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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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2021319931分にYAHOOニュース(幻冬舎GOLD ONLINE)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

色覚異常というと、色がまったく判別できない状態を想像する人が多いようです。

しかし、実際には「判別しづらい」というケースがほとんどで、自覚なく生活を送っていることも珍しくありません。

実は、気づかれないだけで、ほぼ全員が加齢に伴い色覚異常になることをご存じでしょうか。

 

20代後半から始まる…誰もが「色覚異常」になる事実】

生まれつきの異常がない人も、80歳までには、ほぼすべての人が色覚低下をきたします。

これを本記事では、「加齢による色覚異常」と呼びます。

加齢による色覚異常は、20代後半から着々と進行しているといえるのです。

目には、水晶体と呼ばれる器官があります。
水晶体はカメラでいうレンズのような働きをするところです。

水晶体は生まれた時には無色透明ですが、有害光線から目を守るために、薄い黄色に変化していきます。
いわば、眼球に直接、黄色いサングラスをかけるようなものであり、黄色が濃くなるほどに、当然色の見え方が変わってきます。

10代後半から20代前半で、水晶体はちょうど好ましい薄黄色になるのですが、加齢に伴い、黄色化はさらに進行します。

80代になると、水晶体はビール瓶のような濃い茶色になる人もいます。
もし手近にウィスキーの入った透明な瓶があるなら、それを透かして見てください。
視界は、その景色に近いほどに色を判別できなくなるのです。

加齢による色覚異常は、時間をかけてゆっくりと進行し、気づかぬうちに少しずつ色を見る力が落ちてきます。

これを放置しておくことも、また、命の危険につながります。

 

【高齢者の火災事故にも「色覚異常」が大きく関係】

加齢による色覚異常は、自覚症状もあまりなく、生活に支障があるわけではないと、放置されることが多くあります【図表】。

しかし、誰の身にもいずれは起こる加齢による色覚異常が、高齢者の命を脅かす危険をはらんでいるのです。

その一例が高齢者の火災事故です。

ガスコンロなどの炎が衣服に燃え移る「着衣着火」が原因となり、火災になることがあります。

総務省消防庁の2020年度の調査によれば、住宅火災に伴う死者数は前年、全国で858人でしたが、そのうち44人が着衣着火で全体の約5%を占めました。

しかも同年の調査で、東京消防庁が管轄地域で起きた着衣着火の内容を分析した結果、死亡者44人のうち39人が、65歳以上の高齢者だったのです。

火元に関しては半数近くが、ガスコンロなどのガス調理器具から引火したことがわかりました。

具体的には、「やかんと鍋を移しかえようとしたら袖に火がついた」、「コンロの上の棚のものをとろうとしたら裾が燃えた」といった事例があったそうです。

大事には至らなくても、服に火が移るなどしてヒヤリとした経験を持っている高齢者は数多くいます。

東京都生活文化局が、インターネットを通じ、首都圏の60歳以上の男女3000人にアンケート調査を行ったところ、1割近い261人が、着衣着火の経験があると回答。
そのほとんどは日常的な生活の中で起きたこともわかっています。

 

【高齢者には「コンロの炎が小さく見えている」衝撃事実】

なぜ、高齢者に着衣着火が頻出するのでしょう。

今までは、高齢になることによる、運動能力の低下が原因と考えられてきましたが、加齢による色覚異常が一因となっていることも考えられます。

実は、ガスコンロの炎というのは、見える大きさが年代によって違ってくるのです。

20代では青白い炎が6センチほど立ちのぼって見えるものが、60代になるとそれが4センチほどしか立ちのぼっていないように見えてしまいます。

炎は同じように出ているのですが、最も高熱である色温度の高い色(青色の炎の先端)が、高齢者には「見えない」のです。

つまり、炎が実際よりも小さく見えているということになります。
これが、加齢による色覚異常の端的な例です。

そのため、自分では炎との距離を適切にとっているつもりであっても、炎の先端が見えないことで、結果的に着衣着火が起こってしまうのです。

火災になれば、自分の命はもちろん、家族や近所の住人の命まで危険にさらしてしまうことになります。

 

【色覚低下により「階段の境目」が見えず転倒】

さらに、転倒事故にも注意が必要です。

高齢者だけでなく、50代頃から、階段の踏み外しや転倒をする人が多くなります。

この転倒にも、加齢による色覚異常がかかわっている可能性があります。

少し暗いところでは、下り階段の最後の段差は影になります。
すると、段の境目が認識できず、足を踏み外してしまうのです。

さらに、運動能力の低下が拍車をかけ、骨折や脳挫傷などの重大な事故につながってしまいます。

こうした加齢による色覚の変化は、中年と呼ばれる年代から少しずつ進行しています。

色覚異常がかなり進んでいても、本人は「昔のように見えているつもり」のため、なかなか自覚することができません。

最近は、実年齢よりもずっと若々しく活動的な中高年世代も増えていますが、年齢とともに色の見え方が変わっていることを自覚して、足元に注意して行動するようにしてほしいと思います。

また、最近、高齢者施設などで問題視されていることに高齢者の食欲の低下による衰弱がありますが、加齢による色覚異常が進行すると、茶色いサングラスをかけて生活しているような状態になりますから、食べ物の色も鮮やかには映らず、おいしそうに見えないことにより、食欲の低下を招くとも考えられます。

高齢で体力が落ちている上に、食事が摂れなければ、さらに体力がなくなり、結果として風邪などの比較的軽い病気でも命を脅かされるようになりかねません。

 

市川 一夫 ;日本眼科学会認定専門医・認定指導医、医学博士

https://news.yahoo.co.jp/articles/11df59571b55c721e7e24afb9e27659d0081ed57

 



(ブログ者コメント)

3日前、岩手県で野焼きをしていた90歳男性が着衣着火で死亡するという事故があった。
また、仏壇のロウソクの火が衣服に燃え移って・・・という事故も、本ブログでは何件か紹介している。
そういった事故の中にも色覚低下が原因になっているものがあるのかもしれない。

20213241136分 NHK岩手)

23日昼すぎ、奥州市江刺米里の休耕田で、下草およそ2400平方メートルが焼ける火事があり、休耕田にいた菊池さん(男性、90歳)が、全身にやけどを負いました。

菊池さんは、矢巾町にある県の高度救命救急センターに搬送され治療を受けていましたが、警察によりますと、24日午前2時半ごろに死亡したということです。

菊池さんは、当時、野焼きをしていて、衣服に火が燃え移ったとみられるということです。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/morioka/20210324/6040010281.html




 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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