2015年5月19日12時29分に読売新聞から、『信号無視・逆走・・・ミス相次ぐ市バスで意識改革』というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
運行ミスや法令違反が相次いでいる名古屋市バス。
昨年度は、国交省中部運輸局による文書指導や監査が入るなど、異例の事態となったが、今年度に入っても初歩的なミスが止まらない。
名古屋市交通局では、外部の有識者の意見を取り入れたり、今年度予算に運転手が経路を間違えないためのシステム整備費を盛り込んだりするなどして、再発防止に向け躍起になっている。
先月22日、出勤した市交通局の職員が、「市バスが信号無視した」との市民からのメールを目にした。
運転手(36)に道交法違反(信号無視)の疑いが持たれたため、バスに取り付けられたドライブレコーダーを確認。
その結果、バスが赤信号で交差点に進入していたことが判明し、運転手はその後、警察に出頭、反則切符を切られた。
同局の聞き取り調査に対し、運転手は、道路上の段差を避けようと車線変更をし、その際、「路面を見ていて、信号の確認が遅れた」と話したという。
信号無視のほか、バスレーンの逆走や運行途中の燃料切れなど運行ミスや法令違反が続発した昨年度は、その数が計701件に上り、前年度の662件を上回った。
今年1月には、乗客がいないものと勝手に判断し、バスの運行を途中で打ち切る運転手(36)も出る始末で、市はこの運転手を停職10日の懲戒処分とした。
中部運輸局は昨年5月、市交通局に対し、安全確保と法令順守の徹底を文書で指導し、報告を求めた。
市交通局から「危機的な状況」、「基本的なことをやっていないからミスが起きる」との声が上がる中、河村たかし市長は、「民間ほどの競争意識もなく、緊張感が足りない」と厳しく批判。
市交通局は昨年12月、中部運輸局からも指摘された「職員の意識改革」に重点を置いた再発防止策をまとめ、同局に報告した。
ここには、これまで講義形式だった研修を、職員が顔を合わせて話し合うグループ形式に移行するなどして、主体的にミス防止に取り組むことが盛り込まれた。
「昔は休憩中、休憩室でいろいろな年代の運転手が顔を合わせて話すことが多かったが、今ではスマートフォンを触るなどバス内で一人で過ごす人も多い」と、市交通局の宗田自動車運転課長が語るように、職場内でのコミュニケーション不足を配慮した対策と言える。
また、ミスを繰り返す運転手の参考にしてもらおうと、優秀な運転手から聞き取りを行ったうえで、行動マニュアルを今年度内に作成することにしている。
さらに、運行経路や運行ダイヤを間違えないようなシフトを組んだり、経路ミスが起きやすい地点で曲がる方向などを音声で案内するカーナビのような「運行支援システム」を全バスに導入したりして、システム面の改善も進めていく計画だ。
ただ、こうした対策もどこまで効果が上がるかは未知数で、市交通局は「『これをやればミスや法令違反がゼロになる』という特効薬はない。研修などを繰り返し実施していく中で、防止を図っていきたい」としている。
[名古屋市バス]
名古屋市内を中心に163系統で運行している。計1012台あり、運転手は名鉄バスや三重交通の委託を含め約1700人いる。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150519-OYT1T50014.html
(ブログ者コメント)
名古屋市バスの運行ミスやミス防止活動に関する情報は、過去にも紹介済。
2014年7月15日掲載
2014年7月6日報道 名古屋市の市営バスで運行ミスを防ぐ活動を昨年から実施しているがミスは減らず
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4094/
2014年4月18日掲載
2014年4月13日 愛知県名古屋市で運行中の市バスが燃料切れ、前日の給油忘れと当日の燃料計確認忘れのダブルミス
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/3832/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。