2015年12月26日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正2として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/5508/
(2016年3月27日 修正2 ;追記)
2016年3月18日23時9分に毎日新聞から、素手で触ったことなどもあったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月18日17時2分に産経新聞から、3月18日20時40分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
(新情報に基づき、第1報ともども、タイトルも修正した)
発がん性が指摘される化学物質「オルト−トルイジン」を扱う福井県の化学工場で従業員ら6人がぼうこうがんを発症した問題で、厚生労働省は、18日、生成物を乾燥させる工程で働く人に尿中のオルト−トルイジン量の増加が見られ、この作業で体内に取り込まれていたとの暫定的な調査結果を公表した。
調査結果によると、オルト−トルイジンは、他の化学物質と反応させて染料の元を作る「反応工程」と、生成物を乾燥させる「乾燥工程」で取り扱っていた。
工程は、どちらも自動化、密閉化されておらず、労働者が直接扱う作業が多かった。
このうち、染料の元を乾燥させて袋詰めする作業に携わる作業員の尿から、他工程の作業員に比べて、高いオルト-トルイジンが検出された。
従業員は、汚染された手袋を使ったり、手袋なしで製品の乾燥状況を確認したりしていたため、皮膚にオルト−トルイジンを浴びて吸収した可能性があるとした。
また、同工場では、空気中の化学物質の吸入を防ぐ保護具を着用していなかった時期があり、厚労省は、「空気中から物質を体内に取り込む例もあったとみられる」としている。
一方、過去の作業では、物質が含まれていたとみられる有機溶剤が皮膚に飛び散ったりしていたという。
厚労省は、生産工程の密閉化を基本とした防止策を指導し、全国の他の取り扱い工場にも、皮膚への付着に注意するよう呼び掛ける。
有識者や使用者などで、オルト−トルイジン規制の在り方も検討する。
厚労省の調査結果公表を受け、福井県の工場を営むM社(東京都)は、「管理・教育体制が十分ではなかったことを再認識した。今後、調査内容を踏まえ、問題点に対し継続的に改善を行う」とのコメントを出した。
ぼうこうがんを発症した人には「適切な補償を行っていく」としている。
出典URL
http://mainichi.jp/articles/20160319/k00/00m/040/110000c
http://www.sankei.com/economy/news/160318/ecn1603180040-n1.html
http://www.asahi.com/articles/ASJ3L4GBJJ3LULFA00L.html
(2016年6月4日 修正3 ;追記)
2016年6月2日付で毎日新聞東京版から、オルト-トルイジンが皮膚から吸収されたとする調査結果がまとまったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は、1日、長期間にわたるオルト−トルイジンの皮膚からの吸収が原因とする調査結果をまとめた。
厚労省の依頼を受けた独立行政法人「労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所」が調べた結果、作業に使うゴム手袋をオルト−トルイジン含有の有機溶剤で洗い、繰り返し使っていたことなどが分かった。
オルト−トルイジンが付着したゴム手袋を通して、皮膚から吸収されたとみられる。
出典
『ぼうこうがん発症 福井の化学工場、原因物質を皮膚吸収 厚労省調査』
http://mainichi.jp/articles/20160602/ddm/012/040/044000c
(ブログ者コメント)
厚労省HPに、平成28年6月1日付で調査報告書が掲載されている。
主な記述は下記。
1 調査手法
○ 事業場、労働者に対する聞き取り及び労働者に保護具を着用させた上で当該化学工場において過去の作業を再現し、測定等の調査を行い、過去の労働者のばく露を推定した。
2 調査結果
○ 過去の取扱状況について関係者に聞き取りした結果、オルトートルイジンを含有する有機溶剤でゴム手袋を洗浄し繰り返し使用することは多くの労働者が行っていたこと、夏場は半袖の化学防護性のない一般的な服装で作業していたこと、作業の過程でオルト-トルイジンを含有する有機溶剤で作業着が濡れることがしばしばあったこと、作業着が濡れた直後にシャワー等で体を洗い流さなかったこと、一部の作業について直接手指でオルトートルイジンに触れていた等、オルトートルイジンに皮膚接触する機会があったものと推察した。
○ オルトートルイジンの取扱いに係る作業の再現において、作業環境測定や個人ばく露測定を実施したところ、許容濃度と比べて十分小さい濃度であったことから、オルトートルイジンの経気道ばく露は少ないと推察した。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。