2019年10月30日23時19分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
台風21号に伴う記録的な大雨に見舞われた千葉県で、県の指定した浸水想定区域の外にまで洪水が広がり、死者や公共施設の冠水が相次いでいたことがわかった。
国が義務づけた最大雨量を想定した区域指定を県が終えておらず、浸水想定範囲が従来のままだったことが、被害拡大につながった可能性もある。
長柄(ながら)町では25日、一宮川の氾濫(はんらん)により県道などが冠水。
車に乗っていた計2人が死亡した。
一宮川の支流の豊田川も氾濫し、災害対応拠点の茂原市役所本庁舎が浸水した。
いずれも、県が2008年に公表した一宮川水系の浸水想定区域から外れた地区で、長柄町や茂原市が公表した洪水ハザードマップでも、住民に注意が呼びかけられていない地区だった。
都道府県の指定する浸水想定区域は、市町村が住民の避難場所を設置したり避難経路を作ったりする上で、基礎的な資料になる。
大阪市や徳島県で浸水被害が相次いだことから、国は15年、水防法を改正し、区域指定の際の雨量想定を「数十年に1度」から「千年に1度」の規模に拡大するよう義務づけた。
20年度末までの見直しが求められている。
千葉県は過去に水害があったか、人口密集地域を流れ、氾濫すると被害が大きくなる「水位周知河川」に指定された計26河川で、区域指定の見直しを求められた。
だが、国が見直した1河川(手賀沼・手賀川)をのぞき、県が指定する必要がある全25河川で見直しは終わっていない。
担当者は「浸水想定区域は市町村のハザードマップの前提で、住民の避難計画に影響する。なるべく早く見直し作業を進めたい」と話す。
国によると、今年3月末時点で、国管理の448河川は全て「千年に1度」の想定最大雨量に基づく浸水想定区域図が作製されたが、都道府県管理の1627河川では883河川(54・3%)にとどまっている。
地形データを集めて浸水のシミュレーションをするために手間と費用がかかる上、自治体職員の人手不足もネックになっている。
https://digital.asahi.com/articles/ASMBZ64RYMBZUTIL06F.html?pn=4https://digital.asahi.com/articles/ASMBZ64RYMBZUTIL06F.html?pn=4
(ブログ者コメント)
同様の事例は今年、栃木県足利市でもあった。(本ブログでも紹介スミ)
他の市町村はどうかと気になり、「ハザードマップ」+「1000年」+「見直し」というキーワードでネット検索してみると、数多くの自治体から、1000年に一度の大雨想定でハザードマップを見直したという情報が発信されていた。
(2019年12月7日 修正1 ;追記)
2019年12月5日1時16分に産経新聞から、千葉県が管理する26河川中、1000年に1度の大雨想定で浸水区域を見直しているのは1河川のみ、来年5月末までに見直し市町村にデータ提供するなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県の森田健作知事は4日の県議会本会議で、県管理の26河川中25河川で洪水浸水想定区域の見直しが完了していないことについて、来年5月末までに新区域図の策定を終える考えを示した。
10月の記録的大雨では、長柄町で男性2人が車ごと流されて死亡するなど、浸水想定区域外での被害が相次ぎ、県の対応の遅れを指摘する声が上がっていた。
県は平成27年の水防法改正に伴い、浸水想定区域の指定に用いる大雨の基準を「50年に一度程度」から「1千年に一度程度」に変更。
だが、県が管理する河川で新基準に基づく見直しが完了したのは26河川中、1河川のみにとどまっている。
この日は千葉民主の会と公明党による代表質問が行われ、公明党の阿部俊昭県議が洪水浸水想定区域の見直しの現状を質問したのに対し、森田知事は「水防法で対象となっている26河川については、来年5月末までに洪水浸水想定区域図を公表した上で、市町村のハザードマップ作成に必要なデータ提供や助言などの支援を行う」と説明した。
千葉民主の会の松戸隆政県議は、全国最低の指定率にとどまっている土砂災害警戒区域について、指定を急ぐよう要求。
森田知事は来年5月末までに指定率を50%に引き上げ、令和3年5月末に指定を完了させる方針を示した。
国土交通省によると、今年10月末時点での指定率は全国平均が89・3%なのに対し、本県は36・9%にとどまっている。
9月に本県を直撃した台風15号についても、阿部県議は、「災害対応の初動や実態把握で県に危機感がなかったのではないか」と批判。
森田知事は、「危機感がなく初動が遅れたとの批判を重く受け止め、反省している」と重ねて陳謝した。
https://www.sankei.com/affairs/news/191205/afr1912050003-n1.html
(2019年12月24日 修正2 ;追記)
2019年12月23日20時27分に産経新聞からは、千葉県は県管理25河川のうち8河川のハザードマップを見直したなど下記趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県は23日、県管理の8河川で新たな洪水浸水想定区域図を公表した。
8河川の中には、10月25日の記録的大雨で氾濫が発生した一宮川、作田川、都川も含まれた。
県管理の残る17河川でも、来年5月末までに新たな区域図を公表する方針。
各市町村は新たな区域図に基づき、住民に避難を呼びかける際などに必要なハザードマップを見直す。
県河川環境課によると、新区域図は平成27年5月に改正された水防法に基づき作製。
30~50年に1度程度の大雨ではなく、1000年に1度程度の最大規模の大雨を想定している。
10月25日の大雨で特に流域の被害が大きかった一宮川の場合、大雨による氾濫などで流域で想定される浸水面積は、旧区域図では13・7平方キロだったが、新区域図では63・6平方キロに拡大する。
最も深い地点の浸水深は、旧区域図の4・7メートルから、新区域図で10・2メートルになると試算した。
また、10月25日の大雨では、旧区域図の域外で道路の冠水や建物の浸水、車に乗っていた2人が死亡するなどの被害が相次いだが、新区域図では、被害があった地域はいずれも洪水浸水想定区域に入るという。
県管理の26河川で、これまでに水防法改正を反映した新区域図が作製されたのは、29年6月に国の見直し作業に伴い公表された手賀沼・手賀川だけだった。
旧区域図は、平成18年3月~20年8月に公表されたもので、各市町村のハザードマップも旧区域図に基づき作製。
10月25日の大雨で住民への避難の呼びかけや注意喚起が結果的に不十分だった可能性が指摘された。
8河川の新区域図は県のホームページで閲覧できる。
https://www.sankei.com/affairs/news/191223/afr1912230040-n1.html
(ブログ者コメント)
年に何回か訪れる茂原の市街地。
大雨後に訪れた際、お気に入りのパン屋さんは閉まっていたが、昭和風情の食堂は開いていた。
食堂の女将さんに聞いたところ、食堂には水は来なかったが、パン屋さんを過ぎ、郵便局付近までは水が来ていた、パン屋さんは機械が水に浸かったので廃業するかも・・・とのことだった。
両店を結ぶ道路は平坦で、歩いても高低差を感じることはなかったのに・・・。
また、後日、駅近くのレジェンド焼きそば屋さんにも聞いてみたが、こちらは水には浸からなかったと言っていた。
そういう情報を知っていたので、今回公開されたハザードマップでどのようになっているか確認したところ、パン屋さん(青〇表示)と郵便局(青△表示)はピンクの浸水区域に入っていたが、食堂(赤☆表示)は黄色の浸水区域にも入っておらず、焼きそば屋さん(緑□表示)はピンクと黄色が入り混じった区域だった。
ハザードマップの確度はかなり高そうだと実感したので、参考までに紹介する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。