2016年3月20日11月29日に読売新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
2016年3月1日6時0分に日本経済新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
JR四国は、列車内から乗客を脱出させる新たな装置「列車用避難シューター」を発表した。
避難はしごを使えない災害弱者のためにと、同社高知運転所の社員が、航空機の脱出シューターや遊具の滑り台にヒントを得た。
南海トラフ巨大地震が起きた際、津波からいち早く逃れるため、高知県の土讃線と徳島県の牟岐線のワンマン列車計113両に4月末までに導入する。
巨大地震では、高知県や徳島県の沿岸部に、わずかな時間で津波が襲来することが予想される。
ところが、現在の車両に備えている脱出装備は、避難はしごのみ。
乗客は、災害時、はしごを使うか、扉から飛び降りるかして脱出する必要がある。
一方で、客室から地上までは約1.5m。
足腰の弱い高齢者や妊婦らは、はしごを使うことも困難で、同社は、災害弱者が安全で速やかに脱出できる方法を模索していた。
新装置のシューターは、長さ2.5m、幅0.8m、重さ7kgのシート状。
普段は客席の下に収納していて、非常時に乗務員が取り出し、車両の正面扉下部とレールにシューターの両端を結んで固定し、乗客に滑り降りてもらう。
設置は、数分で済むという。
乗客は、滑り台のようにシートをゆっくりと滑り降りて脱出する。
滑りが良すぎると、地上に到着した時にけがをする恐れがあるため、滑りにくいポリエステルを素材に選んだ。
ポリエステルは、トラック荷台の雨よけシートに使われる材質と同じだ。
鉄道の場合、はしごや飛び降りのほうが避難が早いため、足の弱った高齢者や妊婦らを対象にして、座った姿勢から安全に進めるよう工夫した。
高知運転所の社員らが、列車からの避難訓練で足が不自由な人を降ろす際、カーテンを担架のように使った場面を見て、「はしごとは別に安全で速やかに避難できる設備がいる」と気づいた。
空気で膨らませる航空機のシューターを思いついたが、車両には空気を注入する設備がない。
公園で幼児が滑り台を楽しんでいる場面を見て、「安全な形はこれだ」と確信。
約1か月で完成させた。
費用は1セット数万円。
こうした取り組みはJR各社で初といい、量産してJRの他社や私鉄にも売り込みたいという。
泉社長は、「高知運転所は自ら津波訓練を考えるなど、随分頑張ってくれている。ありがたい」と社員発案のアイデアを喜ぶ。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160318-OYT1T50241.html
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO97855470Z20C16A2LA0000/
(ブログ者コメント)
あるだろうと思っていたのに、なかったとは・・・。
高知運転所の方々の知恵と工夫に拍手。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。