2013年8月16日3時18分に毎日新聞から、事故の様子を伝える下記趣旨の記事がネット配信されていた。
ドーン。灯籠流しとともに上がる花火を見ようと何万人もが集まった河川敷に突然、爆発音が起こり、火柱が上がった。
次の瞬間、服に火が付き、地面に転げ回って消そうとする人も。
お盆の花火会場を襲った突然の惨状に、観客は散り散りに逃げまどった。
現場近くにいた男性は「花火の打ち上げ開始の数分前、音無瀬橋のすぐ近くに並んでいた屋台の方から突然、爆発音がして、火柱が2回上がった」と驚いた表情で話した。
左足に軽いやけどを負って病院で治療を受けた会社員男性(27)は、屋台の裏で携行缶から気化したガソリンが爆発する瞬間を目撃したという。
「屋台の男性がガソリンをつぎ足そうと携行缶のふたを開けた瞬間、プシュという音がして、気化したガソリンが携行缶から噴き出した。男性は携行缶を振り回していたが、1〜2秒して発火した。あわてて伏せて顔を上げると、屋台が黒く焦げ、火だるまになっている人が見えた。『爆発だ!』『逃げろ!』と悲鳴が上がった」と話した。
爆発直後、河川敷では、火だるまになった5、6人がのたうち回りながら、約20m先の由良川に向けて飛び出した。この中には子どももいたという。
近くにいた男性は「火だるまになった人が逃げまどう際、ごった返す花火客らにぶつかって、火が別の人にも移り、地獄のようだった」と声を震わせた。
出典URL
http://mainichi.jp/select/news/20130816k0000m040082000c.html
以下、その後の主だった報道のポイントを記す。(添付URLは代表記事)
○ベビーカステラ屋台の店主(38)は、発電機ならびに発電機用燃料のガソリンが入った20ℓ用携行缶を、屋台後方4~5mの、階段状になっている土手(11段)の4段目付近に置いていた。
その土手は花火がよく見えると評判の場所で、見物客が特に密集していたが、運転中の発電機からは熱い排気ガスが出ていて、そのそばには近寄れないほどだった。
http://www.asahi.com/national/update/0816/OSK201308160030.html
http://mainichi.jp/select/news/20130818k0000m040127000c.html
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130818000014
○携行缶は午後3時ごろから直射日光の当たるその場所に置かれており、しかも発電機との間は30cmほどで排気ガスが当たっていた。
http://www.asahi.com/national/update/0818/OSK201308180176.html
http://www.asahi.com/national/update/0818/OSK201308180176.html
○店主は運転中の発電機にガソリンを補給しようと見物客をかき分けるように階段を上がり、携行缶についた減圧ネジを緩めることなく、注ぎ口の蓋を開けた。
http://www.asahi.com/national/update/0816/OSK201308160207.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2013890511.html?t=1377033710007
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20130821000020
○その瞬間、携行缶から蒸気と液体が混じった状態でガソリンがピューッと水のように高さ2~3mまで噴出した。その勢いは11段ある階段の一番上にまで達するほどで、付近にいた見物客にかかった。
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130817/waf13081712440017-n1.htm
http://www.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2013840031.html?t=1376774175404
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130821-OYT1T00253.htm
○店主は、見物客にかからないよう、噴出するガソリンを手で押さえながら向きを変えたが、そのために大勢の見物客にガソリンがかかった。
店主は見物客の少ない屋台方向に階段を下りたが、近くにベビーカステラを焼く鉄板の炎があったため、引火して1回目の爆発が起きた。噴出から爆発まで10~30秒。
http://www.asahi.com/national/update/0817/OSK201308170100.html
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130817/waf13081723490033-n1.htm
http://www.47news.jp/CN/201308/CN2013082001002438.html
○爆発は2回起きたが、2回目当時、ガス臭はなく、またオレンジ色の炎の様子などからみて、2回目もガソリンが爆発した模様。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130817-OYT1T00019.htm
○被害は、最初の噴出でガソリンが服や身体にかかった土手側の見物客に集中。通路側にいた見物客の被害は軽度だった。
http://mainichi.jp/select/news/20130817dde041040022000c.html
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130819/waf13081906300000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130820/waf13082008130001-n1.htm
http://mainichi.jp/select/news/20130819k0000m040129000c.html
○土手側にいた見物客3人が死亡、負傷者は57人で、うち15人が重傷という大事故になった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130819-OYT1T00856.htm
○現場には、22年前に市内で起きた列車事故を教訓に、市が万一に備え、大型バスを用意していたため、軽傷者などの搬送に役だった。
消防は、当初、原則にのっとり、症状の軽重を判断し優先順位を決めるトリアージを始めたが、大混乱に加え、河川敷に十分な空間がないことから断念。まずは一気に病院に搬送し、病院で改めて実施する異例の対応を決めた。
事故の数分後に連絡を受けた市民病院は医師や看護師を呼び出し、総出で治療にあたった。
また、周辺病院に医師の派遣を要請する一方、京都、大阪、兵庫にある9病院から災害派遣医療チーム(DMAT)が送り込まれ、医療救護や転院先の調整などにあたった。
http://www.asahi.com/national/update/0817/OSK201308170046.html?ref=com_rnavi_arank
○主催者側は、屋台の暴力団排除や雑踏警備、救護などは事前に準備、対応していたが、防火対策はとらず、業者まかせだった。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130816-OYT1T01012.htm
http://mainichi.jp/select/news/20130817k0000m040109000c.html
http://mainichi.jp/select/news/20130820k0000m040113000c.html
○事故後、全国各地のイベントで屋台の防火対策に対する確認、啓蒙が行われている。
また、消防庁は全国の消防本部宛、多くの観客が集まるイベントがある場合は主催者や露店業者に対し、火災予防のための指導を徹底するよう通知した。
http://www.asahi.com/national/update/0817/OSK201308170182.html
http://www.nhk.or.jp/lnews/kyoto/2013878301.html?t=1377040440482
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。