2015年1月8日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正3として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/4544/
(2016年10月6日 修正3 ;追記)
2016年9月28日12時52分に静岡新聞から、工事責任者らが書類送検されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
2014年12月31日に島田市向島町の製紙会社の工場で発生し、鎮火まで6日間を要した火災で、溶接作業の防火対策を怠り火災を発生させたとして、島田署と県警捜査1課は、28日、業務上失火の疑いで、工事統括責任者を務めた機械修理会社の焼津市の男性役員(47)と現場責任者兼作業員を務めた孫請け業者の島田市の男性(41)を書類送致した。
同署などは、木材チップサイロ棟に連結する外付けのベルトコンベヤーの方向転換部「シュート」付近を火元と特定した。
シュートの点検窓の溶接工事で発生した火花が、ベルトコンベヤーにたまっていた木くずなどの可燃物に引火したとみられる。
工事統括責任者の送致容疑は、14年12月30日、溶接方法や防火対策を十分に検討し、可燃物の除去や不燃性シートの設置などの防火対策を施して作業を実施させる注意義務を怠った疑い。
作業員の送致容疑は、防火対策を施して作業を実施する注意義務を怠った疑い。
製紙会社は、チップサイロ棟が全焼した火災を受け、ことし1月に防火設備を強化した新棟を建設した。
ベルトコンベヤーに断熱材を利用し、遮蔽板や散水ノズルを取り入れ、再発防止を図った。
製紙会社は、「事実内容の確認ができていないのでコメントは控える。引き続き、動向に注目したい」とする声明を発表した。
出典
『工場責任者ら書類送検 島田の製紙工場火災、業務上失火容疑』
http://www.at-s.com/news/article/social/shizuoka/286240.html
9月28日18時55分にNHK静岡から、9月28日付でテレビ静岡からも、同趣旨の記事がネット配信されていた。
おととし12月、島田市の製紙工場約5000m2を全焼した火災で、警察は28日、ベルトコンベヤーの溶接工事の際に防火対策を怠ったことが原因だったとして、工事を請け負った会社の役員など2人を業務上失火の疑いで書類送検した。
おととし12月、島田市向島町にある製紙工場で発生した火災は、倉庫約5000m2と木のチップおよそ4000トン、それにベルトコンベヤーなどを焼いて、6日後に鎮火した。
工場周辺に煙が充満し、市内には一時、避難所も開設された。
警察によると、工場では火が出る前日、ベルトコンベヤーの一部を補修する溶接工事を行っていて、近くには燃えやすい木のチップなどがそのまま置かれていたという。
その後の調べで、火元は溶接工事を行った場所の近くだったことが分かり、警察は、事前に木のチップをシートで覆うなどの防火対策を怠ったことが火災につながったとして、28日、2人を業務上失火の疑いで検察庁に書類送検した。
警察は、2人の認否を明らかにしていない。
出典
『製紙工場火災で2人を書類送検』
http://www3.nhk.or.jp/lnews/shizuoka/3033054181.html?t=1475095099900
『工場火災 工事責任者2人書類送検』
http://www.sut-tv.com/news/2016/09/post-1477.php
(2017年11月24日 修正4 ;追記)
2015年3月10日付で事故報告書がネット公開されていた。報告書のポイントは下記。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
チップ搬送用コンベア点検窓取替工事に起因する火種が、角度調整板の裏側に堆積したチップダストに着火したことが火元であると推定した。
火種の可能性としては、
a. 溶接部裏側の溶接垂れの飛散
b.新しい点検窓溶接時の火花の飛散
c. 既設点検窓切除時のサンダーによる火花の飛散
の3点が考えられる。
但し、火種を特定するまでには至らなかった。
火災発生までの流れは、以下のように考察した。
① 点検窓取替工事に伴う溶接作業中の火種が、角度調整板の裏側に堆積していたチップダストに接触または近接し、チップダストに着火した。
② 角度調整板の裏側に堆積していたチップダストは、長年の堆積により圧縮されていた上、点検窓取替工事に伴う散水により湿っていた可能性があり、すぐには火炎が上がらず、長時間にわたり燻った状態(燻焼)が続いた。
このことは、角度調整板の熱変形が大きいことから推定した。
③ その後、角度調整板裏側で長時間燻焼していたチップダストがゴム製のチップ搬送用コンベアに落下し、コンベアベルトに火炎が発生し、短時間に延焼した。
④ 火炎はコンベアベルトを伝ってチップサイロへ侵入し、木質チップが燃焼した。
https://www.tt-paper.co.jp/pdf/2015/03/20150317_repo.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。