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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20221131714分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

フードデリバリー大手「ウーバーイーツ」の配達員が自転車で高齢者をはねて死亡させた事故があり、東京地検は東京都内の配達員の男(28)を業務上過失致死の罪で在宅起訴した。

起訴は昨年128日付で、自転車事故に同罪を適用するのは極めて異例。

地検などによると、男は昨年417日午後75分ごろ、東京都板橋区内を自転車で走行して食品を配達中、T字路交差点の横断歩道を渡っていた男性(当時78)をはね、2日後に脳挫傷で死亡させたとされる。

自転車はレース向きのロードバイクで、ライトは付いていなかった。

当時は雨が降っており、男は眼鏡に雨が付着する中、時速2025キロで走行していたという。

ウーバーイーツでは、一定期間内に指定件数を配達すると追加報酬が支払われる「クエスト」という仕組みがあり、雨などの悪天候時の配達にも適用される。

業務上過失致死傷罪の成立には、その行為に人の生命や身体に危害を加える恐れがあることが必要となる。

自転車はそうした危険な乗り物ではないとされ、通常の事故では過失致死傷罪などが適用される。

今回も警視庁は男を重過失致傷容疑で逮捕し、男性の死亡後は同致死容疑で捜査した。

一方で地検は、男が高性能のロードバイクでスピード運転をしていた態様を重視。

こうした危険運転を誘発するような追加報酬の仕組みが業務システムとして作られていた点も踏まえ、業務上過失致死罪に切り替えて起訴した。

交通事故に詳しい丹羽洋典弁護士は、「限られた時間で配達件数に応じた追加報酬がもらえるなら、配達員は当然少しでも多く回ろうと急ぎ、事故の危険性は高まる」と指摘。

「ウーバーイーツの仕組みが事故を招いたことは否定できず、安全面より利益を優先する制度に警鐘を鳴らす事件ではないか」と語った。

ウーバー社は取材に「配達パートナーへの交通安全の啓発活動を強化する」とコメント。
事故の内容については「捜査に関するため答えられない」とした。

https://www.asahi.com/articles/ASQ1F5QWPQ1FUTIL03H.html

 

114日付で毎日新聞東京版からは、ライト未装着や直前まで減速していなかったことなども適用理由だという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

警視庁が重過失致死容疑で送検したが、地検は岩野被告が自転車にライトを装着していないなど配達業務に必要な注意を怠ったとして、業務上過失致死罪を適用した。

地検によると、事故当時は雨が降っていたが、岩野被告の眼鏡には雨粒が付着したままで、視界が悪い状態だった。

他にも、事故直前まで減速をしておらず、急ブレーキをかけたが間に合わない状況だったという。

一連の事故状況から、業務に必要な注意を怠ったと判断した。

https://mainichi.jp/articles/20220114/ddm/012/040/098000c 

 

113218分に産経新聞からは、配達中の事故だったことも重視したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

東京地検は歩行者が死亡した上、配達中の事故だったことなどを重視し、業務上必要な注意を怠ったと判断したとみられる。

https://www.sankei.com/article/20220113-2TQYBOT6PZLXLD73B5UGDERSV4/

 

(2022年1月27日 修正1 ;追記)

20221261924分に朝日新聞からは、ブレーキパッドは大きくすり減り、ライトは壊れた状態だったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

初公判が26日、東京地裁であった。
起訴内容を認めた被告に対し、検察側は追加報酬を得るため悪天候でも配達していたと指摘し、禁錮2年を求刑した。
判決は218日。

検察側の冒頭陳述によると、ウーバーには配達回数に応じた報酬のほか、悪天候時などに追加で支払われる「インセンティブ報酬」があった。

被告は迅速な配達のために高性能のロードバイクを利用し、事故当時はブレーキパッドが大きくすり減り、ライトも壊れた状態だった。

当日は雨も降り始めたが、追加報酬のために配達を続けたという。

https://digital.asahi.com/articles/ASQ1V6D8JQ1VUTIL03P.html

 

127日付で毎日新聞東京版からは、ウーバー社の「クエスト」システムが事故を助長しているなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

・・・

検察側は、「配達のため反復継続して自転車を運転する者には、特に重い注意義務が課されるが、安全を軽視する態度が認められる」として、禁錮2年を求刑した。

・・・

検察側は冒頭陳述で、当時は雨が降っており、ウーバーイーツから成果報酬が加算される荒天の条件下だったと指摘。

被告は目に入った雨を拭いながらロードバイクを運転し、男性に気付いて急ブレーキをかけたが、間に合わなかったとした。

岩野被告は被告人質問で、「雨が目に入った際に自転車を止めればよかった。私の甘さが原因。取り返しのつかないことをしてしまった」と、泣きながら謝罪を繰り返した。

弁護側は、ウーバーイーツの配達員は上限1億円の賠償保険に加入しており、遺族に賠償金が支払われる見込みだとした。

ウーバーイーツは日本で営業を始めた169月は加盟店約150店、配達員は約1000人だった。
新型コロナウイルス禍で「巣ごもり需要」が増えたこともあり、2110月現在は加盟店約13万店、配達員約10万人に拡大している。

 

【「4時間以内に12回配達で1200円」 「クエスト」危険
  運転助長】

ウーバーイーツの配達員には、特定条件の配達を達成すると成果報酬が支払われる特徴的な報酬体系「クエスト」が用意され、今回の事故はその条件下で起こった。

検察側は、「報酬が受け取れるきりのいいところまでやろうと思った」とする岩野被告の供述調書を法廷で読み上げ、クエストが危険な運転を生む背景にあるとにじませた。

クエストは、運営側から配達員のスマートフォンにアプリを通じて通知される。
4時間以内に12回配達で1200円」などの内容で、配達員の配達件数を増やすことが目的とみられる。

配達地域や時間、配達員の実績などでクエストの内容は変わり、悪天候時のクエストは「雨クエスト」、期間が複数の日にまたがるクエストは「日またぎクエスト」と呼ばれる。

配達員を始めて3年近くになる東京都の男性(27)は、「クエストはゲーム感覚。面白くてモチベーションが上がる」と話す。

雨クエストなどの短時間のクエストについては、「その日のうちに指定回数を配達しなければならない。無理をしてしまう人もいるのではないか」と語る。

配達員の労働組合「ウーバーイーツユニオン」は202013月、事故に遭った配達員を対象にウェブアンケートを実施。

クエストの有無について回答があった事故15件のうち、11件が「クエスト中」だった。

調査報告書は、「配達員にはとにかく急いで配達してクエストを達成しようという心理が働く」と分析する。

https://mainichi.jp/articles/20220127/ddm/041/040/095000c 

 

(2022年2月19日 修正2 ;追記)

20222181334分に朝日新聞からは、有罪判決が下りた、控訴しない方針など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

在宅起訴された男(29)について、東京地裁は18日、禁錮16カ月執行猶予3年(求刑・禁錮2年)の判決を言い渡した。

鏡味薫裁判官は、悪天候時などに支払われる追加報酬を得るため速度を上げたと指摘し、「過失は重い」と述べた。

被告の弁護側によると、控訴しない方針という。

判決は、雨の影響で事故当時は前後左右が見えにくかったにもかかわらず、ライトも装備せず、時速2025キロという「自転車として相応の高速度で走行した」と認定。

横断歩道に差し掛かっても、「速度調整や前方左右注視の注意義務を怠った」と説明した。

ただ、反省状況などをふまえ、刑の執行を猶予した。

被告はこれまでの公判で、迅速な配達のために高性能のロードバイクを利用していたと説明。

ブレーキパッドは大きくすり減りライトも壊れていたが、ブレーキは「利きが悪いとは思っていなかった」と述べ、ライトについては「配達を優先し、調達を後回しにした」と語った。

事故当日は雨が降り始めていたが、悪天候時などに支払われる追加報酬の「クエスト」などを得るために配達を続けたという。

遺族に対しては「取り返しのつかないことをした」と謝罪した。

検察側は論告で、被告が注意していれば「衝突は容易に避けられた」と主張。

「自転車の無謀運転が大きな社会問題となりつつあることも踏まえ、厳しい処罰が必要だ」として禁錮2年を求刑した。

弁護側は「自分の責任と向き合って生きていこうとしている」などとして、執行猶予付き判決を求めていた。

配達員らの労働組合「ウーバーイーツユニオン」の調査によると、配達員の事故15件のうち約7割が追加報酬の対象時に起きていた。

https://www.asahi.com/articles/ASQ2J61Y5Q2JUTIL00M.html

 

 

  

  

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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