2016年4月13日付で毎日新聞西部版朝刊から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
携帯電話やスマートフォン(スマホ)を使いながら自転車を運転して発生した交通事故が、過去5年間で800件を超えていることが、警察庁のまとめで分かった。
遮断機が下りた踏切に棒を折って侵入し、はねられるなど、死亡した例も4件あった。
日本自動車連盟(JAF)の実験では、視野が狭まり、加害者になる可能性も高い。
福岡市では、小学校の児童がチラシ配りをするなど、危険性を周知するための啓発活動が広がる。
警察庁によると、全国の交通事故のうち、携帯電話やスマホを使用した自転車の運転者が被害者や加害者になった事例は、2011年は154件、12年209件、13年158件、14年166件、15年128件と推移し、15年までの5年間で815件起きた。
このうち死亡事故は4件で、いずれも自転車側が被害者だった。
京都市では、13年3月、自転車の女性が電車にはねられ死亡した。
遮断機は下りていたが、イヤホンをつけて音楽を聴き、スマホの画面を操作しながら運転しており、棒を折って踏切内に入った。
同じ3月、東京都町田市の踏切で、携帯電話を使用しながら自転車を運転していた女性が電車にはねられ死亡。
同9月には滋賀県近江八幡市、15年8月には青森市で、いずれも携帯電話やスマホで通話中の男性が車にはねられ死亡した。
事故多発を受け、JAFは実験を実施。
15年2月、「ながらスマホの危険」と題した動画をホームページにアップした。
自転車運転中の人に、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用して質問を次々と送信。
運転者は、返信しながら自転車で進む。
すると、飛び出してきた「歩行者」と衝突しそうになってぎりぎりで回避したり、マネキンと衝突したりした。
赤信号と認識できずに横断してしまう運転者もいた。
JAF交通環境部調査研究課の宮沢さん(32)は、「『ながらスマホ』は視線が画面に集中し、視野が狭くなる。また、たとえ視野に入っていても、回避行動が遅れて危険」と訴える。
福岡市博多区の市立那珂小学校では、15年に通学中の児童が自転車に衝突され、相手が逃走する事故が2件起きた。
このため、同12月、学校の前で児童ら約30人が「携帯電話を使用しての運転は禁止」などと書かれたチラシを自転車利用者らに配布。
今年度も、同様の活動をする。
多発する自転車事故を防ごうと、福岡県立柏陵高校(福岡市南区)は、06年、全国の高校で初めて自転車の免許制度を導入した。
1年生全員を対象に、福岡・南署員が携帯使用の禁止など道路交通法に関する講義をし、実技、筆記の各試験に合格し免許証をもらわないと、自転車通学できない。
県警によると、免許制度は15年9月時点で、県内45の中高校が導入しているという。
「ながらスマホ」への法規制は強化されている。
2015年6月に施行された改正道路交通法で、携帯使用時の事故や信号無視など、14項目が「危険行為」と定められた。
14歳以上の人が危険行為を理由に3年以内に2回以上、交通違反切符を切られた場合、3時間の講習を受けなければならない。
受講命令を無視すれば、5万円以下の罰金だ。
警察庁によると、全国の自転車が絡んだ交通事故は、11年14万4062件、12年13万2051件、13年12万1040件、14年10万9269件、15年9万8700件。
うち、自転車側に道交法違反があったのは、11年9万7730件、12年8万7985件、13年8万1074件、14年7万3176件、15年6万5682件と、毎年全体の6割以上を占めている。
【改正道路交通法が定めた「危険行為」の例】
・携帯電話を使用中に事故を起こす
・信号無視
・歩道や路側帯を通行中に歩行者を妨害
・ブレーキのない自転車を運転
・酒酔い運転
・交差点で車などに注意せず安全な速度を 超える
出典
『追跡 自転車スマホ事故800件、死亡例も4件 音楽や通話、SNS…画面に集中 11〜15年』
http://mainichi.jp/articles/20160413/ddp/041/040/029000c
(ブログ者コメント)
JAFの動画に関しては、検証結果を記した記事はあったものの、動画は公開が終了していた。
http://www.jaf.or.jp/profile/news/file/2014_66.htm
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。