







2022年2月8日付でVAGUE(自動車王国)から、下記趣旨の記事が複数枚の写真付きでネット配信されていた。
電気自動車の普及が進んでいる現在、新たな安全上の問題が目立つようになってきました。
それはバッテリー消火の難しさで、今までのガソリン車などにはなかった問題点です。
そんな中、オーストリアの企業が、この問題を解決する画期的な装置を開発したというのですが、どのような装置なのでしょうか。
【電気自動車は万リットル単位の水が消火に必要】
2020年度の車両火災発生件数は、消防庁によると3466台だった。
日本では、およそ8200万台の車両が登録されているため、確率としてはほんのわずかである。
車両火災の原因は、事故の衝撃によるものだったり、整備不良や経年劣化だったり、様々。
さほど話題にのぼってはいないが、実は、大容量のバッテリーを搭載した車両火災がやっかいなのだ。
これからどんどん普及が進むであろう電気自動車のバッテリーは、鎮火させるまでに時間がかかるといわれている。
【EVは出火したら消火が大変】
一般的に、既存の内燃機関式自動車は、エンジンやガソリンタンクからの出火が多い。
その部分に放水すれば、意外とすんなり鎮火する。
しかし、電気自動車が搭載するような大容量バッテリーは、車体の床下部分に格納されることが多く、直接の放水が難しい。
例えば、2019年にオランダの「中央・西ブラバント消防署」がFacebookで公開した写真を見れば、分かるだろう。
火災を起こしたBMW「i8」を消火した後、なんと車両全体を消火液が入った専用の“タンク”内に24時間漬け込んだ模様を紹介していた。
2021年4月には、アメリカ・テキサス州でテスラ「モデルS」がバッテリーから出火したのだが、鎮火までに4時間、約2万8000ガロン(約10万6000リットル)の水を要した。
そればかりか、鎮火したように見えてから約30分後には、バッテリーパック内で熱暴走が起こり、再度発火。
最終的にはクレーンで車両を吊り上げ、バッテリーパックに向けて直接放水することで、ようやく鎮火させることができた。
テスラが用意しているレスキューマニュアルによると、バッテリー火災に必要な放水量は3000ガロン(約1万1400リットル)と記されていたのだが……。
また、「自然消火を待つことも考慮してください」と、燃え尽きるまで放置することも要検討と記されていることが気になる。
最悪のケースを想定しての記載だろうが、それだけ、電気自動車のバッテリー火災を鎮火させるのは難しいのだろう。
【バッテリーに直接刺さって消火するシステムとは】
そんなバッテリー火災を効率的に消火するため、オーストリアのローゼンバウアー社は専用の消火システムを開発した。
ローゼンバウアー社は、消防自動車や消防用設備、防災用品などの開発・製造をおこなう世界屈指の企業だ。
●バッテリーセルに直接放水するシステムとは
ローゼンバウアー社が開発したのは、消火ユニットとコントロールユニットで構成されるもの。
使用方法は、この消火ユニットを電気自動車のバッテリー下に配置し、安全確保のため消防隊員が8mほど離れたらコントロールユニットを操作する。
起動すると、消火ユニットに内蔵されたノズルがバッテリーに突き刺さり、直接延焼しているバッテリーセルに放水を開始する。
理想の作動状況は、クルマのタイヤが“通常どおり”4輪とも接地している場面だそうだが、横転していても使用できるとローゼンバウアー社は説明している。
また、バッテリー搭載位置は、車両底面のみならずトランク内部でも、ボンネット内部でも対応可能だという。
ちなみに、ノズルがバッテリーに突き刺さるときの力は「数トン」だという。
この電気自動車バッテリー火災用消火システム、2022年初旬にデリバリー開始予定だ。
余談だが、「自動車メーカー名」と「レスキュー」というキーワード検索をすると、各社のレスキューマニュアルを閲覧することができる。
大容量バッテリーを搭載したクルマが増える現在、乗員救助のために車両を切断する場合、未展開のエアバッグおよび高電圧部分に注意が必要となる。
つくづく、救助作業に携わる消防隊員には頭があがらない。
https://kuruma-news.jp/vague/post/78302
(ブログ者コメント)
〇電気自動車の火災については本ブログでも、
・水に浸かったまま放置していて発火した。
・韓国でテスラ車が壁にぶつかり火災になったが、なかなか消えなかった
などの情報を紹介している。
また、韓国事例紹介時、電気自動車火災に関する分かりやすい記事も紹介している。
https://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/11256/
〇電気自動車事故時の注意点として、日産自動車HPには以下の
記載があった。
事故が発生したときは、次のことを必ずお守りください。
・・・
・リチウムイオンバッテリーや高電圧部品から火災が発生したときは、できるだけ早く車両から離れる。
火災を消火するときは、必ず電気火災用の消火器(ABC、BCまたはCタイプ)を使用してください。
消火栓などから大量の放水が可能な場合のみ、水での消火も可能です。
不適切な消火作業は危険なため、絶対に行わないでください。
〇一般の車両火災で使われる消火水の量について調べてみたが、見つからなかった。
ただ、以下の、URLから考えると消防庁の、おそらくは地下駐車場での火災事故に関する資料には、6割は初期消火で消せたとある。
そのことから考えると、事故などで発火した場合でも、一般車の場合はさほど大量の消火水は必要とならないのかもしれない。
8. 調査研究のまとめ
8.1 平成15年度の調査研究結果から
8.1.1 地下駐車場等における車両火災の実態
14大都市の地下駐車場等における車両火災の実態調査(平成10年~14年の5年間)から、燃料電池自動車が駐車する場合の火災状況について、以下のことがいえる。
(1)車両火災の発生率は極めて小さい
・・・・・
(2)出火原因の多くは車両本体に起因する
・・・・・
(3)火災のほとんどは初期消火により、ぼやで鎮火して
いる
・車両火災の約6割は、消火器・屋内消火栓設備を活用した従業員の初期消火活動によって鎮火し、自動消火設備が作動したものは1割程度である。
そのため、9割近くの火災は、出火箇所周辺や車両の一部を焼損する程度で鎮火している。
・・・・・
https://www.fdma.go.jp/relocation/nenryo_denchi/chapter0801.pdf


















その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。