2017年12月13日付で毎日新聞東京版から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
JR西日本は12日、博多~名古屋間を走行していた東海道・山陽新幹線の車両の台車に亀裂や油漏れなどの異常を発見したと発表した。
11日に運転中、異臭がしたため、名古屋駅で運転を取りやめて検査していた。
国の運輸安全委員会は12日、事故につながりかねない重大インシデントとして、鉄道事故調査官を現地に派遣した。
航空・鉄道事故調査委員会が発足した2001年以降、新幹線の重大インシデントは初めて。
同社によると、異常が見つかったのは博多発東京行きのぞみ34号(N700系、16両編成)の13号車。
博多駅を11日午後1時半ごろ出発し、乗務員がうなるような音や焦げたような臭いに気付いた。
同5時ごろ、名古屋駅で点検し、走行できないと判断。
乗客約1000人は後続列車に乗り換えた。
検査で、鋼鉄製の台車枠に亀裂が1カ所あったほか、歯車箱付近に油漏れがあり、モーターの回転を車輪に伝える継ぎ手が黒っぽく変色していた。
同社は、焦げて変色したとみている。
この車両は07年11月に製造され、692万km走行。
今年2月、車両を解体して行う「全般検査」を受け、今月10日の目視点検でも異常はなかった。
車両は名古屋駅に停車したままで、12日時点で移動させるめどは立っていない
出典
『のぞみ台車に亀裂 新幹線初、重大インシデント』
https://mainichi.jp/articles/20171213/ddm/001/040/173000c
12月14日付で毎日新聞東京版からは、小倉での異常覚知から名古屋で異常を発見するまでの経緯が、下記趣旨でネット配信されていた。
JR西日本によると、異常が見つかったのぞみ34号は、小倉駅を出発した11日午後1時50分ごろ、客室乗務員らが「焦げたような臭い」に気付いた。
午後3時ごろ、福山駅を出発。
その後、13号車(先頭から4両目)に乗った30代の男性が「もやがかかっている」と車内販売員に伝えた。
車掌が確認すると、もやは既に消えており、「問題ない」と判断したという。
13号車の台車には、亀裂のほかにも、モーター動力を高速回転で車輪に伝える「継ぎ手」に焦げたとみられる黒っぽい変色が見つかっている。
同社は、もやについて「現在は、継ぎ手が高温になり、蒸気が発生したと考えている」としている。
同3時15分ごろ、岡山駅で車両保守担当者が乗り込み、うなるような音を確認したが、「走行に支障があるような音ではない」として、新幹線総合指令所が運転を継続させた。
新大阪駅でJR東海の運転士や車掌に交代し、京都駅を出た直後の同4時20分ごろ、車掌が異臭を確認。
指令に報告し、名古屋駅で車両点検をすることになった。
同5時ごろ、点検で継ぎ手と車輪の間の「歯車箱」付近の油漏れが見つかった。
小倉駅で異臭に気付いてから、約3時間がたっていた。
出典
『のぞみ台車トラブル 岡山で乗客「もや」 異常認識後も運転』
https://mainichi.jp/articles/20171214/ddm/041/040/134000c
12月13日12時21分に朝日新聞からは、下記趣旨の補足的記事がネット配信されていた。
乗務員が最初の停車駅の小倉駅を出る際に、7、8号車付近で異臭に気づいた。
さらに岡山駅を過ぎ、13号車付近で「うなり音」を確認。
乗客からも異臭の訴えがあったという。
しかし、異音や異臭は継続していなかったことから、そのまま運行を続けた。
出典
『異臭や異音、感知後も運行続ける 新幹線のぞみ台車亀裂』
http://www.asahi.com/articles/ASKDF3HFQKDFPTIL006.html
12月14日7時9分に読売新聞からは、亀裂発生個所はこれまで非破壊検査の対象ではなく目視点検だけだったという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
亀裂のあった場所が磁気などによる詳細な検査の対象外だったことがわかった。
過去に同様の事例が起きていなかったためで、主に目視で点検していた。
今回のトラブルを受け、JR西日本は検査方法のあり方を検討する。
JR西によると、この車両では今年2月、分解による「全般検査」を実施。
台車の傷や亀裂の兆候をチェックしたが、異常は確認されなかった。
台車の亀裂は、特に溶接部分で起こる可能性が高いとされ、JR各社は、磁気や鉄粉を使った特殊な方法で溶接部を調べている。
だが、今回亀裂が見つかった場所は溶接部ではなく、こうした検査の対象外だった。
JR西の担当者は、「通常、亀裂が入る場所ではなく、過去にも例がないため」としている。
出典
『新幹線台車、亀裂箇所は目視のみ…過去に例なし』
http://www.yomiuri.co.jp/national/20171213-OYT1T50107.html?from=ycont_top_txt
12月16日付で毎日新聞からは、16日に列車をホームから移動させるという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
15日の終電後に13号車をクレーンでつり上げ、16日午前3時半ごろに新しい台車への取り換えが完了した。
1~13号車は名古屋駅14番線ホームに停車したままで、車両の移動は17日未明から始める。
14番線ホームの使用再開は同日以降となり、東海道新幹線は16日も上り線の一部で遅れが続く見込み。
出典
『のぞみ台車トラブル 亀裂入った台車交換 新幹線、車両はあす移動 名古屋駅』
https://mainichi.jp/articles/20171216/dde/041/040/040000c
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。