2020年8月7日18時35分にYAHOOニュース(仙台放送)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
柴田町の白石川で川遊び中に流され行方不明になっていた町内の女子中学生2人が、8月7日午後、遺体で見つかりました。
遺体で見つかったのは槻木中学校1年のAさん(12)とOさん(13)の2人です。
警察によりますと、2人は6日午後、柴田町の白石川で友人3人と川遊び中に流され、行方不明となっていました。
警察と消防で7日午前6時半からおよそ150人態勢で捜索を行ったところ、午後2時ごろ、潜水士が川底にうつぶせの状態で沈んでいる2人を見つけたということです。
2人が見つかったのは、川遊びをしていた場所から30メートルほど下流の、水深およそ1.5メートルの場所です。
警察によりますと、AさんはTシャツにショートパンツ、OさんはTシャツに長ズボンを着用していたということです。
柴田町によりますと、槻木中学校では7日の終業式で生徒たちに今回の事故のことを伝え、注意喚起を行ったということです。
警察で2人の死因の特定を急いでいます。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c35db5097dd6971cabef4b936e9daf1516d811e
8月7日6時5分に河北新報からは、現場付近では遊んではダメだと学校から注意されていた生徒もいたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察などによると、不明の2人を含む同級生の女子生徒5人が6日午後0時半ごろから、当初は浅瀬で遊んでいたという。
このうち3人が川の深みにはまり、1人は自力で泳いで岸に上がったものの、2人が流された。
友人2人と現場を訪れた槻木中2年の男子生徒(13)は、「学校から、現場付近は危ないので遊んでは駄目と注意されたことがあった」と語った。
https://kahoku.news/articles/20200807kho000000012000c.html
8月7日19時32分にYAHOOニュース(東日本放送)からは、水難学会では多重水難のことを後追い沈水とも言っているなど、下記趣旨の解説的記事がネット配信されていた。
川遊びの中で起きてしまった今回の事故。
現場付近では過去にも死亡事故が起きていて、専門家は、下流域の川で起きやすい典型的な事故だった可能性があると指摘しています。
岩附記者;
「中学生2人が流された現場の川付近には、危険を呼び掛ける看板が設置されています」
現場付近では、おととし7月にも釣りをしていた大学生が流され、死亡する事故が起きています。
住民;
「(住民はこの川で水遊びは)そんなにしない。ここ危険区域だから。
(この川は流れは)穏やかだけども、たこつぼっていうか深みと浅みがあるような感じ」
「あー気の毒だなあと思って、一瞬にしてね」
水難事故に詳しい専門家は、事故は同じ場所で繰り返されると指摘します。
水難学会・斎藤秀俊会長;
「場所によって同じ事故が同じように繰り返されます。
ですから、なんでここで同じような事故が起こるんだろうなという所は、例えば、川が浅い所から急に深くなっていると、典型的な構造を示していたりするんですね」
今回の白石川のような下流域では、一般的に川底が砂地であることが多く、上流のような岩の川底に比べて深さが見通しづらい傾向があります。
事故の経緯は詳しく分かっていませんが、1人が足を取られ、助けようとしたもう1人も被害に遭う「多重水難」、「後追い沈水」の典型に見えると言います。
水難学会・斎藤秀俊会長;
「多重水難というのは、我々水難学会では後追い沈水とも言っているんですけども、1人目が深みにはまって流されそうになって、2人目がそれを追いかけて入って行って同じ目に遭ってしまうと」
また、新型コロナウイルスの影響で、監視の目がある海水浴場や学校のプールが閉鎖される今年の夏は、子どもたちの行動に特に注意が必要だと言います。
水難学会・斎藤秀俊会長;
「暑い夏にどこに行くかというと、間違いなく川に行ってしまう。
川は涼むのにも一番良い所ですし、見ているとそんなに危なそうじゃないなあと思ってしまうんですね」
また、家族連れであっても、危険性に変わりはないと注意を呼び掛けています。
水難学会・斎藤秀俊会長;
「家族連れで、今までプールでしか泳いだことがない人たちが、いきなり川に行けば、今回の事故のように全く同じようなことが必ず起こります。
ですから、今年は慣れていなければ水遊びはもうしないという、それぐらいの心構えで行かないと、こういった事故はなくならないんじゃないかなあと思います
https://news.yahoo.co.jp/articles/3d0cf9f3ea7d683b8ee73860755e2f00fa2ed1e3
(ブログ者コメント)
以下は、東日本放送映像の2コマ。
2021年8月6日14時33分にYAHOOニュースからは、水難学会が現地で調査した結果、岸辺の循環流から本流に向けて流された可能性があるなど下記趣旨の記事(水難学会会長寄稿文)が、写真や動画、解説図付きでネット配信されていた。
・・・
実験動画では、砂の河岸から砂洲に沿って歩いていき、膝より深い川に入った様子を映しています。
水深が胸の深さに達したので元に戻ろうと振り向いたとたんに沈水しています。
背浮きができなければ、このまま溺れ沈んで、生きては浮き上がってきません。
・・・
この場所(宮城県柴田町 白石川)では、4年前に大学生が溺れて命を失いました。
ここで釣りをしていたそうです。
残された荷物はカバー写真の砂地の上に張られたテント付近で発見されています。
よく釣りに出かけていたそうで、川には慣れていたようです。
昨年の8月6日には地元の女子中学生2人が、この場所で溺れて命を失いました。
水難学会は、この8月に事故調査委員会(犬飼直之委員長)を現地に派遣し、上述した2件の水難事故の原因調査を行いました。
その時に撮影された現場の様子が図1です。
図1では、左側に砂の河岸があります。
上流から下流に向かうように、本流である流れ(矢印1)は明確に見て取れます。
現場では、本流の他に、矢印2や矢印3で示した流れがありました。
この流れは、下流から上流に流れていました。
そして、砂の河岸から矢印3に沿って右側に向かうように細長く砂地が延びているのがお分かりになるでしょうか。
これを砂洲(さす)と呼びます。
そもそも、中流域の川には珍しく、なぜ砂がたまるのでしょうか。
それは、この地点にて循環流が発生して、川の流れがくるくる回っているからです。
図2をご覧ください。
図1の川を真上からみたイメージ図です。
矢印1の上流からの流れは矢印Aのように分岐して上流を目指します。
砂の河岸に並行するように矢印2のように川を遡り、砂洲に沿うようにして矢印3のように元の流れに戻ります。
流れがくるくる回るイメージです。
動画1の被験者は、砂洲に戻ろうとして矢印3の流れに逆らったわけです。
だから、本流に向けて流されました。
・・・
https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohidetoshi/20210806-00251569
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。