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                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
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今年7月、エチレン装置火災炎上事故の発端となったバルブ誤操作のいきさつなどを当事者の体験談として記事化したが、あの事故以外、ブログ者の心にひっかかったままの事故が、もう一つある。

 

それは17年前の今日、わが国で初めて起きた、危険物貯蔵タンク全面火災事故の着火原因に関することだ。

 

着火源は静電気ということで、これは疑いようがない。

心にひっかかっているのは、どこからどこに放電したのか、その放電メカニズムに関することだ。

 

最終的には、「ナフサ液面を浮遊していた消火泡の帯電が原因」という結論になった。

しかし、当時、現地に応援部隊として派遣されていたブログ者は、着火の瞬間を目撃した人から「泡放出口からポタポタと雫が垂れており、その付近から火が出た」という話しを、たまたま聞くことができ、その内容から、着火には雫が関係していたのではないかとの疑いを持った。

 

そこで、事故原因調査班には所属していなかったものの、雫が原因の可能性も考えられると意見具申したが、その説が採用されることはなかった。

 

しかし今でも、あれは雫が原因だったのではないかと思っている。

 

もう起きることはないであろう、あのような事故。

しかし、泡をタンク内に放出することは、またあるかもしれない。

 

原因が泡か雫か、定かではないが、雫だったとすれば、また同じような事故が起きる可能性がある。

 

事故の再発防止を図るためには、泡に着目した対策以外、雫に着目した対策も考慮しておいたほうがよいのではないだろうか?

 

その思い捨てがたく、今回、ブログ者が雫説を唱えた経緯などを本ブログで紹介することにした。

 

ただ、エチレン装置火災事故のほうは、当事者だったこともあって、50年近く経った今でも記憶は鮮明なのだが、ナフサタンク火災事故のほうは、本来の業務ではなかったこともあってか、記憶がおぼろげな点が多いことを、最初にお断りしておく。

 

 

 

【プロローグ】

 

2003年9月26日未明、十勝沖地震の直後にI社北海道製油所の原油タンクで火災が発生した。

それは、浮き屋根の周辺にあふれた油に火が着いたリング火災で、まあ、想定範囲内の事故だった。

 

ところが、それから2日後の9月28日、今度は直径40mのナフサタンク(容量3万kℓ)で火災が発生した。

 

こちらの事故は、地震で浮き屋根が損傷して沈み、ナフサ液面が露出していたところに火が着いた、わが国初の危険物貯蔵タンク全面火災で、全くの想定外事故だった。

 

当時、I社の子会社で安全とは関係ない仕事をしていたブログ者は、その報道に接した際、「あれ?2日前の火災を、何故また、大々的に報道しているのだろう?」と思ったことを覚えている。 

 

地震から2日後に、なぜ、またタンク火災が発生したのだろう?

それも、別のタンクで・・・。

わけが分からない。

 

しかし、親会社での出来事であり、安全とは関係ない仕事をしていたこともあって、テレビ新聞以外の情報は全く耳に入らず、気にはなっていたものの、普段どおりに仕事していた。

 

それから何日経っただろうか・・・。

顔見知りだが、さほど話したことはなかった工務部門のK氏から突然、会社に電話があった。

 

聞けば、北海道製油所応援部隊の一員として、タンク内に残ったナフサや灯油などを抜き出す方法を検討しているのだが、安全面で分からない点があるので助言して欲しいとのことだった。

 

なんとなれば、K氏、ブログ者が静電気をはじめとした安全工学的知識を、他の人よりは多く持っていることを知っていたからだ。

 

K氏からの電話は1度や2度でなく、夜間、自宅にかかってくることもあった。

 

そんなある日の朝、いつものように出社すると上司から手招きされ、「今から北海道に応援に行け」と言われた。

これ、青天の霹靂。

 

聞けば、タンクに残っているナフサなどの抜き出し方法をいろいろ検討しているが、また火災を起こすわけにはいかないので、ブログ者を派遣するよう求められたとのこと。

 

後になってK氏から聞いた話しでは、電話相談だけではラチが開かないので、ブログ者を北海道に呼ぶよう、K氏が現地の責任者に要請したとのことだった。

 

思いもかけなかった北海道行きだが、業務命令とあれば行くしかない。

その日のうちに北海道製油所に着けということで、現在の業務を概略、同僚に引継ぎ、静電気関係の資料を製油所に送る手配を終えた後、一旦、家に帰って旅装を整え、午後2時ごろ、羽田から千歳に飛んだ。

 

当日購入につき、チケットはブチ高い。

一番早い便は、当時、まだ就航していたジャンボ機だ。

係員から「2階の窓側席も空いていますが・・・」と言われ、滅多にない機会ゆえ、2階席を選ぶ。

まあ、狭いだけで、外の景色がよく見えるということもなく、乗ってみればなんということもない席だったが・・・。

 

 

【北海道製油所での応援業務】

 

北海道製油所に着いたのは、その日の夕方。

玄関を入ると応援班の受入れ窓口が設けられており、氏名を告げると、担当者からホテルや通勤方法などの説明を受けた。

 

注意点として告げられたのは、苫小牧市民の方に大きな迷惑をかけているので夜の街には出ないことなど。

そりゃあそうだろう。納得だ。

それゆえ、滞在中はコンビニに数回行っただけで、あとはホテルと製油所の往復に終始した。

 

安全助言業務は、その日から開始。

 

助言業務といっても、毎日ルーチン業務があるわけでなく、相談があった場合に検討し、助言するという、比較的束縛の少ない役割だった。

 

具体的な業務内容はほとんど覚えていないが、中で1件、覚えていることがある。

それは、検討した工事内容を消防に説明する席に同席を求められた時のことだ。

 

担当者が消防に説明中、消防から、この方法で静電気着火の危険はないかと聞かれたので、ここぞ出番と、ブログ者は「その場所ではファラデーケージが構成されるので問題ありません」と答えた。

 

その際、答えつつも、どういうことか分からないだろうから補足説明しようと心づもりしていたのだが、意外にも消防はアッサリ「なるほど、わかりました」と言って、それ以上の説明は求められなかった。

 

こう言っては何だが、地方都市の消防担当官、静電気の基礎知識はあっても、ファラデーケージの知識まであろうとは思ってもいなかった。

それも、キーワード一つで全てを理解するほどの深い知識。

仕事柄、必須ではあろうが、そこまで勉強している人もいるのだなあと、心の中で大いに感心したことを覚えている。

 

そんな感じで、1ケ月だったか2ケ月だったか、応援業務に就いていた。

 

 

(2/2に続く)

 

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自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

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