2017年3月28日0時21分に朝日新聞から、事故発生を知らせる下記趣旨の記事がネット配信されていた。
27日午前8時30分ごろ、栃木県那須町湯本の那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生し、登山の講習会に参加していた県立大田原高校の16~17歳の男子生徒7人と男性教員1人の計8人が搬送先の病院で死亡した。
雪深い山で雪をかき分けて進む「ラッセル訓練」の途中で雪崩に巻き込まれたという。
県警によると、死因はいずれも圧死だった。雪の重みで呼吸ができなくなったとみられるという。
県教委によると、講習会は県高校体育連盟主催の春山安全登山講習会。
積雪のある時期の登山の理解を深め事故防止に役立てる目的で、25~27日の日程で、大田原を含む県内7校の山岳部の1、2年生と教員計62人が参加していた。
記者会見した県教委の宇田教育長によると、27日は茶臼岳への往復登山を予定していたが、雪が激しく降る悪天候のため、午前6時に中止を決定した。
その後、午前7時半になって、ゲレンデ周辺で、当初の予定にはなかったラッセル訓練をすることにした。
生徒40人と教員8人の計48人が、午前8時から5班に分かれて訓練していたが、その途中に雪崩に巻き込まれた。
大田原高校の班が先頭で進んでいたとみられる。
栃木県は、27日午前10時に災害警戒本部を設置。
陸上自衛隊に災害派遣を要請し、福島県やさいたま市の消防も救助活動に加わった。
栃木県内の災害派遣医療チーム(DMAT)も出動し、県の消防防災ヘリやドクターヘリが緊急搬送にあたった。
宇田教育長によると、講習会は毎年この時期に開催し、「これまで10年以上はこうした事故はなかった」と述べた。
講習会を主催した県高体連の橋本会長は、「春山は残雪が多く非常に危険なため、講習会は重要だ」と説明した。
県警によると、死亡した8人のほかに、訓練に参加した生徒と教員の計40人全員が負傷した。
うち男子生徒2人が重症で、男子生徒4人と教員1人の計5人が骨折などのけがをした。
宇都宮地方気象台によると、スキー場のある那須町には、26日午前から27日にかけて雪崩注意報や大雪注意報が発令されていた。
8人が死亡した大田原高校は、全国大会に連続出場する実力校。
今回の講習会には、男子生徒12人と教員2人が参加していたという。
出典
『高校生7人と教員1人の死亡確認 栃木の雪崩事故』
http://www.asahi.com/articles/ASK3W5F5ZK3WUTIL02L.html
3月28日7時17分に産経新聞からは、事故発生当時のやや詳しい状況が下記趣旨でネット配信されていた。
3月28日6時16分に読売新聞から、3月29日付で毎日新聞東京版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
また、4月3日付で毎日新聞東京版からは、隊列などの図解付きで、まとめ的な記事がネット配信されていた。
27日は2泊3日の講習会の最終日。午前5時に起床した。
未明からの大雪で、6時ごろに茶臼岳への登山が中止されることが決まった。
7時半ごろ、登山の代わりに、隊列を組み雪をかき分けて斜面を登るラッセルと呼ばれる冬山技術の訓練をすることに決定。
生徒40人と教員8人が、ゲレンデ下部にあるロッジを出発した。
15°から20°、25°。
どんどん斜度を増していくゲレンデ脇の林の中を、列になって進んだ。
400~500m登ったところで、グループに分かれて雪の塊を乗り越える訓練になった。
雪崩が起きたのは、参加者の隊列の先頭を大田原高校の部員たちが2年、1年の順に進んでいた時だった。
突然、引率の教員が「雪崩だっ」「伏せろっ」「逃げろっ」と叫んだ。
だが、すでに足元の雪は動き出していたといい、生徒たちは雪とともに滑り落ち、のまれた。
一方、参加した男子生徒の1人は28日、毎日新聞の取材に応じ、「吹雪で会話は通じる状況じゃなかった。周りは何も見えなかった」と明かした。
出典
『生徒「怖すぎて記憶飛んだ」 白い塊、隊列を襲う』
http://www.sankei.com/affairs/news/170328/afr1703280012-n1.html
『「雪崩だっ、伏せろ」…教員叫び足元の雪動く』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170328-OYT1T50002.html?from=ycont_top_txt
『栃木・那須の雪崩 訓練中、スキー場外で被災 吹雪の中、山側へ』
http://mainichi.jp/articles/20170329/ddm/041/040/162000c
『検証 栃木・那須の雪崩 議論なく「絶対安全」』
http://mainichi.jp/articles/20170403/ddm/041/040/151000c
4月1日18時47分にNHK栃木からは、樹林帯を抜けたところで雪崩に遭ったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
8人が亡くなった1班は最も標高の高い所にいたとみられているが、1班は、木が生えている樹林帯の最上部付近の、木が少なくなっている所まで登っていたことが、救助隊などへの取材でわかった。
身を隠す場所がないまま雪崩に襲われた可能性があるという。
出典
『樹木の少ない場所で被害か』
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20170401/5213301.html
(2/4へ続く)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。