2016年11月26日15時0分に毎日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
日本を訪れる外国人が急増する中、訪日客が自動車を運転して人身事故を起こすケースが増えている。
中でも顕著なのが、韓国など東アジアからの訪日客による事故の増加だ。
レンタカー利用が増えた一方、日本の交通ルールを学ぶ機会が少ないことが背景にあるとみられ、識者は「啓発活動が急務」と指摘する。
警察庁によると、旅行者や中短期の滞在者が利用する国際免許や外国免許所持者による人身事故は昨年216件発生し、現在の統計を取り始めた2012年以降、最多となった。
国籍別は
(1)米国50件
(2)香港・マカオ48件
(3)韓国35件
(4)台湾24件
の順。
米国以外の東アジアの4カ国・地域の合計は、12年の37件から昨年は約3倍の107件に急増し、全体のほぼ半数に達した。
全国レンタカー協会(東京)によると、外国人に人気があり、レンタカーで旅行する人が多い北海道と沖縄県では、訪日外国人のレンタカー利用が、14年の計約11万件から15年は約18万5000件に増加。
このうち9割弱を韓国、台湾、香港が占めた。
福岡県では、福岡空港周辺だけで15年に1万3861件の利用があり、13年の5倍に急増したという。
韓国や香港、マカオからの訪日客は国際免許で、台湾からの訪日客は自国の外国免許があれば日本国内で運転できるが、日本の交通ルールの講習義務はない。
道路標識や信号が意味するルールの違いなどを詳しく学ぶ機会は少ないのが現状だ。
東京海上日動リスクコンサルティング(東京)によると、訪日外国人の事故率は、日本人の5倍以上になる。
車が右側通行の韓国や台湾からの旅行客の場合は、左側通行の日本との違いから、とっさの場面で混乱し、事故を起こすケースが目立つという。
同コンサルティングの担当者は、「警察や保険会社に届けず、帰国後にトラブルになるケースも多い。軽微な事故を含めると、相当増えている」と話す。
10月8日夕、福岡空港(福岡市)に近い大手レンタカー会社の営業所を訪ねると、担当者が3組の外国人客の応対をしていた。
夫と一緒に香港から到着したばかりの黎さん(40)は、「レンタカーだと自由に旅行できて便利」と笑顔を見せるが、日本国内で運転するのは初めてだ。
担当者は約20分かけて、英語で保険や日本のガソリンの種類などを説明した。
ただ、「法定速度やETCの使い方などは話すが、短い時間で細かい交通ルールまでは説明しきれない」と話す。
事務所内の大型スクリーンには、日本の交通ルールや道路標識の説明が英語で流れていたが、目を留める人はいなかった。
観光庁によると、昨年の香港と韓国からの訪日客の8割強、台湾からの約6割が個人旅行だった。
このため観光庁は、「レンタカー環境の整備は、個人旅行客の更なる誘客につながる」と期待し、高速道路各社も訪日外国人向けに定額で乗り放題キャンペーンを実施するなど、レンタカー利用を後押ししている。
国交省九州運輸局が2014年から年1回、外国で日本の交通規則を教える講習会を開くなど、事故防止の取り組みも始まったが、対象者は極めて限定的だ。
交通ジャーナリストの今井亮一さんは、「国籍ごとに起きやすい事故を分析して注意点を整理し、データに基づいた効果的な注意喚起の方法を考えるべきだ」と指摘。
東京海上日動リスクコンサルティングの担当者は、「航空機内など、日本までの移動時間を使って情報提供するのも一つの方法だ」と提案する。
出典
『訪日外国人 人身事故が増加 交通ルール学ぶ機会が少なく』
http://mainichi.jp/articles/20161126/k00/00e/040/279000c
(ブログ者コメント)
トップは米国ということだが、訪日外国人の数として、米国はさほど多くない。
日本政府観光局による2016年の統計では下記。
中国 551万人
韓国 416万人
台湾 358万人
香港 149万人
米国 103万人
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_tourists.pdf
数としては5倍もある中国が4位までに入っていないことなど、いま一段の解説がほしかった。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。