2017年11月20日18時15分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京・秋葉原と茨城県つくば市の間で「つくばエクスプレス(TX)」を運行する会社が、電車を定刻より20秒早く出発させたとして謝った。
海外メディアは「遅れや運休でもないのに……」と驚く。
「20秒」の差は謝るべきなのか。
「定刻9時44分40秒のところ、発車時刻を十分に確認しないまま、9時44分20秒に発車してしまいました。お客様には大変ご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます」。
つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道のホームページに14日、こんな謝罪文が載った。
この日、秋葉原発守谷行きの普通列車が南流山駅(千葉県流山市)を定刻より20秒早く出発していた。
乗務員に「基本動作を徹底するよう指導した」という。
ただ同社によると、駅の時刻表には「44分」としか記されておらず、4分後には後続の電車が来ることになっていた。
乗客からの苦情もなかったという。
同社広報課は、「発車を知らせる駅の放送が発車15秒前に自動で流れる設定で、周知されないまま電車が動き、発車後に流れてしまった。謝罪は当社の基準に基づいており、今後も同様の対応をする」。
昨年6月にも、北千住で30秒早く出発した際に、おわびを出したという。
当初、国内でほとんど注目されなかったが、これが英語のネットニュースで報じられると「(日常的に遅れる)ニューヨークの地下鉄なら、謝罪のためだけに職員が必要だ」とツイッターなどで話題に。
英紙ガーディアンは、日本の鉄道の運行時間の正確さは素晴らしいとしたうえで、「時間厳守が悲劇を生んだこともある」として、107人が死亡した2005年のJR宝塚線の脱線事故で、運転士が約1分半の遅れを取り戻そうとしていたことが一因とされていることに触れた。
日本の鉄道史に詳しい原武史・放送大教授(日本政治思想史)は、日本のダイヤ厳守の習慣は、天皇が乗る「お召し列車」に源流があると指摘する。
「1928(昭和3)年に、即位の礼と大嘗祭のため天皇が京都へ行った際、30秒単位の特別ダイヤが組まれ、ほぼ正確に運行されたと言われている」という。
これが日本の正確な運行につながっているという見立てだ。
原さんは、「TXは他社との乗り入れがないため、ダイヤがシンプルで乱れにくい。それゆえ、少しの狂いにも過剰に反応しているのかも知れない」ともみている。
とはいえ、今回の謝罪を「聞いたことがない。ダイヤは秒単位で作っていても、客にとっては同じ『9時44分』。言われなければ気づかない。いちいち公表する必要があるのか」と原さんは言う。
鉄道会社の横並び意識も感じるといい、「他社が少しのダイヤの乱れでも謝るので自分たちもと、儀礼的に謝っている面もあるのではないか」と話す。
米紙ニューヨーク・タイムズは記事で、過剰に謝る日本の企業文化が背景にあると指摘した。
日本社会を「世間」という切り口で研究する佐藤直樹・九州工業大名誉教授(刑事法学)は、「日本では、場の空気を壊さずに円滑にものを進めるため、『とりあえず謝る』習慣がある。企業も同じで、法律上の問題がなくても、苦情やネットでの炎上を恐れ、先回りして謝ることが当たり前になっている」。
ここ20年ほど、成果主義が広がって社会がぎくしゃくし、小さなことでもクレームを入れる風潮が強まり、企業の謝り方がどんどん過剰になっていると感じるという。
佐藤さんは、「20秒早く出発して謝るなんて、やっぱりおかしい。消費者自身も、普段から要求が行きすぎていないか、考え直す必要があるのではないか」と話す。
出典
『20秒早く電車出発、謝罪はやりすぎ? 海外から大注目』
http://digital.asahi.com/articles/ASKCN4GT8KCNUTIL01K.html?rm=505
(ブログ者コメント)
44分発と表示されている電車が43分40秒に発車したのならまだしも、44分20秒に出ようが44分40秒に出ようが、ブログ者として支障は全く感じない。
いつも乗る電車は40秒発ということに気付いていて、それに合わせてホームに来る人がいたかもしれないが、そのような10秒単位で行動計画を立てている人は滅多にいないだろう。
発車後に発車アナウンスした点を問題視しての謝罪かもしれないが、駆け込み乗車による事故を防ぐため発車アナウンスは廃止したほうがよいという考え方もあることだし、そう気にする必要はないのではなかろうか?
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。