2017年3月26日21時1分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
3月26日16時57分にNHK熊本から、3月26日19時47分に日テレNEWS24からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
26日午前8時頃、熊本県苓北町都呂々のビニールハウスで、近くの農業男性(87)と妻(86)が倒れているのを家族が見つけ、119番した。
救急隊員らが駆け付けたが、すでに2人とも死亡していた。
警察によると、死因は一酸化炭素(CO)中毒。
消防によると、ビニールハウスには一酸化炭素が充満していたという。
警察は、最後に目撃された25日夕から夜にかけて死亡したとみている。
ビニールハウスは奥行き10m、幅5mで、夫婦が稲の苗床を作る作業場として使っていた。
入り口付近に置かれた金属製バケツに木炭を燃やした跡があり、2人は暖をとっていたらしい。
ハウスでは換気は行われておらず、警察は、2人が閉めきった状態で木炭を燃やしたことが原因ではないかとみて、詳しい状況を調べている。
現場は、天草空港から南西におよそ8kmの山あいの地域。
出典
『農業用ハウスで80代夫婦死亡…一酸化炭素中毒』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20170326-OYT1T50074.html?from=ycont_top_txt
『CO中毒か ハウスで2人死亡』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/5005027321.html
『ビニールハウスで夫婦がCO中毒死 熊本』
http://www.news24.jp/articles/2017/03/26/07357402.html
(ブログ者コメント)
〇3社中、2社が「木炭」、1社が「木材」と報じていたが、本ブログでは多数決で「木炭」と記載した。
〇日テレ映像によれば、奥行き10mということで、さほど大きくは感じられないビニールハウスだ。
〇ワカサギ釣りのテント内とか、先日も紹介した「かまくら」内でのCO中毒はタマに報道されることがあるが、ビニールハウス内での事例は珍しい。
そこで、ビニールハウス内での事例が他にないか調べたところ、炭火が原因ではないが、以下の事例が見つかった。
ご参考まで。
『ビニールハウス内に発生した一酸化炭素で中毒』
(職場のあんぜんサイト;厚労省)
「発生状況」
事業者は所有する約5ヘクタールの農地で、三つ葉等の野菜を生産している。
三つ葉は、3年前より栽培をしており、ビニールハウス(38m×5.4m×2.6m、アーチ状)で、冬期にはハウス内を暖房しながら栽培をしていた。
このハウスは栽培箇所と収穫した三つ葉の加工箇所に区分されている。
災害はビニールハウスの栽培箇所で発生した。
災害当日の作業は午前7時ごろから始まった。
栽培箇所では事業者が三つ葉の収穫作業をしていた。
午前10時ごろ事業者は室内の温度調節用温風器の設定温度を5度から12度に変更するため温風器(油燃焼方式)のサーモスイッチを切り替えたとき、ドカンという音がして煙突が飛び、ハウスの天井に当たりビニールを破った。
事業者は温風器の運転スイッチを停止にして、煙突の補修をして再び温風器を作動させたところ、煙突の継目から黒い煙が発生した。そこで温風器は停止させた。
その後修理を外部に依頼し、修理を終え、午後5時に再び温風器の運転スイッチを押した。
午後6時30分に事業者は胸が苦しくなり、その他の者も、頭痛、風邪症状、嘔気を訴えた。
一酸化炭素中毒を疑い近医を受診し、一酸化炭素中毒と診断された。
休業者数5人。
「原因」
1.排気煙突内に取り付けられた断熱材が、温風器のバックファイヤーの爆風ではがれ落ち煙突内を閉塞し温風器が不完全燃焼し、一酸化炭素ガスがハウス内に充満したこと。
2.バックファイヤーの原因はメーカー指定の配線方法等を実施していなかったこと。
3.作業者に、作業の安全または衛生に係る事項について教育を行っていなかったこと。
「対策」
1 ハウス内は密閉度が高いため、換気設備を稼働させ新鮮な空気を取り入れ一酸化炭素中毒を防止すること。
2 温風器の据付に際して、メーカー指定の安全な配線方法を行い、トラブル防止対策を実施すること。
http://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=000805
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。