2020年8月26日10時40分に福井新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
船という乗り物が苦手な人も多いのではないでしょうか?
その原因は、おそらく「船酔い」でしょう。
私たち海上保安官は、日夜、船内での業務にあたっておりますが、それでも、この船酔いに苦しむ海上保安官がいることも事実なのです。
敦賀海上保安部は日本海側を管轄しておりますが、冬の日本海は、冬型の気圧配置により北西側から吹き付ける強い季節風の影響で大荒れとなります。
そんな荒れた日本海で、私がこれまでに出会った、「船酔い」と懸命に戦いながら業務に励む海上保安官たちを紹介しましょう。
(少し汚い話も含みますが許してください。)
【お薬でなんとか…】
酔い止め薬を服用して船酔いを抑え込んでいる海上保安官も多くいます。
長期間の航海になると、数箱買いして来るつわものも!
確かに効果があるようで、いつも船内で青ざめた顔をしている者も、お薬の効果でシャキッとしていたりします。
しかし、服用するタイミングを間違え、船酔いが発症してから薬を飲もうとしても、飲んだ矢先にリバースしてしまい、次々とトイレに錠剤が消えていくことに・・・。
お薬は、用法用量を守って正しくお使いください!
【強がり】
船乗り社会の中で、船酔いするのは「ダサい」という風潮が間違いなくあります。
個人差のあることなので仕方のないことなのですが、こういった風潮から、実は酔っていても酔ってないふりをする「強がり」さんがいます。
強がらなくてもいいんだよと声を掛けても、知らんぷり。
と、彼はおもむろに立ち上がり「トイレに小に行ってきます。」
わざわざ大小まで言わなくてもいいのに…笑
その後、彼はトイレまで間に合わず、大でも小でもない「中?」を暴発させたのだとか。
【ラーメン屋か!】
実習生が大勢乗船している練習船などでは、時化模様が続くと、トイレ前の廊下に、人気ラーメン店の昼どきのような行列ができていることがあります。
理由は、お察しのとおりです。
いかがでしたでしょうか?
面白おかしく書きましたが、私たち海上保安官は、このように過酷な海の上で日々任務にあたっているのです。
しかし!これから海上保安官を志すあなた!安心してください。
今までに、船酔いを克服できなかった海上保安官を私は知りません。
船酔いは克服できるのです!
単純に、体が船の揺れに慣れるということもありますが、船内生活を経ていくうちに、酔わないポジショニング、目線のやり場、揺れに合わせた体の使い方などが自然と刻み込まれていくのです。
さらに言うと、日本の海を守るという使命感が三半規管を強くするのです!
おっと!すみません。
船には酔いませんが、自分に酔ってしまったようです。
・・・
ちなみに私はというと、めっぽう船酔いに強い体質のようで、船酔いするどころか、船の揺れで腸内が活性化して、逆に、とてもお腹がすきます。
(敦賀海上保安部・うみまる)
https://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/1151229
(ブログ者コメント)
このようなことは、機密事項に属するのではないか?(笑)
そう思えるほどの情報が内部から発信されるとは、さすが、自由の国だ。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。