2021年3月19日18時24分にNHK岩手から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
岩手競馬で競走馬から相次いで禁止薬物が検出された問題で、岩手県警察本部は、何者かによる混入ではなく、敷きわらに自然発生した禁止薬物を摂取した可能性が高いと結論づけたうえで、被疑者不詳の競馬法違反の疑いで、盛岡地方検察庁に書類送検しました。
この問題は、平成30年からおととしまでの2年間に、岩手競馬の12頭の競走馬から禁止薬物の「ボルデノン」が検出されたもので、この影響で、岩手競馬ではあわせて21日間、レースが中止されました。
この問題について、警察は、競馬法違反の疑いで、関係者からの聞き取りのほか、きゅう舎に設置された監視カメラの映像や、敷きわらや飼料の流通ルートなどについて、捜査を行ってきました。
その結果、敷きわらから禁止薬物が自然発生することがあることや、敷きわらを木製のチップに変更後、禁止薬物が検出された競走馬がいないことが確認できたということです。
このため、警察は、禁止薬物が検出されたのは、競走馬が自然発生した禁止薬物を食べるなどして摂取したもので、犯罪ではない可能性が高いと結論づけた一方で、当時の監視カメラには死角があり、何者かが混入させた可能性は完全には否定できないことから、レースで1着から3着に入った5頭分について、19日、被疑者不詳の競馬法違反の疑いで、盛岡地方検察庁に書類送検したということです。
これで、一連の警察の捜査は終了することになりました。
【競馬薬物問題とは】
一連の問題で、岩手競馬の競走馬から禁止薬物がはじめて検出されたのは、3年前の平成30年7月。
盛岡競馬場で行われたレースで2着に入った馬から、禁止薬物の「ボルデノン」が検出されました。
それから、あわせて12頭の馬から薬物が検出され、21のレースが相次いで休止となる事態になりました。
県競馬組合は、防犯カメラの台数や夜間の警備員の増員など監視態勢を強化。
おととし11月以降は、競走馬から禁止薬物は検出されておらず、レースも再開されています。
【捜査経緯は】
捜査にあたってきた岩手県警察本部は、当初、「ボルデノン」が国内で流通しておらず入手困難な薬物であることなどから、何者かが摂取させたとみて捜査を続けてきました。
一方、県競馬組合も監視カメラの設置台数を増やし対策を強めましたが、現場からは人為的に摂取させたとみられる証拠は見つかりませんでした。
一方、警察によりますと、きゅう舎の敷きわらから「ボルデノン」が自然に発生したという事例の報告が、国内外にあることが捜査の過程でわかったということです。
科学的な根拠はわかっていないということですが、一定の条件を満たすと「ボルデノン」が発生するということです。
そして、警察が岩手競馬のきゅう舎や仕入れ先の敷きわらを検査したところ、いずれからも「ボルデノン」が検出されたということです。
このため、警察は県競馬組合に要請し、敷きわらの使用をやめてウッドチップに変更したところ、「ボルデノン」が検出されることはなくなったということです。
このため、警察は、「ボルデノン」が自然に発生した敷きわらを食べたことで競走馬から検出された可能性が高いと結論づけました。
【管理者の達増知事は】
岩手県競馬組合の管理者を務める達増知事は、「県警には、鋭意捜査を尽くしていただいたものと考えています。今後も検察庁において捜査が行われ、しかるべき結論が出されるものと認識しています。これまであらゆる可能性を想定した対策を講じ、今年度は陽性馬は発生しなかったところだが、引き続き公正な競馬を提供できるよう、厩舎関係者と職員が一丸となり全力を挙げて再発防止に取り組んでまいります」とするコメントを発表しました。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210319/6040010233.html
(ブログ者コメント)
本件、本ブログの掲載対象としている「事故」からは外れたものだが、予想だにしないことが起きることがある、そんな事例として紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。