2020年8月27日4時29分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR京葉線など首都圏の在来線の高架橋の耐震化工事について、JR東日本が耐震診断を誤り、合わせて270本余りの柱で工事が行われていなかったことがわかりました。
JR東日本によりますと、耐震診断に誤りがあった高架橋の柱は、京葉線、武蔵野線、それに総武本線など、首都圏の6つの在来線の合わせて276本です。
JR東日本は、阪神・淡路大震災をきっかけにすべての柱で耐震診断を行い、このうち揺れによる亀裂で、大きく壊れるおそれがあるおよそ1万2600本の補強工事を優先的に進め、平成20年度までに完了したと発表していました。
しかし去年8月、高架橋の別の工事で耐震診断を行った担当者が過去の診断の誤りに気付き、その後、改めて調べたところ、276本の柱が工事の対象から外れていたことがわかったということです。
このため、10年以上にわたって補強工事が行われていなかったことになりますが、これまでの地震などによる被害は出ていないということです。
JR東日本は、再来年度末までに追加の補強工事を行うことにしています。
高架橋の耐震診断を巡っては、ことし1月に東北新幹線と上越新幹線でも一部の柱で同様の問題が発覚していて、補強工事が進められています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200827/k10012585501000.html
8月26日19時2分にYAHOOニュース(読売新聞)からは、今年1月の新幹線事例を受けて横展開対応で調査していたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は26日、在来線の高架橋の柱276本について、国から求められた耐震補強工事を少なくとも11年間、実施していなかったと発表した。
耐震診断をした際、誤って工事の優先度を低いと判断していた。
2022年度末までに補強工事を完了させるという。
JR東によると、工事漏れがあったのは、京葉線や武蔵野線など6路線の柱276本。
1995~97年に耐震診断をした際、強度面から工事の優先度が高かったのに、図面を読み誤るなどして優先度を低いと判断していた。
いずれも不具合は見つかっていない。
国は95年の阪神大震災を受け、鉄道営業法などに基づいて柱の耐震補強工事を鉄道各社に指示。
JR東は、今回の柱を含む優先度が高いものは09年3月までに完了させると報告していた。
今年1月、東北、上越新幹線の柱計367本で耐震補強工事漏れが発覚し、在来線でも調査していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/53e0753bf3b3f3aae75f4e3abe9b56519c42a41b
8月26日付で乗りものニュース(時事通信)からは、鉄筋の量や種類などで耐震診断しているという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR東日本は26日、首都圏在来線の高架橋にある計276本の柱で耐震診断に誤りがあったと発表した。
必要な耐震補強工事が行われていない状態となっており、同社は2022年度までに工事を終えると説明している。
耐震診断をめぐっては今年1月、東北・上越新幹線の高架橋にある計367本の柱で診断ミスが判明。
同社は、在来線についてもミスがなかったか確認を進めていた。
診断ミスのあった柱が見つかったのは武蔵野線(124本)、京葉線(118本)など、首都圏内の6線。
山手線は含まれていない。
JR東によると、耐震診断では柱の鉄筋の量や種類などを分析。
これに基づき、地震の際に大きく破壊される恐れがあるかどうかを判断し、補強工事の優先度を決定する。
今回判明した276本は、1995年に診断が行われたが、当時の分析に誤りがあったなどとして、優先度の低い柱に分類されていた。
本来であれば、09年3月までに補強工事を終えていたという。
これまで地震による損傷は確認されていない。
対象の柱については、鋼板を巻き付けるなどの補強工事を実施する。
https://trafficnews.jp/post/99502
8月26日付でJR東日本からは、せん断破壊先行型の柱を曲げ破壊先行型と誤診断していたという下記趣旨の記事が、図解説明付きでネット配信されていた。
本年 1 月に東北・上越新幹線のラーメン高架橋柱の一部の柱が、耐震診断誤りにより、耐震補強の優先度が高いせん断破壊先行型の柱であることが判明したことをお知らせしました。
在来線ラーメン高架橋についても、新幹線と同様に耐震診断結果の再確認を行ったところ、曲げ破壊先行型と判断していた柱の一部が、耐震診断の誤りにより、耐震補強の優先度が高いせん断破壊先行型の柱であることが判明しました。
弊社といたしましては、継続して様々な構造物に対して、耐震補強工事を進めているところであり、当該高架橋柱に対しても、速やかに耐震補強を実施いたします。
https://www.jreast.co.jp/press/2020/20200826_ho01.pdf
(ブログ者コメント)
〇NHKからは昨年8月に、他のメディアからは今年1月にミスに気付いたと報じられている。
どちらが正か調べたところ、昨年8月に別の工事で気付き、今年1月に新幹線高架橋の診断ミス調査結果を発表した、ということらしい。
詳細は下記記事参照。
記事中、原因はデータ入力ミスとも書かれている。
(2020年1月21日18時51分 時事ドットコム)
JR東日本は21日、東北・上越新幹線の高架橋にある計367本の柱で耐震性の診断ミスがあったと発表した。
10年以上にわたり必要な補強工事が実施されておらず、同社は2020年度末までにおおむね工事を終える見込みとしている。
JR東によると、診断ミスのあった柱が見つかった主な区間と本数は、東北新幹線の上野―大宮68本、大宮―小山50本、郡山―福島20本、仙台―古川10本など。
上越新幹線は燕三条―新潟68本、越後湯沢―浦佐53本、大宮―熊谷52本などとなっている。
新幹線高架橋の柱は、阪神大震災をきっかけに国が耐震補強の対象としていた。
高さや鉄筋の量から、地震の揺れで急激に大きく破壊される恐れがあるものを優先的に補強するよう求めていた。
JR東は08年5月、同社所有の新幹線高架橋の柱約7万7000本のうち、鉄板を巻いたり、張り付けたりする耐震補強が必要な約1万8500本で工事を完了したと発表していた。
しかし、データの入力ミスで対象から外れていたものがあった。
昨年8月に社員が別の工事で耐震診断を実施した際に誤りに気づき、他の柱についても確認を進めていた。
これまで地震による損傷や破断はないという。
JR東は「速やかに耐震補強を実施する。ご迷惑とご心配をお掛けし、深くおわび申し上げる」とコメントした。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020012100724&g=soc
〇どのようにしてミスに気付いたのか調べたところ、別の工事で柱の耐震計算をやり直した際に気付いたとのことだった。
詳細は下記記事参照。
(2020年1月21日18時15分 朝日新聞)
JR東日本は21日、東北、上越新幹線の高架橋柱で、耐震補強が不十分なものが計367本見つかったと発表した。
1995年の阪神・淡路大震災を受けた耐震診断の際に計算を誤ったのが原因といい、JR東は「早急に補強工事を実施する」としている。
問題が見つかったのは、複数の橋脚をつないだ「ラーメン構造」の高架橋柱。
阪神大震災では、山陽新幹線の高架橋柱がはさみで断ち切られたように破壊される剪断(せんだん)破壊が起きた。
これを受け、JR各社は耐震補強に取り組み、JR東は2008年までに、剪断破壊が起こりうると判断した約1万8500本について、鋼板を巻き付けるなどの補強を完了したとしてきた。
ところが昨年夏、別の工事で耐震計算をやり直した高架橋柱について、本来必要な補強がなされていなかったと判明。
全線で再計算したところ、計37カ所の高架橋柱367本が補強対象から漏れていたことがわかった。
主な区間と本数は、東北新幹線上野―大宮間が68本、大宮―小山間が50本、上越新幹線大宮―熊谷間が52本、燕三条―新潟間が68本など。
最初に耐震性を計算した際、鉄筋の数や柱の高さなどの入力データが誤っていたのが原因という。
JR東によると、剪断破壊が起こりうると判断しなかった柱も、08年以降に同様の補強を進めてきたという。
今回の367本については20年度末までに対策を終えるとしている。
https://www.asahi.com/articles/ASN1P5W9MN1PUTIL04D.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。