2017年7月21日3時25分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
愛知県東郷町の特別養護老人ホームで6月、入所者の60代男性が「出張理美容」の専用トラックに乗り込む際、自動昇降リフトから車椅子ごと転落し、その後、死亡する事故が起きていたことが、県警への取材でわかった。
県警は、出張理美容業者の安全対策が不十分だった可能性もあるとみて、業務上過失致死の疑いで慎重に捜査している。
県警によると、男性は6月19日午後3時ごろ、30代の男性理容師の付き添いで、女性入所者と一緒にリフトに乗った。
上昇中に車内に乗り移ろうとした女性を止めようと、理容師が車椅子から手を離したところ、男性は後ろ向きに転落して後頭部を強打。
7月6日未明に病院で亡くなった。
リフトの床の高さは路面から約70cmで、車椅子の車輪のストッパーはかかっていなかった疑いがあるという。
業者によると、車輪が回らないようにストッパーをかける決まりだった。
一方、リフトと車椅子をつないで固定する器具はなかったという。
また、車椅子を乗せる場合、リフトの定員は付き添いの理美容師とあわせて2人だった。
当時3人が乗っていたことについて、業者の幹部は取材に「上昇が始まる際に、突然、女性が乗ってきた」と説明した。
業者は事故後、リフトの床の車輪止めを使ったり、転落防止のチェーンをつけたりしたという。
業者の幹部は、「こうした事故が二度と起きないよう、再発防止に努めている」と話した。
出典
『出張理美容車から転落、車いすの男性死亡』
http://www.asahi.com/articles/ASK7N5QRGK7NOIPE019.html
7月21日11時20分に中日新聞からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
7月22日付で読売新聞中部版からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
施設や町によると、男性は6月19日午後3時すぎ、施設駐車場で、出張理美容業者(名古屋市)の30代男性理容師と、別の入所者の80代女性の計3人で、一緒にリフトに乗った。
その際、女性が、リフトが上がりきらないうちに車内に入ろうとしたため、理容師が止めようとしたところ、男性が車いすごと後ろに転落し、後頭部を強く打った。
男性は要介護4だった。
男性は病院に搬送され、7月6日に死亡した。
業者によると、リフトには転落防止の金属製ストッパーがあったが、事故時はかけていなかった。
また、事故後に確認したところ、男性の車いすの左車輪のブレーキもかかっていない状態だったという。
この業者は、毎月1度、施設を訪れて理美容のサービスを提供しており、「リフトに乗るのは1度に2人」として運用している。
業者の管理者は、「本来は男性だけを連れて専用車に入る予定だったが、自分で歩ける女性が突然リフトに乗ってきて、理容師が片手で押さえていた車いすから手を離した可能性がある」と説明している。
施設は、「施設職員ではなく、業者側が付き添って1人ずつリフトで昇降させるとの内容で契約している」と話した。
出典
『出張理美容車から車いすの男性転落死 愛知・東郷の特養ホーム』
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2017072190112059.html
『理美容車リフトから車いす男性転落死 東郷』
http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20170722-OYTNT50026.html
(2018年7月1日 修正1 ;追記)
2018年6月27日13時36分に産経新聞westから、理容師が書類送検されたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
適切な安全管理を怠ったとして業務上過失致死の疑いで、一緒に昇降機に乗っていた男性理容師(35)を県警が書類送検したことが27日、捜査関係者への取材で分かった。22日付。
書類送検容疑は、昨年6月19日午後3時ごろ、車椅子の車輪の固定を怠ったほか、マニュアルも守らなかったことで、車椅子が転落し男性を死亡させたとしている。
出典
『業過容疑で理容師書類送検、出張散髪の車から転落死』
http://www.sankei.com/west/news/180627/wst1806270059-n1.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。