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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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20238111040分に読売新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

川崎市教育委員会は10日、市立稲田小学校(多摩区)でプール開きに備えた作業の際、6日間にわたり水を流し続けるミスがあったと発表した。

流出した水はプール約6杯分の約2200トンに及び、損害額は約190万円。

市教委は、作業を担当した30歳代の男性教諭と上司の男性校長に過失があったとして、損害の5割にあたる約95万円を2人に請求した。

発表によると、教諭は5月17日にプールへの注水を開始したが、警報音が鳴ったため電源ブレーカーを落とした。

その後、止水したつもりだったが、電源喪失状態でスイッチが機能せず、同22日に発見されるまで注水が続いていた。

市教委は「全学校の教職員を対象とした研修会を通じ、確認を徹底する」としている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20230810-OYT1T50305/

 

810日付で市のHPには、経緯に関し、下記内容の報道発表資料が掲示されていた。

・・・

3 経過

5月17日(水)11時頃

教諭が注水スイッチを操作し、栓を開いて注水を開始したものの、注水と同時にろ過装置も作動させたため、職員室の警報音が鳴った。
教諭は、警報音を止めるためにブレーカーを落とした。
(実は、注水スイッチの電源も喪失していた。)

17時頃

教諭が、止水のため注水スイッチを切ったが、実はブレーカーが落ちた時に電源が喪失していたため、注水スイッチが機能せず、栓が閉じず、注水が継続していた。

5月22日(月)15時頃

プールでの作業を予定していた用務員の指摘により、教諭が、プ ールの吐水口を確認し、注水が継続していることに気づいた。

・・・

https://www.city.kawasaki.jp/templates/press/cmsfiles/contents/0000153/153608/houdouhappyou.pdf

 

(2023年8月31日 修正1 ;追記)

2023831746分にYAHOOニュース:幻冬舎GOLDONLINE)からは、損害賠償請求に対し市民等から疑問の声が多数寄せられている、取材した弁護士は賠償に法的根拠はなく雇用契約上の問題だという意見、当該教員は警報が鳴った原因を確認することなく警報音を止めるためにブレーカーを落としたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。

川崎市は教員と校長に対し、無駄になった損害額の約半分にあたる95万円の損害賠償請求をしましたが、市民等から疑問の声が多数寄せられているとのことです。

市の対応、賠償額は正当なのか。

弁護士・荒川香遥氏(弁護士法人ダーウィン法律事務所代表)に話を聞きました。

 

【教員個人に対する損害賠償責任追及の法的根拠】

まず、公務員に対する賠償責任の法的根拠については、実は明文の根拠がありません。

「国家賠償法12項」には、国または自治体から公務員個人への「求償」の規定がありますが、この規定はあくまでも、同条1項に基づいて、国または自治体が損害賠償請求を受け、賠償金を支払った場合の規定です。

本件では、現時点では、市民が川崎市に損害賠償請求をしたという事実は確認されていません。

したがって、この条文は使えません。

もう一つ、公務員の賠償責任を定めた条文として「地方自治法243条の2」がありますが、これも本件には適用されません。

同条は、会計責任者等、公的な財産を管理・保管する権限をもつ公務員の賠償責任を規定したものだからです。

それでは法的根拠はどうなるのかというと、市と教員の間に結ばれた雇用契約上の義務違反ということになると考えられます。

プールの水をためる作業は、教員の業務ですので、教員には水を無駄にしないという業務上の注意義務があります。

過失によってその注意義務に違反し、市に損害を与えたということなので、賠償責任が問題となります。

 

【公務員の「過失」はどこまで要求されるか】

ここで、まず検討しなければならないのが、教員の「過失」です。

過失があること自体は明らかです。

問題は、「過失の程度」です。

・・・

教員の過失の程度は「重大な過失」でなければならないと考えるべきです。

では、本件の教員に「重大な過失」があったといえるでしょうか。

川崎市によると、事故の原因は以下の通りです(川崎市HPより)

「プール開きに向けて、教諭がプールに注水し、後に注水スイッチを切って、止水したつもりだったが、ブレーカーを落とした状態であり、注水スイッチの電源が喪失していたために、栓が閉じず、注水が継続した。
なお、止水作業時、プールの吐水口を確認して、止水していることを確認しなかった。」

そして、ブレーカーが落ちていた原因は以下の通りです。

「教諭が注水スイッチを操作し、栓を開いて注水を開始したものの、注水と同時にろ過装置も作動させたため、職員室の警報音が鳴った。
教諭は、警報音を止めるためにブレーカーを落とした。
(実は、注水スイッチの電源も喪失していた。)」

警報音が鳴っていたのであれば、まず、その原因を確認すべきだったといえます。

それをせずにブレーカーを落とすという対応は、著しく不適切な対応といわざるをえません。

一般論としては「重大な過失」にあたるといわざるをえないでしょう。

・・・

もし、過重労働により注意力が散漫になっていたような事情があれば、教員個人に「重大な過失」を認めることは酷かもしれません。

また、現場に居合わせず、事態も把握していなかったであろう校長については、「重過失」を認めてしまうのは酷な気がします。

 

【損害賠償の額「約95万円」は正当か】

次に問題となるのが、「約95万円」という損害賠償額の正当性です。

・・・

あくまでも、法の基準に照らし、具体的な事実を前提として判断することが大切です。

その意味では、「損害を負わせたのだから負担させて当然」という議論も、「こんなのでは教員のなり手がいなくなるので酷だ」といった議論も、極端かつ杓子定規といわざるをえません。

「損害の公平な分担」は、こういった損害賠償責任の問題においてはきわめて重要な法原理です。

公務員個人に過大な責任を負わせる結果とならないよう、注意して見守る必要があります。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4fd3b5d33dda851485abe0367f171735fe6b6ccd 

 

 

 

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化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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