2019年7月11日10時34分に山形新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
物に触れた際の「しっとり」という感覚について、山形大工学部の野々村美宗(よしむね)教授(50)らが物理的な仕組みを解き明かし、研究成果をまとめた論文が10日、英国の科学雑誌に掲載された。
水分量が“肝”とされてきたが、ポイントは「摩擦力」。
野々村教授によると、「最初に一気に高まり、すぐに下がる力学的な刺激が、しっとり感の『ある、なし』につながる」という。
「しっとり感」について、辞書では、「適度に水分を含んでいる様」などとされている。
水分を含まない粉末や布に触れた時でも、「しっとり」を使う場合があり、一般的な表現として定着しているが、実際には「どんなメカニズムで喚起される感覚なのか分からなかった」(野々村教授)という。
野々村教授ら研究グループは、人が物質に触れた時の動きを模した独自の摩擦評価装置を開発し、指先に加わる力学的刺激を計測した。
その結果、物に触れた瞬間に感じる大きな摩擦力と、その刺激が一気に下がり、抵抗が小さくなる落差のある感覚の組み合わせが、「しっとり感」となって脳に伝わることを突き止めた。
物質の素材や組織の構成などによって、感覚の「ある、なし」は決まるという。
野々村教授は、「こうした感覚は日本人独特で、英語などには同様の言葉がない」と指摘し、「海外の化粧品業界では、日本に倣い、この概念を商品開発に取り入れる動きが広まっている」と話す。
論文は英語表記で、「しっとり」は「shittori」と表現した。
今回の研究で、「もっと、しっとりした」や「しっとりを抑えた」などの要素を反映した商品を開発する場合、明確な尺度で表現する道筋が開けたという。
感覚を数値化するなどし、化粧品や着心地がいい衣類、高級感がある自動車のインテリアなど、幅広い商品に応用が期待される。
野々村教授は、「今後は、『ぬくもり感』や『さらさら感』などのメカニズムを解明していきたい」と意気込んでいる。
出典
『「しっとり感」の仕組み解明 山形大・野々村教授ら、水分量よりも…「摩擦」急降下が鍵』
http://yamagata-np.jp/news/201907/11/kj_2019071100231.php
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
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