2022年5月10日4時0分に山陰中央新報から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
手指消毒のためのアルコール消毒液をなめた子どもが急性アルコール中毒となり搬送された例が、島根県内で発生した。
新型コロナウイルス対策で、子どもの手が届く位置にもある消毒液は、誤飲や興味本位でなめてしまう可能性がある。
取り扱いにあらためて注意が必要だ。
今年3月、県東部の保育園に通う女児(5)が突然意識不明となり、救急搬送された。
園での午睡前は変わりなかったが、午睡後に保育士が気付いたときにはうずくまり、「目がぐるぐる回る、気持ち悪い」と訴えた。
連絡を受けた母親(43)と近くの小児科を受診し、点滴を受けたが、呼びかけに反応しないため、搬送された。
血液検査やCT、MRI検査では異常は見つからず、原因が分からないままだった。
午後9時半ごろに意識が戻り、30分後には会話ができるようになった。
女児は午睡時、室内にあったスプレータイプのアルコール消毒液をこっそり手につけ、なめる行為を繰り返したことを打ち明けた。
以前にも数回なめたという。
本人の話を受け、同11時に血液検査をすると、血中アルコール濃度が120ミリグラム/デシリットルあり、「急性アルコール中毒」と診断された。
女児は回復し、後遺症もなく退院したが、まれに低血糖で死に至ることもある。
目撃情報や物的な証拠がなければ診断が難しく、治療が遅れる危険性がある。
母親は「消毒液が原因と誰も疑わなかったことが怖かった。アルコールが身近になっているからこそ、危険だと知ってほしい」と訴える。
公共施設や店舗、学校など、子どもが手の届く高さに消毒スプレーやジェルが設置されている例は多い。
子どもも自分で消毒できるようにとの狙いがあるが、簡単に手にできる危険性と隣り合わせだ。
島根、鳥取両県の消費者センターに同様の相談はないが、消費者庁と国民生活センターには、外出先の除菌剤や、携帯用アルコールジェルを誤飲した例が寄せられ、同庁は今年2月、注意喚起した。
島根県立中央病院小児科の平出医師(42)は、「誤飲ではなく、意図的に口にする場合がある。子どもの手の届かないところに置き、大人の監視下で使うことが大切だ」と呼びかける。
https://www.sanin-chuo.co.jp/articles/-/204921
5月10日16時16分にYAHOOニュース(山陰放送)からは、女児はたくさん舐めたと話したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
今年3月、島根県雲南市立の保育園で、新型コロナ対策用の消毒液をなめた女の子が意識を失い、救急搬送されていたことが分かりました。
雲南市によりますと、この女の子は3月28日の午後3時半ごろ、園内で「目がぐるぐるする」と訴え、体に力が入らず、自分で立てなくなったということです。
親が市内の医療機関へ連れて行きましたが、原因が分からず、女の子は意識を失ってしまったため、出雲市の島根県立中央病院に救急搬送されました。
女の子は午後9時半頃に目を覚まし、「手指消毒用のアルコールをたくさん舐めた」と話したため、検査したところ、「急性アルコール中毒」と診断されました。
雲南市はその翌日、市内の教育・保育施設すべてに、アルコール消毒を使用する場合は職員の監督のもとで行うなど、注意喚起を行ったということです。
診察した島根県立中央病院小児科の平出医師は、「このような事案は世界中で報告されており、子どもは好奇心でなめたりするので、消毒液は子どもの手の届かないところに置き、使用する場合は親の指導のもとで行うなど、注意が必要」と話しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/695341d55f074e352876d403669eca0f324446dc
(ブログ者コメント)
血中アルコール濃度は、7時間ほど経過した午後11時で120㎎/dℓ。
(ミリは1000分の1、デシは10分の1 ⇒ 120㎎/dℓは0.12%)
そのことと、以下のeヘルスネット(厚労省)記述から推測すれば、女児が会話できるようになったのは、酩酊初期のはじめ付近にまで回復したから・・・ということかもしれない。
アルコールの中枢神経への作用は血中濃度によって決まるため、酔いの程度も血中濃度と相関します。
血中濃度(%)が
「0.02~0.04:爽快期」
「0.05~0.10:ほろ酔い期」
「0.11~0.15:酩酊初期」
「0.16~0.30:酩酊極期」
「0.31~0.40:泥酔期」
「0.41~:昏睡期」
というのが血中濃度と酔いの程度の目安です。
標準的には、日本酒3合程度飲酒すると酩酊初期になり、まともに歩けなくなって嘔気や嘔吐も出現するとされます。
また、この血中濃度(%)を5倍した数字がほぼ呼気中濃度(mg/L)となります。
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-009.html
一方、アルコール健康医学研究協会のHPには、酒に強い中年男性がビール350mℓを2本飲んだ場合、血中アルコール濃度は摂取後30分で50 mg%弱まで急上昇し、その後、漸減して、4時間後には数mg%にまで低下するというグラフが掲載されている。
(mg%;100g中に含まれる㎎、50 mg%を%に直すと0.05%)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-009.html
大人と幼児ではかなり違うであろうことなどを承知のうえで、そのグラフを参考にして大胆に想像すれば、摂取後7時間で0.12%だったのなら、摂取直後には0.41%をはるかに超える昏睡期状態だったことも考えられる。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。