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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20237972分にYAHOOニュース(JB press)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

役所広司主演のNetflixシリーズ『THE DAYS』は、福島第一原子力発電所の事故を描いた災害ドラマだ。

「事実に基づく物語」をうたい、最悪ランク「レベル7」の事故を細部まで丁寧に再現し、その場に立ち会っているかのような感覚で原子力災害の怖さを淡々と伝える。

61日の世界公開以降、非英語部門ではトップ10にランクインするなど、人気があるようだ。

ただしメインの宣伝コピー「これは天災か、それとも人災か。」は看板に偽りあり、だろう。

役所の演じる吉田昌郎・福島第一原発所長が、所長就任前の約3年間にわたり東京電力の本店で津波の想定や対策をする部門の責任者を務めていたという「もう一つの顔」に全く触れていないからだ。  

吉田が責任者の時期に、東電は津波対策で他の原発に後れをとり、それが事故を招いた。

そんな重要な背景情報が抜け落ちているから、「事故の真相/深層をぎりぎりまで追求した」(プロダクションノート)ドラマかと思って視聴すると、肩透かしをくらう。

・・・

事故の再現度は、とても優れているように見える。

・・・

死に至る高い放射線の恐怖のもとでも、事故収束に立ち向かった現場の所員や自衛隊の活躍と葛藤。

必要な物資さえ送り込まないまま、「なんとかしろ」と現場を怒鳴るだけの東電本店。

国の危機が迫っているのに、情報不足に苛立つ官邸。

それぞれの様子がよくわかる。

わずか12年前に、東日本壊滅の一歩手前の事態が迫っていたことを多くの人がもう忘れかけているが、それを再び実感することができるだろう。

・・・

しかし事故直後の対応をいくら掘り下げても、それだけで事故の真実にたどり着けるわけではない。

たとえば、東日本大震災で津波に襲われた原発はほかにもあるのに、なぜ東電だけが事故を起こしたのか、シリーズ8話を見終わってもわからない。  

事故を起こさなかった原発と福島第一原発では、事前の備えが大きく異なっていたためだが、その備えの差が生じた意思決定の場にも、吉田は主役の一人として深く関わっている。

それが『THE DAYS』が触れていない「もう一つの顔」だ。

・・・

2000年代に、東日本大震災と同じような大津波をもたらした平安時代の貞観津波(869年)の研究が急速に進んだ。

東北電力は、その成果を取り入れて、女川原発(宮城県女川町)に襲来する津波の想定をやり直し、2008年秋には国に提出する報告書をまとめていた。

東電は、東北電力と同じように貞観津波を計算すると、福島第一原発の敷地を越えてしまうことを200811月に知った。

そこで東電は、東北電力に報告書を改ざんさせ、貞観津波の対策が不要であるように見せかけることにした。

そんな対応策を決めた東電の会議のトップは、吉田だった。

彼の部下が東北電力に圧力をかけて報告書を書き換えさせたメールが裁判に証拠として提出されている。

2009年夏、貞観津波の研究者は「今から調査をしても無駄だ。先に対策をした方がいい」と吉田の部下に伝えた。

ところが東電は、「専門家から特段の意見は無かった」と国に虚偽の報告をしている。 

日本原子力発電の東海第二原発(茨城県東海村)は、東電が先送りした大津波への対策を2008年から進めていた。

敷地に盛土したり、建屋に水が入らないようにドアを取り替えたりしたほか、非常用ディーゼル発電機が津波で使えなくなっても最低限の電力を確保できるように、海抜22mに新たに設けた発電機からケーブルを原子炉建屋につないだ。

これらの対策のおかげで、東海第二は事故をぎりぎり避けている。

・・・

原子力災害を扱った傑作に、1986年のチェルノブイリ原発事故を取り上げたアメリカHBOの『チェルノブイリ』(2018年、全5話)がある。

こちらは、事故の収束のため命をなげうって作業にあたった人たちの姿だけでなく、事故の原因や責任追及をあいまいにしようとする政府と、それに立ち向かう研究者の姿を通して、事故の全体像を解き明かそうとしている。

放射線の恐怖だけでなく、事故原因を闇に埋もれさせまいと行動する研究者の迫力、凄みも伝わってくる構成で、エミー賞を作品賞など10部門で受賞している。  

対照的に『THE DAYS』は、Netflixの潤沢な資金で事故の再現精度を上げ、放射線の恐怖や原子力災害の途方も無い被害の大きさを伝えることに成功したと思われるものの、事故を起こした原因を立体的に浮かび上がらせる力は乏しい

脚本は、門田隆将『死の淵を見た男』(2012)、東電自身がまとめた事故調査報告書(2012)、吉田が政府の事故調査委員会の聴取に答えた調書(2011)を柱にしているという。

2017年以降に裁判で明らかになった吉田の「もう一つの顔」に触れないまま、『チェルノブイリ』のように事故の真相に迫ることは難しいだろう。

制作側のリサーチ不足によるものか、それとも東電や政府に都合の悪い事故原因を深掘りしたくなかったのか、どちらなのだろうか。

非常用復水器(IC:アイソレーションコンデンサー)の作動状態の誤認について『THE DAYS』は取り上げている。

しかし、それは「天災か人災か」を問う問題のうち、ごく一部にすぎず、事故をめぐる多くの裁判では検討課題に挙がっていない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f9527c8553359bb2ef73615ee5788dc6508b979f  

 

(ブログ者コメント)

つい先日、巨大防潮堤を作ると周辺集落に大きな被害を出す恐れがあったので検討途次だったという情報を紹介したばかりだが、今回は防潮堤以外の対策も進めていなかったという情報。

今回、改めて他の情報もザッと見直してみたが、こちらの情報のほうが実態に近いのかなあ・・・?

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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