2021年12月3日13時21分にNHK関西から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月(11月)29日、大阪・此花区北港緑地の「日立物流西日本」の7階建ての倉庫から火が出ました。
これまでに消防車のべ445台とヘリコプター2機が出動して消火活動にあたり、発生から4日たった3日午前11時に火は、ほぼ消し止められました。
消防によりますと、倉庫に保管されていた物が広範囲に燃えたとみられ、倉庫は窓などが少ないため火元に水が十分に届かず、消火活動は難航したということです。
この火事でこれまでに、のべ床面積およそ5万6000平方メートルのうち、70%近くにあたる3万8000平方メートルが焼けたということです。
また、火事が起きた翌日(先月30日)には近くの別の会社で働いていた50代の女性が煙を吸って喉の痛みを訴え、病院に搬送されたということです。
消防は、火を完全に消す活動を続けるとともに、今後、警察と合同で現場検証をして火事の原因を調べることにしています。
【大阪市消防局 緊急立ち入り調査】
倉庫で起きた火事を受け、大阪市消防局は、発生翌日の先月30日から市内にある広さ5万平方メートル以上の倉庫21か所を対象に緊急の立ち入り調査を行っています。
調査では、
▼延焼を防ぐ防火扉や避難経路となる階段の前に荷物が積み上げられていないか
▼定期的に避難訓練を実施しているか
などについて確認しているということです。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20211203/2000054661.html
12月3日12時40分に毎日新聞からは、紙製のパレット付近から火が出た、倉庫は商品の日焼け防止のため無窓になっていることが多いなど、下記趣旨の記事が現場写真と火災状況のイラスト付きでネット配信されていた。
大阪湾に浮かぶ人工島・舞洲(まいしま)(大阪市此花区)の「日立物流西日本」舞洲営業所で起きた倉庫火災は、発生から丸4日たった3日午前も鎮火の見通しが立たない。
倉庫特有の構造的な問題から、内部に熱気や煙が充満して消火活動が難航しているためだ。
巨大な物流拠点で何が起きているのか。
「倉庫で段ボールが燃えている」。
男性の従業員が大阪市消防局に119番したのは、11月29日午前8時55分だった。
鉄骨鉄筋コンクリート造りの6階建て倉庫(延べ約5万平方メートル)からは激しい炎が上がり、黒煙も噴き出した。
3日現在で3万平方メートル超が焼損し、屋根の一部も焼け落ちた。
延べ433台の消防車とヘリ2機が出動。
同日午前11時にようやくほぼ消し止められたが、火は今もくすぶっている。
現場は物流センターが密集する地域で住宅がなく、人的被害は煙を吸い込んだ女性1人の救急搬送にとどまる。
親会社の日立物流(東京都中央区)などによると、出火元は目撃情報から荷物を搬出する1階の中央部分とされ、「パレット」と呼ばれる運搬用の紙製の台を積んでいた付近から炎が上がった。
瞬く間に倉庫内に火が回っており、大阪府警此花署などが出火原因を調べている。
市消防局によると、2020年5月に倉庫の立ち入り検査を実施したが、防火設備に問題はなかった。
倉庫は各メーカーから発送された商品を保管し、卸売業者に出荷する「物流の中継基地」。
主に6~3階に医薬品や食品、工具などが保管されていた。
多くの商品が燃えたとみられ、日立物流の担当者は「東日本などの倉庫から業者に出荷しているが、納期に遅れが出始めている」と説明する。
なぜ消火活動が困難を極めているのか。
倉庫は全体的に窓の数が少なく、屋外からの放水は壁に阻まれて限界がある。
開口部が少ないことで内部に熱気と煙がこもっている上、市消防局は「倒壊の危険性などがないか安全確認が必要で、容易に内部で作業できなかった」と説明。
1日から一部エリアの内部で消防隊員が消火活動を始めた状態だ。
事務用品通販会社「アスクル」の物流倉庫(埼玉県)でも17年、鎮火まで12日間を要する火災が起きた。
東京理科大の関沢愛教授(建築・都市防災学)は、「倉庫は商品が日焼けするのを防ぐため『無窓』構造になっていることが多く、一度燃え始めると消火に時間がかかる」と指摘。
「ネット通販の急拡大で物流革命が起き、各地で大規模な倉庫が増えている。事業者は防火や被害拡大を防ぐ対策に改めて力を入れるべきだ」と語った。
https://mainichi.jp/articles/20211203/k00/00m/040/071000c
12月4日18時55分に産経新聞からは、12月4日17時に鎮火したなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大阪市此花区の人工島・舞洲にある物流会社「日立物流西日本」の倉庫で11月29日朝に起きた火災は、発生から5日が経過した4日午後5時に鎮火した。
窓が少ないため消火活動は難航したとみられ、物流にも一時影響が出ていた。
大阪市消防局によると、7階建て倉庫延べ約5万6千平方メートルのうち約3万8700平方メートルが焼け、延べ503台の消防車とヘリコプター2機が出動した。
発生翌日の30日には、近隣で働いていた50代女性が煙を吸い軽傷を負った。
大阪府警此花署が出火原因などを調べている。
https://www.sankei.com/article/20211204-I5KIRYVZGVNTXPCISUSXOIBZO4/
(2022年1月17日 修正1 ;追記)
2022年1月15日3時39分に産経新聞からは、原因は放火だったという下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、タイトルも修正した)
大阪府警捜査1課と此花署は15日、現住建造物等放火容疑で、府内に住む派遣社員の少年(19)を逮捕した。
「同僚からたたかれたり蹴られたりする暴力を受け、一緒に働きたくなかった。別々にしてほしかったのでターボライターで火を付けた」と容疑を認めている。
府警は犯行動機の裏付けを進めている。
逮捕容疑は昨年11月29日午前、大阪市此花区北港緑地の日立物流西日本舞洲営業所の倉庫1階南側に積まれていた運搬用の段ボール製「パレット」に何らかの方法で火を付け、倉庫を全焼させたとしている。
府警によると、1月14日朝には、同市西淀川区の5階建て倉庫「プロロジスパーク大阪4」で、日立物流西日本が借用する倉庫3階の区画でも火災が起き、薬品が入った段ボールが焼けた。
この現場には、此花区の火災後に舞洲営業所から少年を含む4人が派遣されており、府警が事情を聴いたところ、少年が西淀川区での放火について「同僚からの暴力を受けてストレス解消でライターで火を付けた」と話し、此花区の放火も認めたため、逮捕した。
https://www.sankei.com/article/20220115-DETLVQXR2BJNZNT66CXFQFJ36Q/
(2022年6月15日 修正2 ;追記)
2022年6月14日16時28分に産経新聞からは、損害は80億円にのぼっていた、元少年は別の倉庫の放火容疑でも追送検されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
昨年11月に起きた放火事件により、日立物流側に少なくとも約80億円の損害が生じていたことが14日、同社への取材で分かった。
大阪府警は同日、現住建造物等放火の疑いで逮捕した元派遣社員の男(20)=事件当時(19)=について、同社が賃借する別の倉庫にも放火しようとしたとして同未遂容疑で追送検し、捜査を終えた。
府警によると、男はいずれの倉庫にも派遣社員として勤務。
「先輩から毎日仕事について注意され、暴力も受けていた。全てなくなれば離れられると思い、ライターで放火した」と容疑を認めているという。
府警は追送検容疑について、起訴を求める「厳重処分」の意見を付けた。
昨年11月29日に起きた舞洲の倉庫の放火では、延べ約5万3千平方メートルのうち約3万平方メートルが焼け、鎮火までに5日を要した。
日立物流によると、損害額は倉庫の解体・撤去費などで約73億円、保管商品の代替輸送費で約6億7千万円に上るという。
今年1月14日、今回の追送検容疑となった大阪市西淀川区の同社の倉庫でもぼやが発生。
当時ここに派遣されていた男が、先の舞洲の火災も含めて関与を認めたため、府警は舞洲での放火容疑で逮捕していた。
男は1月末から約4カ月間、刑事責任能力の有無を調べるため鑑定留置され、今月2日に起訴された。
追送検容疑は1月14日午前、大阪市西淀川区中島の5階建て倉庫の日立物流西日本が賃借する区画で、薬品が入った段ボールの上に置いた紙に火を付け、倉庫を燃やそうとしたとしている。
けが人はなかった。
https://www.sankei.com/article/20220614-LAMC4A45QBIBLGQRU2GF4OTOEI/
6月14日19時25分に読売新聞からは、元少年はタバコを吸わないのにライターを持っていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
元少年はどちらの倉庫でも勤務した経験があり、タバコを吸わないのにライターを所持しているなど、不審な点があったということです。
https://www.ytv.co.jp/press/kansai/151990.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。