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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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201932190分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

 

大学の研究室のドアを開けた先にあったのは、バスケットボールのゴールを取り付けたゴミ箱や、映画「ローマの休日」にも出てくる彫刻「真実の口」を模したライオンの頭。

 

何の研究か分かりますか――。

(写真)

 

「経済学部の教授の部屋には見えないですよね」とつぶやく大阪大の松村真宏教授(43)。

ちょっとした工夫をきっかけに、人がある行動を起こす「仕掛(しかけ)学」の第一人者だ。

 

単なるゴミ箱は、バスケットのゴールを付けただけで、持っているゴミを放り込みたくなる標的に早変わりし、路上ポイ捨てを防ぐことにつながる。

 

ライオンの真実の口は、映画のオードリー・ヘップバーンのように手を中に差し入れると、消毒液が吹き出る仕組み。

病院で好評だった。

 

研究対象は、このように「つい、してみたくなる」を引き出すメカニズムだ。

 

経済学らしく定義すると、

〇誰も不利益を被らない「公平性」

〇行動が誘われる「誘引性」

〇仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる「目的の二重性」

の3つを満たすものとしている。

 

もともとは、人工知能(AI)の研究者だった。

 

多くの競争相手が集う分野は「自分がいなくても成長する。誰もやっていない研究を開拓したい」。

 

そんな考えを巡らせていた2006年、天王寺動物園(大阪市)で見た、ある筒が転機となった。

 

望遠鏡のような筒を子供が次々にのぞき込む。

そこにあるのは象のフンの模型。

子供が進んでのぞき込む工夫に衝撃を受け、研究対象に決めた。

 

仕掛学は、先行研究はほとんどなかった。

学会で発表しても、「学問ではない」という厳しい指摘もあった。

それでも研究を続け、集めた仕掛けは600例以上に上る。

 

16年に一般向けに成果をまとめた解説本が、注目を集めるきっかけとなった。

 

民間企業から共同研究の依頼が舞い込み、子供にも分かりやすいとあってか、教育分野からも引っ張りだこだ。

 

仕掛けは、アイデアさえあれば子供でも作れる垣根の低さはあるが、「大学で研究することの意味は、効果を検証すること」と力説する。

 

仕掛けと効果の関係が見えてくれば、経済学などあらゆる分野に応用することが可能になる。

 

人は何に突き動かされて行動するのか。

AIだけでは説明できない人の心と行動の関係を解きほぐしていく学問は,緒に就いたばかりだ。

 

 

【松村教授をもうならせた仕掛け5選】

 

実は、私たちの身の回りは「仕掛け」でいっぱい。

松村教授が国内外で集めた600以上の事例の中から、5つピックアップした。(写真はいずれも松村さん提供)

 

①ファイルの背表紙のライン

(写真)

ファイルボックスの背表紙に斜線を1本引くと、順番通りに並んでいるか一目で分かる。

ラインが乱れていると気になってつい直したくなり、整理整頓が進む。

 

②駐輪場に引かれた斜めのライン

(写真)

駐輪場にひかれた線が斜めになって、つい、線に沿って自転車を並べてしまう。

垂直に線を引くよりも通路側へのはみ出しが少なくなる工夫だ。

 

③男性用トイレの的

(写真)

小便器内に的をつけることによって、つい、的を狙いたくなり、便器外への飛び散りを減少させる。

ハエの的を付けたオランダの空港のトイレでは、飛散が80%減少したとの報告もある。

 

④ピアノ鍵盤模様の階段

(写真)

エスカレーターの横にある階段が、ピアノの鍵盤に見立てて白黒に塗装されている。

センサーやスピーカーが設置されていて、階段を踏むと実際に音が鳴るという。

階段を上ることで、運動不足の解消につながる。

 

⑤コインスライダーの付いた募金箱

(写真)

手前と奥に見えるスライダーにコインを入れると、斜面を加速しながら滑り落ちて、真ん中の穴から募金箱に入る仕組み。

遊びと募金を、うまくつないでいる仕掛け。

 

出典

「してみたくなる」の謎を追う 大阪大の松村真宏教授

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41875790Y9A220C1CC1000/?n_cid=NMAIL007

 

 

※少し前、2018112090分に産経新聞からは、松村教授が行っている実証実験などについても、下記趣旨でネット配信されていた。

 

・・・・・

 

 

【試食を増やすには・・・】

 

松村教授は学生らとともに、さまざまな実証実験に取り組んでいる。

 

大学近くにあるパン屋は、ある悩みを抱えていた。

「お客さまがなかなか試食してくれない」。

 

一度試食したら「商品を買わなくてはならない」とのプレッシャーを客が感じてしまうことが原因とみられていた。

 

これは「返報性の原理」と呼ばれている現象だ。

誰かから何かをしてもらったら、お返しをしないと申し訳ない感情が働く心理という。

 

そこで松村教授らは、複数の試食用パンを用意し、試食後にどちらがおいしかったかを、つまようじで意思表示できる方法を考案。

心理的なハードルが生まれやすい通常の試食を、アンケートや投票といった形に変えた。

 

その結果、通常の試食と比べ、意思表示型の方が、客に試食される回数が増えたことが分かったという。

 

 

【傘の盗難防止にも仕掛け】

 

対照的に、特定の行動を「させない」ようにいざなう仕掛けもある。

 

傘置き場に置いていた傘を誰かに盗まれ、ショックを受けた経験は誰にでもあるだろう。

 

そこで盗難防止のために考案したのが、傘の盗難に関するアンケート用紙を傘置き場に張る、という仕掛けだ。

 

質問内容は「これまで傘を盗まれたことがありますか」というもの。

見た人はシールを張って「はい」か「いいえ」に投票する仕組みになっている。

 

「誰かに見られているんじゃないか」との感覚が人間の行動を律する可能性があるとみており、詳しい結果は現在検証中という。

 

 

【社会問題解決目指して】

 

まだ明らかにできない実験を含め、松村教授は公共交通機関や商業施設、教育機関など、複数の外部機関とコラボレーションし、仕掛学の共同研究を進めている。

 

工夫された仕掛けが、社会のさまざまな問題を解決に導く可能性があると信じているからだ。

 

・・・・・

 

「大切なのは強制をしないこと。そして、自然にその方向にいざなうこと」。

自身の仕掛学の“哲学”を、こう語った松村教授。

 

子供向けの「仕掛けコンテスト」の開催にも意欲を見せており、「みんなが仕掛けの発想を持つことで、ものごとをネガティブからポジティブへ転換し、社会の問題が減っていくことになればうれしい」と語った。

 

出典

体が勝手に反応してしまう「仕掛学」の社会貢献とは

https://www.sankei.com/premium/news/181120/prm1811200003-n1.html 

 

 

 

 

 KW ; ヒューマンエラー 人的エラー

 

 

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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