2020年11月20日9時58分にYAHOOニュース(西日本新聞)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
福岡市から業務委託を受けた公益財団法人「福岡県すこやか健康事業団」(現・ふくおか公衆衛生推進機構)が2015年に実施した胃がん検診で、同市西区の女性=当時(73)=が飲んだバリウムが誤って肺に多量に流入した際、救急搬送されず、肺から取り除けなくなっていたことが分かった。
女性は重い後遺症を患い、今年夏に死亡。
事業団側は「対応は適切だった」としているが、女性の夫は「きちんとした対応を取っていれば、バリウムは除去できたのではないか」と不信感を募らせている。
胃がん検診は15年8月、西区の公民館で行われた集団検診の一つで、巡回検診車内で実施した。
事業団側が夫にした説明によると、女性がバリウムを飲んだ直後、診療放射線技師による胸部観察で肺にバリウムが流入しているのが見えたため、検診を中止。
バリウムの排出処置を実施したが取り除けず、女性は検診医の指示でスタッフに付き添われ、タクシーで消化器科医院に移った。
だが、医院でも排出できなかったため、さらに早良区の別の病院に移動。
ここでも取り除けず、肺洗浄などの処置も行われなかったという。
夫によると、女性は肺にバリウムが固着した影響で体力が低下。
その後、食べ物をのみ込む機能も衰え、胃に穴を開けて管で直接栄養を送る「胃ろう」を行っていた。
一時は胃ろうを外すほど体力が回復したが、今年8月に亡くなった。
事業団側は、最初に救急搬送しなかった理由について「診察で重い症状は見受けられず、救急車を呼ぶより近くの病院で処置をする方が早いと判断した」と説明。
一方、検診医の経験がある博多区の医師は「バリウムを使った胃検診は本来危険性が高く、固まるので、肺に入ったら迅速な対応が必要。救急搬送をしなかった判断について詳しく検証する必要がある」と指摘する。
事業団側は取材に対し、女性側に入院費などを払うことで示談交渉していると説明。
バリウム誤嚥(ごえん)後の女性への対応と死亡との因果関係については認めていない。
また、こうした事故を防ぐため、現在、60歳以上には診療放射線技師がバリウムを飲ませながら胃を透視するなどの対応を実施しているという。
夫は「胃検診の事故がこれ以上起こらないよう、真相を徹底的に調べてほしい」と話している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7707f2b95556812834afe5c2acb79d49eaf45020
(ブログ者コメント)
〇本ブログでは以前、バリウムを飲んで体調不良になったとか、バリウム検査は弊害が多いという情報も紹介している。
〇ネットで調べたところ、バリウム誤嚥は全国的に少なからず起きており、報文も複数出されていた。
下記報文によれば、某医療機関における誤嚥率は2009年から2014年までの6年間、0.4~0.8%で推移していたとのこと。
『総合健診センターにおける偶発事故(バリウム誤嚥)について』
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。