2018年10月5日0時24分に日本経済新聞電子版から下記趣旨の記事が、塩分が付着した状況の写真や塩害が起きる仕組みの図解付きでネット配信されていた。
日本列島を縦断した台風24号は、暴風と大雨だけでなく、巻き上げた海水による「塩害」を各地にもたらした。
海から離れた畑でも、野菜の葉が枯れるなどの被害が発生。
付着した塩を洗い流そうと、ガソリンスタンドには長い車の列ができた。
塩害が原因とみられる停電も広範囲で起き、専門家は「内陸部でも対策を進める必要がある」と指摘している。
「塩がかかって葉が枯れた」、「苗を抜いて植え替えないといけない」。
台風24号の北上に伴い、9月30日夜から1日朝にかけて関東地方に強風が吹いた後、JA千葉中央会(千葉市)には、千葉県内各地のJAから次々と塩害の報告が入ってきた。
「コメの収穫が終わっていたのは不幸中の幸いだが、ハクサイなど、収穫間近の葉物の被害が大きそう」と、同会の広報担当者はため息をつく。
同県の内陸部にある富里市でも、収穫期のダイコンや順調に育っていたニンジンの葉が茶色く枯れてしまい、JA富里市の広報担当者は、「自然を相手にする難しさを痛感した」と声を落とした。
千葉市美浜区のガソリンスタンドでは、1日以降、2台ある洗車機がフル稼働。
付着した塩を落とそうと、順番待ちの車が列を作った。
スタッフの女性は、「こびりついた塩がなかなか落ちないので、高圧噴射や手洗いを希望するお客さんが多い。こんなに忙しいのは初めて」と話していた。
千葉県御宿町では2日午後11時ごろ、JR外房線沿線に住む住民が線路脇の送電設備から火花が出ているのを発見、通報。
JR東日本は、現場一帯への送電をいったん停止した。
火花が出た部分の付着物をふき取ったところ、問題なく復旧できたが、この影響で外房線は約1時間50分間にわたって運休した。
京成線船橋競馬場駅(同県船橋市)では3日夜、構内の送電線から出火し、停電が発生。
4日朝には復旧したが、一部区間が運休して通勤客らに影響が出た。
京成電鉄は、塩害が原因の可能性があるとみている。
塩害が原因とみられる停電は、千葉、茨城、東京、神奈川、静岡などの沿岸部を中心に、広い範囲で発生。
電線や電柱で火花を目撃した例も相次いだ。
塩害に詳しい電力中央研究所(東京)の本間宏也・上席研究員は、「塩害は広範囲に及びやすく、復旧にも手間がかかる。停電だけでなく、電線が燃え上がる恐れもある」と説明。
「沿岸部に限らず、電柱・電線の絶縁強化などの対策を進めていくべきだ」としている。
【「風台風」で起きやすく】
台風による塩害は、強い風に巻き上げられた海水が陸上に吹き付けられ、含まれる塩分が構造物や植物などに付着することで起こる。
通常は台風の雨で洗い流されるが、暴風を伴う「風台風」で雨が降りやんだ後も強風が続いたり、台風の通過後に晴天が続いたりすると、塩分が乾いて残り、被害が生じる。
水を含んだ塩は電気を通しやすいため、電線と電柱をつなぐ絶縁部分などに付着すると、通常と異なる電気の流れが生じて停電の原因になる。
エアコンの室外機や車などに塩が付くと、サビが生じやすくなる。
過去にも、収穫前の野菜や果実に被害が出たり、畑の土壌が悪化して影響が長期に及んだりしたケースがあった。
出典
『台風去って「塩害」残す 野菜枯れ、電線で火花』
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36156850V01C18A0CC1000/?n_cid=NMAIL007
10月5日14時0分に産経新聞からは、塩害で停電にまで至るケースは珍しいなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
京成電鉄は5日、複数の送電線から出火して停電が発生し、午前9時半ごろから全線で運転を見合わせたと発表した。
台風24号の影響で送電線に吹き付けられた海水が乾燥し、電線がショートする塩害が起きたとみて調べている。
電線から火花や異常音が出る現象は、千葉のほか、茨城や東京、神奈川、静岡の各都県でも確認されたが、停電にまで至るのは珍しいという。
出典
『京成線、全線運転見合わせ 塩害か、複数の電線出火』
http://www.sankei.com/affairs/news/181005/afr1810050011-n1.html
10月6日0時33分に毎日新聞からは、塩害で電線がショートする理由について、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京電力によると、塩害は塩水が電気を通しやすいために起こる現象。
横浜国立大の西村誠介名誉教授(電子工学)は、台風の強風により海水の塩分が空気中に飛ばされ、電線を電柱に固定して支えるための絶縁体「碍子」に付着したことが原因となった可能性を指摘する。
付着後、雨や湿気で碍子がぬれて塩水となり、通電してショートしやすくなるという。
出典
『台風塩害 JRなども 海水で電線絶縁体ショート』
https://mainichi.jp/articles/20181006/k00/00m/040/130000c
10月3日18時40分にNHK千葉からは、関東地方の沿岸部では塩分が付着しにくい碍子を設置しているのだが・・・など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
関東地方の沿岸部では、2日夜から3日未明にかけて、電柱などから火花のようなものが出ているという通報が消防や警察に相次ぎ、鉄道が一時、運転を見合わせた。
台風24号のあと、電気設備に塩分が付着して起きる「塩害」によるものとみられ、千葉県御宿町では「塩害」が原因とみられる停電が発生した。
東京電力によると、強い風で巻き上げられた海水の塩分が電柱に取り付けてある変圧器や「がいし」と呼ばれる絶縁用の部品に付着し、塩分は電気を流れやすくするため、通常は起きない複数の電気の流れが発生してショートし、停電につながったとみられるという。
東京電力は、関東地方の沿岸部では、塩分などが付着しにくい複雑な形状にした「がいし」を設置しているが、今回の台風24号による強風で大量の塩分が付着した可能性もあるとして、原因を詳しく調べることにしている。
東京電力では、電柱の変圧器や「がいし」の周辺で、火花のようなものを見たり、ジリジリという音を聞いたりして不安を感じたら、相談窓口に連絡してほしいとしている。
出典
『「塩害」停電 大量塩分が付着か』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20181003/1080003976.html
(2/2へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。