギーの3%程度が無駄遣いされている可能性があることが、業界団体の推計でわかった。
発電量に換算すると、原発7基が1年間フルに運転して生み出す電力に匹敵する。
政府や電力会社は九州電力川内原発1号機を皮切りに原発再稼働を急ぐ構えだが、老朽化設備の補修など徹底的な省エネ対策でエネルギー消費を抑える需要側の対策も求められそうだ。
工業用保温材の施工などを手がける約450社で作る「日本保温保冷工業協会」がまとめた。
保温材は、岩石やガラスなどから作り、蒸気が通る配管などに巻いて、熱が外部に逃げるのを一定程度防ぐ。
高温の蒸気が流れる配管や、水を蒸気に変えるボイラーなどに設置。
保温材が損傷して配管が外気にさらされたり、雨水がしみ込んだりすれば、配管内の熱が逃げ出す。
同協会は、工場で実施している保温材の検査データや、過去の保温材出荷量などをもとに、
・設置済みの保温材は計1億5700万m2
・その半分で劣化が見られる
・工場の稼働時間は年8000時間程度
・配管内の温度は150〜1000℃
などと想定し、外部にどれだけの熱が逃げているかを試算。
熱損失は、すべての保温材が健全だった場合の約1.5倍に上り、年間220ペタジュール(ペタは1000兆、ジュールはエネルギー量の単位)が余計に失われていると推計した。
これは、出力100万KWの原発7基が1年間稼働した場合の発電量約613億KW時に匹敵する。
配管を通る熱源は、製造工程の化学処理や暖房などに使われる。
製造業はここ数年、国内全体の4割に上る年間6000ペタジュール前後を消費しているが、その3%程度が無駄遣いされていることになる。
事業者や自治体向けに啓発事業などを行う一般財団法人「省エネルギーセンター」の判治理事は、「設備が老朽化し、製造現場のエネルギー管理が甘くなっている事例は多い。省エネには最新鋭の設備導入も重要だが、老朽化設備の補修なども求められる」と指摘している。
出典URL
http://mainichi.jp/shimen/news/20150814ddm001020148000c.html
(ブログ者コメント)
この種の推定は、前提条件次第でどうにでもなる。
今回の推定では、特に「半分で劣化がみられる」という条件が気になった。
かなりシビアな条件ではないかと感じたが、想定した根拠はあるのだろうか?
当該協会のHPを調べてみたが、今回推定に関する記事は見つからなかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。