2018年11月11日12時22分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしています。
車を運転するあなたはどうしますか――。
こうしたケースで、一時停止しない車などによる「歩行者妨害」の検挙件数が増えている。
昨年は全国で過去最多の約14万5000件を記録。
今年も昨年を上回るペースで増えている。
「ピッピッピッピッ」。
北九州市戸畑区内の国道199号。
9月のある朝、信号機がない横断歩道で福岡県警が取り締まりをした。
警察官は歩行者が横断する際に笛を吹き、棒で車に一時停止を促す。
大半の車は停止したが、無視して通り過ぎる車もあった。
取り締まりは通勤時間帯の午前7時から1時間半。
この間にドライバー13人に対して、道路交通法違反(横断歩行者妨害)の疑いで青切符(違反点数2点、反則金は普通車で9000円)が切られた。
歩行者が横断歩道を渡ろうとしていたにもかかわらず、一時停止しなかったためだ。
違反者からは戸惑いの声も漏れた。
軽乗用車を運転していた北九州市市の男性(45)は、「渡っている人がいたら止まるけれど、渡る前でも止まらなければならないとは思わなかった」。
別の軽乗用車を運転していた女性(60)は、「横断歩道を渡り始める動作がない限り、いったん停止するのは難しいのではないか」と話した。
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出典
『横断歩道へ人、車はどうする? 一時停止しないと…検挙』
https://www.asahi.com/articles/ASL9L3TZZL9LTIPE00K.html
11月12日14時49分にNHK栃木からは、JAFが行った同上調査結果についての、下記趣旨の関連記事がネット配信されていた。
JAF=日本自動車連盟が、県内でことし行った調査で、信号機のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている時に止まった車は、1%にも満たなかったことがわかった。
道路交通法では、歩行者が横断歩道を渡ろうとしているとき、車は一時停止しなければならないと定めているが、守られずに歩行者がはねられる事故があとを絶たない。
JAFでは、事故防止につなげようと、信号機が設置されていない全国の横断歩道で、歩行者が渡ろうとしているときにどれぐらいの車が止まるか、おととしから調査を続けていて、8月から9月にかけて行った今年の調査で初めて、都道府県ごとの結果を公表した。
調査は、都道府県ごとに2か所ずつ選び、JAFの職員がそれぞれの場所で50回ずつ横断を試みた。
調査場所は明らかにされていないが、栃木県の調査で、止まった車はわずか0.9%だったという。
一方、止まった車が最も多かったのは長野県の58.6%、全国平均は8.6%で、栃木県は、止まった車の割合が全国で最も少ないという結果だった。
県警察本部は、「調査結果を契機に、ドライバーに横断歩道での歩行者優先を呼びかけるとともに、交通違反の取締りを強化していきたい」と話している。
出典
『横断歩道渡ろうとする人見て車は』
https://www3.nhk.or.jp/lnews/utsunomiya/20181112/1090003252.html
(ブログ者コメント)
以下は、道路交通法の該当条文。
「横断歩道を渡ろうとしている人がいる場合も停止」ということを知らない、あるいは忘れている人は結構いるものと思われる。
かく言うブログ者も、その一人。
第三八条
車両等は、横断歩道又は自転車横断帯(以下この条において「横断歩道等」という。)に接近する場合には、当該横断歩道等を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車(以下この条において「歩行者等」という。)がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止することができるような速度で進行しなければならない。
この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。
2 車両等は、横断歩道等(当該車両等が通過する際に信号機の表示する信号又は警察官等の手信号等により当該横断歩道等による歩行者等の横断が禁止されているものを除く。次項において同じ。)又はその手前の直前で停止している車両等がある場合において、当該停止している車両等の側方を通過してその前方に出ようとするときは、その前方に出る前に一時停止しなければならない。
3 車両等は、横断歩道等及びその手前の側端から前に三十メートル以内の道路の部分においては、第三十条第三号の規定に該当する場合のほか、その前方を進行している他の車両等(軽車両を除く。)の側方を通過してその前方に出てはならない。
http://www.houko.com/00/01/S35/105.HTM
ちなみに、2項で「横断歩道で停車している車の横を通り抜ける場合も、車の前方に出る前に停止」と定められているが、それを怠ったがために起きた事故を、最近、本ブログで紹介したばかりだ。
2018年9月22日掲載
『[昔] 2018年8月30日 神奈川県横浜市でバスが横断歩道上に停車したため降車後にバスの後ろを通っていた女児が対向車にハネられて死亡、類似場所多数で市は対策検討』
(第1報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8835/
(第2報)
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/8879/
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。