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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20221141137分にYAHOOニュース(水ジャーナリストの寄稿文?)から下記趣旨の記事が、図解付きでネット配信されていた。

【神東塗料製品を使った全製品の出荷が停止に】

水は社会の血液であり、水道管は血管だ。
全国に張りめぐらされた水道管は目に見えないところで私たちの生活を支えている。
老朽化した水道管は交換される。
12
月から3月は水道工事の多い時期だ。

しかし、その工事が止まった。
水道管が供給されないからだ。

「水道管ショック」とも言える異常事態は、なぜ起きたのか。
私たちの生活にどんな影響があるのか。

1月11日、日本水道協会品質認証センターは、水道管の一部に「指定外原料」が使用されたと公表した。

同センターは、厚生労働省が定める基準にもとづき、水道に関する製品を評価し、基準に適合した製品を認証登録する。
認証登録を受けた製品のみが水道に使われる。

(資料)
日本水道協会品質認証センター「神東塗料(株)の不適切行為による日本水道協会品質認証の取得事案について」(第二報)
2022年1月141115分最終閲覧)

問題が発生したのは、神東塗料株式会社(兵庫県尼崎市)が取り扱う水道管向け合成樹脂塗料。

同社はこれらについて、①「認証外の原料を使用したこと」、②「不正な条件で得られた試験結果で認証を取得したこと」の2点を報告した。

(資料)
神東塗料株式会社「当社製の一部製品に係る不適切行為について」
2022年1月141115分最終閲覧))

同社は、塗料の重要な原材料である樹脂を独自に開発してきた。

該当の塗料は、ダクタイル鉄管(水道管の一種。上記イラスト参照)、バルブ、接合部品に使用されている。

腐食、さびを防ぐ目的で使用されるが、接合部分では、塗料と水が直接触れる。

不正を受けて、日本水道協会は該当製品の認証を停止。

ダクタイル鉄管を取り扱う主な企業は、次々に神東塗料製品を使った全製品の出荷を止めた。

(資料)
株式会社クボタ「ダクタイル鉄管関連製品の出荷一時停止について」
2022114日9時最終閲覧)

株式会社栗本鐵工所「ダクタイル鉄管関連製品の出荷一時停止に関するお知らせ」
2022114日9時最終閲覧)

日本鋳鉄管株式会社「神東塗料(株)製品の不具合による当社製品の出荷停止について」
2022114日9時最終閲覧)

 

【大都市の水道管は85.2%がダクタイル鉄管】

水道管を素材で分類すると、硬質塩化ビニル管、鋼管、鋳鉄管、石綿セメント管などがあるが、ダクタイル鉄管の使用率は圧倒的に多い。

全国に約72万キロある水道管路のうち、約39万キロがダクタイル鉄管である。

都市部ほどダクタイル鉄管の使用率は高く、100万人以上の給水人口では85.2%がダクタイル鉄管である。

 

【工事の遅延による影響、塗料の安全性に関する影響】

影響をまとめてみる。

①工事の遅延による影響

製品の安全性が確認されるまで出荷停止が続く。

全国の水道管のうち法定耐用年数の40年を超えた割合(老朽化率)は、2018年度末には17.6%にまで上昇した。

財源不足などから、布設から50年、60年経過した水道管を地道に補修しながら使用しており、年間2万件を超える漏水・破損事故が発生している。

毎年約5,000キロが更新されるが、「なんとか更新にたどりついた」というのが実態だ。

その工事が今回の出荷停止によって止まる。

水道事業者(自治体)にすでに納入されている製品についても、日本水道協会品質認証センターが使用しないことを呼びかけている。

当面の工事だけでなく、今後の工事予定も大幅に遅れるだろう。

実際、大阪市水道局は「計画的な工事については、当該水道管の安全性が確認されるまでの間、工事を原則停止」と公表した。

(資料)
大阪市水道局「新聞報道のあった水道管向け塗料に関する不適切な行為に対する対応方針について」
 

水道事業者(自治体)、部材供給業者、工事業者に影響が出るだけでなく、市民生活にも影響が出る可能性がある。

②塗料の安全性に関する影響

現時点では、塗料の原料の安全性が確認されていない。

最悪、人体に有害な物質であった場合、影響は甚大だ。

すでに終わっている工事でも、当該塗料を使用したダクタイル鉄管やバルブを使っているはずだ。

いつからこの塗料が使用され、製品がどの水道事業に納品され、どこに布設されたのかを明らかにし、対応する必要がある。

前述の大阪市水道局は、水質について「毎月1回実施している定期水質検査において、これまで異常は確認されていません」、「当面は水質状況に大きな変化がないかを注視しつつ、給水を継続します」としている。

神東塗料株式会社は、前述の「当社製の一部製品に係る不適切行為について」のなかで、「速やかに社外の専門家も交えた特別調査委員会を設置する予定であり、事実関係の解明、原因究明、再発防止策の策定等に全力を挙げて参ります。特別調査委員会の設置については決定次第、公表いたします」としている。

迅速な調査と情報公開は重要なことだ。

その一方で、「対象製品の納入先であるお取引先様には、順次お詫びとご説明を進めております」、「本件が当社グループの業績に与える影響につきまして、今後開示すべき事項が生じた場合には、速やかに公表いたします」と、取引先と株主へのメッセージは出しているものの、水道事業者や水道水の受益者である市民へのメッセージはない。

社会の血液であり、市民生活への影響が大きい水道に携わる企業としての自覚に乏しい。

そうしたことが、安易に規格認証外の原料を使用したり、不正な条件で得られた試験結果で認証を取得することに繋がりはしなかったか。

水道への信頼が問われている。

https://news.yahoo.co.jp/byline/hashimotojunji/20220114-00277239

 

115180分に朝日新聞からは、昨年10月に社員からの内部通報で明らかになったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

一部の水道管に認証規格をクリアしていない塗料が使われており、東京都や大阪市、横浜市などが更新などの工事を中断していることがわかった。

塗料メーカーの神東塗料(本社・兵庫県尼崎市、東証1部)が、規格で認められていない原料を使っていたことが発覚し、クボタなどの水道管メーカーが出荷を停止しているためだ。

水質への影響などの確認に時間がかかるため、工事再開のめどはたっていない。

神東塗料によると、水道管用の合成樹脂塗料で、検査機関である日本水道協会の認証規格で認められていない原料を使っていた。

昨年10月に社員からの内部通報をきっかけに明らかになり、社内調査を進め、昨年末に同協会に伝えたという。

問題の塗料が使われていた水道管は、さびや腐食に強く、耐震性もある「ダクタイル鋳鉄管」。
全国に約72万キロメートル(2019年度末時点)ある水道管の54%を占めている。

全ての水道管のうち、法律で定められた耐用年数の40年を超える老朽管は19%に達し、更新時はダクタイル鋳鉄管が主流になっている。

塗料は主に水道管の外側の塗装に使われるが、管と管をつなぐ継ぎ手の部分では内側にも使われ、塗料が水に触れる。

日本水道協会は、神東塗料の製品を使って水道管をつくるメーカーに、安全性を確認するまで出荷自粛を要請。

ダクタイル鋳鉄管でシェア約6割のクボタは神東塗料の製品を使っているため、今月11日から出荷を停止した。
栗本鉄工所や日本鋳鉄管も、出荷を取りやめている。

 

【工事の約半数、中断した自治体も】

これを受けて、横浜市は今年…

(以下は有料)

https://www.asahi.com/articles/ASQ1H01ZVQ1GULZU00W.html 

 

 

(2022年2月1日 修正1 ;追記)

20221301545分に日本経済新聞からは、認証取得のため提出する試験片を規格より高温かつ長時間乾燥させ、水洗いもしていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

日本水道協会は30日、神東塗料が水道管用の合成樹脂塗料の認証を不正に取得した疑いがあることをめぐり、調査の対象を拡大すると明らかにした。

すでに認証を一時停止した12製品と同じ認証を取得しているすべての同社製品について、品質などに問題がないか調べる。

神東塗料は12日に一部の製品について、規格と異なる条件下での試験結果を使ったり、規格外の原料を使用したりして不正に認証を取得していた疑いがあると発表していた。

内部通報を受けて発覚した。

協会は不正の疑いがある12製品の品質や水道水への影響について調査してきた。

神東塗料は、これとは別の12製品についても、同じ規格に基づく認証を取得している。

同社から「全24製品の安全性を確認したい」との申し出を受け、協会は調査の対象を広げた。

協会によると、同社は認証を取得するために協会に提出する塗料の試験片を規格よりも高温で長時間乾燥させ、水で洗浄した疑いがあるという。

試験片は外部機関で水に浸し、溶け出した成分を分析して安全性を確認する。

神東塗料へのヒアリングの中で、規格ではセ氏5565度で24時間乾かすと定められているのに対し、80度で10日間乾燥させていた疑いがあることがわかった。

当初に不正の疑いが発覚していた製品のうち、主要製品については、協会が既に安全性を確認した。

対象製品を使っているクボタや栗本鉄工所など水道管メーカーは、一時停止した出荷を再開している。

神東塗料の筆頭株主は住友化学で、発行済み株式の約45%を保有する。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF301BK0Q2A130C2000000/?unlock=1

 

  

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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