2016年4月12日16時57分にNHK首都圏NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
4月12日付で東京新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
警視庁の渋谷警察署で、去年2月、無銭飲食をしたとして詐欺容疑で現行犯逮捕され、留置されていた60代の男性が死亡し、都内の大学病院で解剖を行った結果、死因は「肺結核」だったことが分かり、病院は、去年6月末付けで報告書をまとめ、去年8月に渋谷署に届けた。
法律では、警察署は遺体の解剖の結果、死因が結核などの感染症と分かった場合、保健所に通報するよう定められているが、渋谷署は、5か月後の今年1月に、体調を崩して入院していた署員が結核と診断され医師から連絡を受けるまで、通報などの対応を取っていなかった。
渋谷署では、報告書が届く直前にすべての署員に対する健康診断を行っていて、結核が疑われる症状がみられなかったことから、感染しているとは考えなかったという。
渋谷署の小林副署長は、「健康診断の結果で署員の感染を疑っておらず、結核に対する認識が不足していた」としている。
保健所への届け出が遅れたことについて、大学病院側は、「死因・身元調査法では警察から関係機関に届け出るとされており、こちらから積極的に届け出なかった」と説明している。
渋谷署によると、去年2月、署内の留置場で60代の男性が倒れているのが見つかり、病院に運ばれたが、死亡した。
男性は、死亡する1週間前に、留置されている人を対象にした健康診断で医師の診察を受けていて、その際には、自覚症状や異常はみられなかったが、死亡の3日ほど前から体調を崩していたという。
遺体は都内の大学病院で解剖され、死因は当初、「肺炎の疑い」とされていたが、詳しい検査の結果、「肺結核」だったことが分かったという。
大学病院は、去年6月30日付けで死因が「肺結核」だとする報告書を作成し、渋谷署には、男性が死亡してから半年後の去年8月下旬に報告書が届いたという。
そして、4か月後の去年12月、死亡した男性の留置を担当していた署員が体調を崩して入院し、検査の結果、ことし1月に結核と診断された。
診察した医師から渋谷署と保健所に連絡があり、保健所が検査を行ったところ、11日までに20代から60代の警察官や職員合わせて19人が感染していたことが分かったという。
このうち16人は、男性の解剖に立ち会ったり留置場を清掃したりしていたため、男性から直接、感染したことが疑われているが、ほかの3人は男性との接触はなく、2次感染が疑われるという。
渋谷署では、保健所と協議して、およそ80人の署員を対象に検査を進めていて、すでに60人は感染していないことが確認されているという。
また、今のところ、一般の人やほかの留置されている人の感染も確認されていない。
結核は、患者の咳やくしゃみから出た結核菌を吸い込むことによってうつる感染症で、発症すると、2週間以上せきが続いたり発熱したりして、重症の場合は死亡することもある。
厚生労働省の調査では、今でも毎年1万9000人以上の人が新たに結核になり、2000人以上が亡くなっている。
渋谷署で結核の集団感染が起きたことについて、結核予防会結核研究所の加藤副所長は、「換気が十分でない狭い空間では多くの人が菌に接触する危険性が高いため集団感染が起こりやすい」と指摘している。
また、結核にかかる患者の多くは高齢者だということだが、最近では、20代から40代の若い世代の発病も目立つという。
加藤副所長は、結核の感染を防ぐためには早期の発見が最も重要だとして、「せきが2週間以上続いた場合は結核を疑い、医療機関でレントゲンやたんの検査を受けることが必要だ」と話していた。
出典
『渋谷警察署で結核集団感染』
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20160412/4451831.html
『渋谷署で署員19人が結核感染 留置男性死亡後 医師届け出遅れ』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201604/CK2016041202000139.html
4月13日8時26分に読売新聞から、解剖した医師らも感染していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
男性を解剖した東京都内の大学病院の医師ら7人も結核に感染したことが、同病院を管轄する文京区への取材で分かった。
感染者は、計26人となった。
区によると、今年1月に署員の感染が判明したのを受け、男性を解剖した病院関係者らの検査を行ったところ、解剖した医師ら7人の感染が判明した。発症者はいないという。
出典
『解剖の医師らも結核感染、保健所に届けず』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20160413-OYT1T50024.html?from=ycont_top_txt
(ブログ者コメント)
今どき肺結核の集団感染・・・?と思ったが、調べてみると意外に起きている。
以下は最近の、ブログ者の目に止まった事例。
(2016年3月30日10時33分 テレビ朝日)
『33人が結核集団感染 1人死亡 人材派遣会社の寮で』(東大阪市)
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000071432.html
(2016年3月7日23時24分 産経新聞茨城版)
『病院で11人結核集団感染』(笠間市)
http://www.sankei.com/affairs/news/160307/afr1603070049-n1.html
(2016年2月6日 河北新報)
『会社員32人が結核集団感染』(仙台市)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201602/20160206_13045.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。