2023年8月10日11時45分にNHK滋賀から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月26日、長浜市のプールで、学童クラブの活動で来ていた小学1年生の男の子が溺れて死亡した事故を受けて、県は、県内の332の学童クラブを対象にプール活動の実態を調査し、10日、結果を公表しました。
それによりますと、県内の70の学童クラブがプール活動を行っていて、このうちの6割にあたる42のクラブがプール活動に関する事故防止マニュアルを策定していなかったということです。
国の指針では、活動の内容に合わせた事故防止マニュアルを策定するよう定められていて、県は、不適切だとしています。
また、プール活動の際の職員の配置状況を調べた結果、平均で職員1人当たり5.5人の子どもを見ている状況で、最も多いところでは、1人当たり15人の子どもを見ているケースもあったということです。
調査結果を受けて、県は、来月、学童クラブの施設長を対象に事故防止をテーマにした研修を行うほか、すべての学童クラブに対して、10月末までに、活動の内容に合わせた事故防止マニュアルを策定するよう働きかけることにしています。
【専門家は】
今回の事故について、専門家は、プールは、水面が反射するなど安全監視が難しく、引率者が事前に研修を受けることなどが必要だと指摘しています。
今回の事故について、学童クラブ側は、会見で、当時、40人以上の小学生が同時にプールに入り、クラブの職員4人が水の中とプールサイドに分かれて監視にあたった一方、それぞれの子どもがどれくらい泳げるのかは、把握していなかったと説明しています。
学校などでの水泳教育の安全対策に詳しい桐蔭横浜大学の井口成明准教授は、「プールは、水面が反射することや複数で入ると人が重なって見えることで、安全監視が難しくなる」とした上で、「子どもがどれくらい泳げるのか、事前に把握し、泳ぎのレベルにあわせてグループを分け、監視員の担当するエリアを具体的に決めておく必要がある」と指摘しています。
また、泳げない子どもについては、胸から上が水面から出る浅いプールを使い、ライフジャケットなどをつけさせることが必要だと話しています。
その上で、井口准教授は「子どもが泳いでいるのか、溺れているのかを見分けるのは難しい。学童クラブなどの活動でプールで遊ぶときは、引率する大人が各地のスイミングクラブに依頼するなどして、事前に安全監視の具体的な技術を学ぶ必要がある」と話しています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20230810/2060013964.html
8月11日10時55分にYAHOOニュース(毎日新聞)からは、県は放課後児童クラブがプール活動しているとの認識がなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
県内には、公設公営75、公設民営147、民設民営110の、計332クラブ(児童数2万1151人)がある。
うち21%に当たる70クラブ(同2011人)が、市民プールや川、湖などでプール活動を実施していると回答。
しかし、国が策定を求めている事故防止マニュアルを設けていないクラブが9、マニュアルにプール活動の記述がないクラブが33あり、計42のクラブ(60%)のマニュアルが不備だった。
プール活動の際、職員1人が平均5・5人の児童を監視しているが、15人を監視しているクラブもあった。
また、救助方法や応急手当ての講習会などを受講した有資格者は59%にとどまり、資格者が一人もいないクラブも12あった。
長浜市の事故後、15クラブがプール活動を自粛しているという。
県子育て支援室は、「放課後児童クラブがプール活動をしているという認識がなかった。今後、クラブへの巡回支援で事故防止対策を徹底したい」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd830584d4a9f171c8ad5896e2ec8974b8ff416c
※事故当時、7月28日8時46分にNHK滋賀からは、事故時の様子などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
26日、長浜市のプールで、学童クラブの活動で来ていた市内の小学1年生の男の子が溺れて死亡した事故で、市から委託を受けて学童クラブを運営する会社が、27日夜、市内で保護者向けの説明会を開きました。
説明会は非公開で行われましたが、終了後に会社の代表などが会見しました。
説明会には、会社が運営するほかの学童クラブの児童の保護者も含めておよそ90人が参加し、会社側は事故について謝罪した上で、8月にも外部の専門家を交えた第三者委員会を設け、事故原因の解明を進めていく方針などを説明したということです。
今回、事故が起きた25メートルプールは、柵で深い部分と浅い部分に仕切られていて、死亡した児童は深いほうの水深1.2メートルほどのところにあるレーンを区切るロープにうつぶせに覆いかぶさっている状態で見つかっています。
説明会では保護者から、死亡した児童がなぜ深い部分に入っていたのかや、学童クラブの職員によるプールの監視態勢について質問が寄せられたということです。
警察は、学童クラブの安全管理の態勢など当時の詳しい状況を調べています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/otsu/20230728/2060013839.html
8月18日18時30分に朝日新聞からは、全国の学童保育で水辺活動を行っているのは17%、うち63%で安全マニュアル未作成、こども家庭庁は整備通知を出したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
こども家庭庁は18日、プールなどの活動を実施している放課後児童クラブ(学童保育)のうち、安全対策のマニュアルを策定しているのは37%にとどまるとの調査結果を公表した。
同庁は同日、マニュアル整備などを求める通知を出した。
滋賀県長浜市のプールで7月、民間の学童保育を利用していた男児(6)が亡くなったことを受け、同庁は自治体を通じ、全国約2万6千施設の状況を調べた。
プールや川、海など水辺の活動を行っている学童保育は4315施設で、全体の約17%。
うち37%にあたる1597施設がマニュアルを作っていたが、残りの63%は未整備だった。
同庁によると、学童保育の運営指針では事故やけが防止のためのマニュアルを作るよう求めているものの、プール活動に特化したマニュアルづくりは明示されていなかった。
このため、今月18日付でプール活動におけるマニュアル策定や訓練を求める通知を出した。
同庁の担当者は「プール活動は重大な事故につながるおそれもある。マニュアルの整備や訓練の実施をお願いしたい」と述べた。
https://www.asahi.com/articles/ASR8L5WJ4R8LUTFL00H.html
8月18日18時35分に産経新聞からは、整備通知の内容に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
通知は、プール活動時の監視体制や職員研修、自動体外式除細動器(AED)の設置場所確認など緊急事態の対応について手引を作り、ボランティアも含めた全職員に周知する必要があると記載。
プールだけでなく、海や川、湖での活動も想定して作るよう求めた。
学年に応じて、小学校でどのような指導をしているかも把握する必要があるとした。
https://www.sankei.com/article/20230818-3IEQWLRAINNW7B2LAA5FGSN5IY/
(2024年8月16日 修正1 ;追記)
2024年8月16日10時12分にYAHOOニュース(京都新聞)からは、元園長が業務上過失致死の疑いで書類送検された、識者は「身長と同じ深さのプールに泳げない子を入れるのは考えられない、プールでは監視者1人に対し子ども5人が限界」などとコメントした、当時は45人の児童がプールに入っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
滋賀県警捜査1課と長浜署は18日、安全管理が不十分だったとして、業務上過失致死の疑いで、学童保育所の元園長の男性(50)=同市=を書類送検した。
本格的な夏を迎える中、子どもがプールで溺死する事故は後を絶たず、専門家は安全対策を徹底するよう警鐘を鳴らす。
男児は身長が126センチだったが、泳げないにもかかわらず、水深110~130センチの部分にいたという。
桐蔭横浜大の井口成明教授(安全教育学)は、「身長とほぼ同じ深さのプールに泳げない子を入れるというのは、通常であれば考えられない。どの程度の泳力があるか本人や保護者からの聞き取りも含めて事前に調査し、グループ分けをする必要があった」と指摘する。
事故当時、小学1~6年の45人がプールに入っていたが、監視の職員は4人だった。
井口教授は「自由遊びの場合は特に行動が把握しにくい。監視者1人に対し、子ども5人が限界だ」と話す。
今月5日には、高知市の中学校のプールで水泳授業を受けていた小学4年生が溺れて死亡した。
井口教授は、「ビート板や浮具などを整備するとともに、教員や学童職員に安全教育を徹底しなければ事故はなくならない」と強調する。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。