2019年10月29日9時23分に産経新聞から、下記趣旨の記事が広域地図表示付きでネット配信されていた。
台風21号と低気圧の影響による記録的な大雨で水位が上昇した千葉県内の河川で、県が水位の把握に使う観測所108カ所のうち11カ所で計測できていなかったことが29日、県への取材で分かった。
5カ所は大雨以前に故障していたものの修理ができておらず、6カ所は大雨が影響したとみられる。
データは市町村に提供され、避難勧告の発令などの参考にしている。
氾濫した河川の観測所4カ所も含まれており、県は「反省しなければならない事態。早急に修理したい」としている。
県によると、計測できなかったのは、千葉市や佐倉市などの10河川にある観測所で、県と水資源機構が設置している。
大雨の影響で故障したとみられる6カ所は、想定外の水位を計測したことや流木などで水位計が破損したと考えられ、県の担当者は「原因を特定し、検証した上で対策を考えたい」としている。
https://www.sankei.com/affairs/news/191029/afr1910290005-n1.html
10月28日付で東京新聞夕刊からは、修理待ちだった機器の故障原因は落雷などだったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
二十五日の大雨で氾濫被害が発生した千葉県佐倉市の鹿島川で、県が設置した水位観測所一カ所が八月末から故障したまま観測不能の状態だったことが分かった。
県が二十八日に発表した。
県によると、故障による避難の遅れなどはなかった。
県河川環境課は「修理を進めていた途中に大雨が降り間に合わなかった。(防災上の観点から)あってはならないこと」としている。
県によると、故障していたのは鹿島川の馬渡(まわたし)観測所で、八月二十九日から観測不能だった。
センサーで水位を観測する装置が、落雷で電気系統に異常が発生したとみられる。
他にも千葉市や市川市、富津(ふっつ)市などの七河川、計八カ所の観測所で、落雷などによりデータや電源の異常が確認されている。
このうち三カ所は馬渡観測所と同じく大雨以前から故障していたが、県はいずれの流域の自治体にも故障を連絡していなかったという。
鹿島川では、大雨の前から氾濫を警戒していた佐倉市が二十五日から二十六日の間に故障に気付き、県に「観測データの数字がおかしい」と連絡。
川は二十五日夜、馬渡観測所から約五キロ下流の同市田町の鹿島橋付近で氾濫が発生したが、市職員や地元消防団が水があふれたことを確認し、住民に避難を促した。
県の水防計画では、氾濫の危険を自治体や住民に知らせる「水位周知河川」が定められている。
鹿島川は含まれていないが、佐倉市危機管理室の担当者は「水位のデータが活用できれば、より迅速で的確な避難指示ができたはずだ」と話している。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201910/CK2019102802000247.html
10月28日20時50分にNHK NEWS WEBからも、故障した観測所の数が多く順番に修理していたが追いつかなかったという、同趣旨の記事がネット配信されていた。
千葉県佐倉市では、今月25日の大雨で市内を流れる鹿島川があふれましたが、県が設置した「馬渡観測所」では、ことし8月から装置の故障で水位を観測できなくなっていました。
これを受けて県が確認したところ、河川に設置した108か所の観測所のうち、馬渡観測所のほかに市川市と富津市、木更津市にある3か所の観測所でも、8月から先月にかけて装置が故障し水位を観測できなくなっていたことが分かりました。
今月になっても修理が行われていないということです。
また別の5か所の観測所では今回の大雨で装置が故障しましたが、中には県の水防計画で水位の状況を周知することが求められている観測所が3つあり、大雨が降り続く中、職員が現地で目視で水位を確認していたということです。
県は「8月に雷の影響などで故障した観測所が多く順番に修理していたが、その後の台風への対応もあり、作業が追いついていなかった。あってはならないことなので、速やかに修理を進めたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191028/k10012154191000.html
(2019年11月26日 修正1 ;追記)
2019年11月25日12時53分にNHK千葉から、計測不可だった水位計の一つは水没が原因だったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月25日の豪雨の際に千葉県が管理する川の一部の観測所で水位を測定できなかった問題で、千葉市にある観測所では水位の上昇で装置が水没して故障していたことが分かり、県は設置場所の見直しなどを検討することになりました。
先月25日の豪雨では、千葉県が管理する108か所の観測所のうち11か所で装置が故障していて、水位を測定できませんでした。
このうち6か所は豪雨の当日に故障したため、県が調べたところ、千葉市若葉区の都川に設置された「大草観測所」では、データを送信するための装置が水没して故障したことが新たに分かりました。
この装置は高さ3.5メートルの堤防の上に設置され、25日の午後3時半に3.26メートルの水位を観測したのを最後に、測定ができなくなりました。
国が管理する川では、装置は洪水が起きても冠水しない高さに設置するよう基準が設けられていて、千葉県もそれに沿ってほとんどの装置を堤防とほぼ同じ高さに設置していますが、今回は想定以上の越水で水没してしまったということです。
千葉県河川環境課の山口課長は、「堤防の高さがあれば冠水しないと考えて設置していたが、重大な問題だ。今後、設置する高さの変更や装置自体の改良も検討していきたい」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20191125/1080009146.html
(ブログ者コメント)
〇以下は、映像の2コマ。
〇千葉市の洪水ハザードマップを見てみると、当該水位計は警戒水位にかかるかかからないか、という場所に設置されていた模様。
ただ、そのハザードマップは50年に1度の大雨想定で作成されたものだった。
本ブログでは以前、足利市の洪水ハザードマップが最新のデータを反映していないものだったという情報を紹介した。
(足利市では100年に1度の大雨想定だったが、国は17年に1000年に1度の大雨想定に変更)
千葉市のハザードマップは、かなり前のデータのまま更新されていないということか?
以下は、千葉市HPに掲載されている洪水ハザードマップからピックアップした画面。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。