2016年3月22日付で中日新聞朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月21日23時29分に朝日新聞から、3月22日12時41分にNHK東海NEWS WEBからも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
21日午後3時半ごろ、名古屋市千種区の東山動植物園内にある遊園地の大観覧車で、幼児から中学3年の男女4人がゴンドラに乗車した後、係員が扉を閉め忘れ、ゴンドラはそのまま一周した。
4人は無事だった。
別の遊具でも、同日、事故があったことから、遊園地を管理する東山公園協会は事態を重くみて、遊園地の営業を当面の間、停止する。
協会によると、4人はいずれも愛知県春日井市の姉弟3人と、いとこの男児。
4人で1台のゴンドラに乗った後、扉が開いたままになっているのを、ゴンドラに乗らずに近くにいた姉弟の母親が気づいた。
母親は運行停止を求めたが、係員らは「ほかの乗客に迷惑がかかる」と判断し、運行を継続した。
子どもらは、扉が開いた状態のゴンドラが一周する6分間、乗り続けた。
地上からの高さは最高で36m、速度は分速で13m。
地上の風速は7.3mだった。
当時は、アルバイトの女性(66)と女子大生(22)の2人が係員として運行を管理しており、本来は、係員が扉を閉めなければならない。
母親が気づいた際、ゴンドラはホームを数m過ぎただけだった。
非常停止用のボタンがあり、その時点で緊急停止させていれば、4人は降りることができた。
係員の一人は、「ほかの客もたくさんいて、咄嗟のことで判断がつかなかった」と説明しているという。
当時は、乗車待ちの行列ができていた。
遊園地を運営する公益財団法人、東山公園協会の伊藤施設部長は、22日、記者団の取材に応じ、「緊急停止させるべきだったがスタッフが気が動転し対応できなかった。2人いたスタッフの意思疎通も不十分(ブログ者注;肉声では『もう一人のスタッフに指示を出すという連携がおろそかになってしまった』)で、重大なミスだった」と陳謝した。
その上で、今後は、安全管理を徹底するため、外部組織の意見も取り入れてスタッフに対する研修のあり方を検証し、十分だと判断できるまでの間、遊園地の営業を休止する考えを示した。
一方、遊園地の運営を許可している名古屋市は、「あってはならないことで、市としても2度と起こらないよう、指導監督を徹底したい」とするコメントを発表した。
また、同じ遊園地内の遊具「スロープシューター」でも、午後3時ごろ、カーブを曲がりきれずに車両が停車し、後続の2台が追突する事故があった。
同園によると、スロープシューターは4人乗りの遊具で、カーブがある斜面を時速8kmの最高速度で1台ずつ滑り降りる仕組み。
滑走中の1台がコース上で突然停止し、後続が接触して止まった。さらに、後ろから来た1台が2台目に追突した。
3台に5人が乗っていて、2台目に乗車していた女性1人が、腰の痛みを訴えたという。
スロープシューターは、1961年設置。
今月15日に定期点検をしたが、異常はなかったという。
21日の営業前の点検でも、異常は見つからなかったという。
これまでに事故は起きていないが、2007年には、JISで定められている車軸の探傷試験を、過去に一度も実施していなかったことが発覚した。
出典URL
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2016032202000098.html
http://www.asahi.com/articles/ASJ3P76NLJ3POIPE010.html
http://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20160322/3871581.html
(ブログ者コメント;観覧車事例に関し)
○NHKの映像を見ると、乗降口からホームの端まで、5~6mはありそうだ。
とすれば、報道どおり、すぐに緊急停止ボタンを押せば、扉が開いたままのゴンドラは、ホームから離れないうちに停止していたのかもしれない。
○「咄嗟のことで判断がつかなかった」という件だが、非常時対応訓練は行われていたのだろうか?
おそらくマニュアルには、「非常時には緊急停止ボタンを押すこと」と書かれていることだろう。
しかし、マニュアルを読んでいたとしても、緊急事態発生時には、身体が反応しないこともある。
安全確保のためには、教育だけでなく訓練も大切だ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。