2018年1月10日12時28分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
去年6月、水銀を入れた加熱式たばこを会社の元同僚の男性に吸わせて殺害しようとしたとして、大津市のM容疑者(男性、36歳)が殺人未遂の疑いで逮捕された。
警察によると、M容疑者は去年6月、滋賀県栗東市に住む30代の知り合いの男性に水銀を注入した加熱式たばこを渡して吸わせ殺害しようとしたとして、殺人未遂の疑いが持たれている。
男性は、M容疑者が以前経営していた会社の同僚で、市内の路上で渡された20本入りのたばこ1箱を翌日にかけてパチンコ店などで10本余り吸ったあと、頭痛やろれつが回らなくなるなど中毒の症状を引き起こして病院に運ばれた。
男性からの届け出を受けた警察が残っていたたばこを詳しく調べた結果、水銀が検出されたという。
警察によると、調べに対し容疑を認め、「1本につき0.3gから0.5gの水銀を注入した」などと供述しているということで、警察は、注入方法や動機などを詳しく調べることにしている。
「加熱式たばこ」は、電池で加熱する専用の器具にたばこを入れて蒸気を吸うもので、煙や臭いが少ないことから、最近、利用する人が増えている。
「日本中毒学会」の理事を務める近畿大学医学部の丸山克之講師によると、「水銀」は金属の一種だが、常温では液体の状態のため蒸発しやすく、たばこなどに混入していた場合、熱で蒸気となって、直接、肺に吸い込まれるという。
丸山講師によると、「水銀」は一度に大量に体内に入ると、頭痛や体のしびれのほか呼吸困難などの症状が起こり、量によっては死に至る場合もあるという。
また、少量でも長期間摂取し続ければ、神経や腎臓が傷ついて健康への影響が出るということで、手足のしびれなどの後遺症が残るおそれもあるという。
丸山講師は、「水銀は強い毒性を持っていて、法律でも毒物に指定されている。特に蒸気の形で吸い込んだ場合は、口から入るよりも血管から吸収されやすく、比較的少ない量でも症状が出るおそれがあり、さらに注意が必要だ」と話していた。
出典
『“加熱式たばこに水銀” 殺人未遂容疑で男を逮捕 滋賀』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180110/k10011283501000.html
1月11日17時0分に東スポからは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
被害男性は昨年6月3日に、同県栗東市内でM容疑者から20本入りの加熱式たばこ1箱を手渡されて、翌日までにパチンコ店などで14本を吸ったところ、頭痛や舌のしびれ、味覚障害、ろれつ困難などの障害が出て病院に搬送された。
捜査1課によると、「残りの6本を押収して鑑定したところ、20本すべて吸ったなら死に至っていたほどの水銀の成分が検出された」という。
葉の詰まったカートリッジ部分に水銀が混入されていた。
入手経路などは、現在、捜査中。
事件に用いられた水銀は体温計や水銀灯など身の周りの生活用品に含まれており、入手は比較的容易だという。
「水銀は、蒸気になって鼻や口から吸い込んで体内に入るのが最も毒性が強くなり、中枢神経や内分泌、腎臓、肺、脳に障害をもたらして最終的には死に至らしめる。加熱式たばこというアイテムは一番、毒性が強くなるやり方。これまでの調べからM容疑者に特段、専門的な化学知識を持っている経歴は認められず、どうしてこんな方法を思いついたのか」と、捜査関係者も首をかしげる。
出典
『元部下に「水銀入り過熱式たばこ」捜査関係者も驚く悪知恵』
https://www.tokyo-sports.co.jp/nonsec/social/883504/
1月12日9時11分にNHK滋賀からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
M容疑者が「水銀が含まれた数種類の電子部品があるのを本で知り、ネットオークションで複数買って、中から水銀を取り出した」などと供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
これまでの調べで、男性が吸った加熱式たばこの吸い殻などには針で開けたような小さな穴が開いていたことも分かっていて、警察は、機器から取り出した水銀をたばこに注入したとみて調べを進めている。
出典
『“電子部品買って水銀取り出す”』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/2064303231.html
(ブログ者コメント)
本件、事故ではなく事件であるが、水銀中毒の生々しい情報として紹介する。
(2018年2月1日 修正1 ;追記)
2018年1月30日17時33分にNHK関西からは、水銀たばこの前に毒入り菓子も食べさせていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
被告は起訴された内容を認めていて、これまでの警察の調べに対し、「男性を懲らしめるために、インターネットや本などでいろいろな方法を調べ、まず毒物を入れた菓子を渡して食べさせた。うまくいかず、しだいに殺害しようと思うようになった」などと供述していることが、捜査関係者への取材でわかった。
被害を受けた男性も、1月10日に、NHKの電話取材に応じた際、加熱式たばこの以前にも不審な菓子を渡されたと証言していた。
男性は、「水銀の前から毒を盛っていたと言われた。ソフトキャンディーを渡されることがあって、青りんごの味のはずだったが、なぜかすべてがオレンジ色をしていた。そのまま食べてしまったが、怪しいと思い問い詰めていくと『毒性の強い黄色の絵の具を、スプレーの先端から入れた』と言われた」と話していた。
出典
『たばこに水銀の男“菓子にも毒”』
http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20180130/4834171.html
1月31日8時5分に読売新聞からは、本を読んで手口を思いついたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
捜査関係者によると、M容疑者は手口について「本を読んでいて思いつき、インターネットで調べた」と供述。
ネットで購入した電気部品から水銀を取り出し、市販の加熱式たばこに混ぜていたという。
出典
『加熱式たばこに水銀「本を読み思いついた」』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20180131-OYT1T50011.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。