2017年9月21日11時38分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東海地方で20日夜、「電線から火花が出ている」という通報が警察や消防に相次いだ。
中部電力によると、火花は4県(愛知、岐阜、三重、静岡)で計200件ほど確認されたという。
消防などによると、民家などへの延焼やけが人は確認されていない。
中部電によると、17日に東海地方に接近した台風18号で塩分やごみが巻き上げられ、電気を民家などに導く「引き込み線」に付着。
これらが20日夜に降った雨に溶けるなどして、一部が電線の内部に入り込んだためとみられるという。
中部電は21日未明までに、すべての引き込み線の張り替えやテープによる補修を終えたという。
出典
『「電線から火花」200件 東海地方、台風の影響?』
http://www.asahi.com/articles/ASK9P3RVMK9POIPE006.html
9月21日18時57分にNHK東海からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
中部電力によると、20日午後6時半ごろから約1時間ほどの間に、愛知県、岐阜県、三重県、それに静岡県内で、電線などから火花が出るトラブルが相次ぎ、付近の建物への延焼はなかったが、一部で停電も起きた。
中部電力は、21日、会見を開き、古くなって劣化した電線に台風18号の強風で、海から運ばれた塩分などが付着し、さらに、20日降った雨が入り込みショートしたとみられると発表した。
火花が出た電線は、いずれも設置から20年以上たっていて、まわりを覆っている絶縁体が劣化していたという。
中部電力では、こうした古くなった電線を劣化しにくいものに取り替える工事を平成12年から進めているが、終了するまでに、あと20年余りかかるという。
また、「今後も起こる可能性は否定できない」として、火花を目撃した場合には、ブレーカーを切ったり、最寄りの営業所に連絡したりしてほしいと注意を呼びかけている。
出典
『電線の火花 台風の塩分が原因か』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170921/4131801.html
9月21日19時28分に東日本放送からは、同じ日に宮城県でも同様なトラブルが起きたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月20日22時39分に朝日新聞からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
20日夜、仙台市や石巻市など沿岸部を中心に、電線から火花が出ているという通報が消防に相次ぎ、県内の52ヵ所で電線のショートが確認された。
電柱と民家などの建物を直接つなぐ「引込線」で火花が出たという。
東北電力によると、20日は仙台市内で20ヵ所以上、塩釜や石巻でも、沿岸部を中心に同様の現象が多発した。
なぜ同様の現象が、これほど多くの場所で発生したのだろうか。
佐藤リポート
「火花が出たのは、電柱からそれぞれの建物に電気を通す“引込線”でした」
東北電力仙台営業所配電企画課・渡辺課長
「強風等による飛来物で電線に微小な傷がついていると、引込線に付着した塩分に雨が降った状態で電線の絶縁が下がり、火花が発生したという状況です」
佐藤リポート
「こちらが引込線です。このように電線が束になって電気が届けられています」
引込線は、2~3本の銅線が束になってできている。
それぞれの線が細く、銅線を覆うビニールも薄いことから、わずかな傷がもとで銅線から隣の銅線に電気が通り、火花が発生することがあるという。
県内は、台風18号の影響で飛来物が電線にあたり、細かな傷が出来ていた。
さらに、電気を通しやすい塩分が海からの風に乗って電線に付着していたので、20日の夕方の雨でショートしたという。
渡辺課長
「引込線につきましては、難燃性、燃えにくい素材でできた電線でありますので、火花が発生しても、それがそのまま火事になるというものではございません」
東北電力は、電線から火花が出ていた場合は、絶対に電線には触らず、東北電力のコールセンターに連絡してほしいとしている。
東北電力によると、今回のような電線のショートは、以下のような様々な条件が重なる場合に発生する。
1.塩分を含んだ東風が吹いたこと
2.台風の後の晴天で塩分が乾いて付着したこと
3.その後、塩分が流れない程度の雨が降ること
今回は、まさにこうした条件が揃ったということだ。
電線自体は燃えにくい素材のため、火災につながる恐れはないという。
出典
『宮城県内で電柱から“火花”多発 なぜ?』
https://www.khb-tv.co.jp/news/localNews/201709211945281.html
『電線から火花、宮城で48件 台風の影響でショートか』
http://www.asahi.com/articles/ASK9N72XRK9NUNHB014.html
9月23日1時40分に中日新聞からは、東海地方で22日にも同様な現象が起きたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9月23日10時0分にNHK東海からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知、三重、岐阜、静岡の4県で22日、家庭などに電気を引き込む電線から火花が発生するトラブルが約500件発生した。
中部電力が発表した。
中電によると、22日午前10時半から午後11時ごろにかけて、各家庭などに電気を送る引き込み線と呼ばれる電線で火花が出るトラブルが、愛知県で約290件、三重県で約100件、岐阜県で約60件、静岡県で約50件、あわせて約500件起きたという。
建物などへの延焼はなかったという。
中電によると、17日から18日にかけて列島を縦断した台風18号の影響とみられる。
強風で海から運ばれた海水の塩分と不純物が、22日に降った雨と一緒に、古くなった電線を覆う絶縁体の亀裂に入り込み、ショートした可能性があるという。
同様の被害は20日にもあった。
出典
『電線から火花、東海4県500件 台風18号影響』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017092290232027.html
『電線から再び火花 約500件』
http://www.nhk.or.jp/tokai-news/20170923/4190281.html
(ブログ者コメント)
本ブログでは過去に、今回と同様な塩分、あるいは雪や融雪剤が原因で同様な現象が起きた事例を紹介している。(個別事例記載省略)
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。