忍者ブログ
                                                       本ブログでは、産業現場などで最近起きた事故、過去に起きた事故のフォロー報道などの情報を提供しています。  それは、そういった情報が皆さんの職場の安全を考える上でのヒントにでもなればと考えているからであり、また、明日は我が身と気を引き締めることで事故防止が図れるかもしれない・・・・そのように思っているからです。  本ブログは、都度の閲覧以外、ラフな事例データーベースとして使っていただくことも可能です。        一方、安全担当者は環境も担当していることが多いと思いますので、あわせて環境問題に関する情報も提供するようにしています。       (旧タイトル;産業安全と事故防止について考える)
 ブログ内検索 Site Search 
キーワードに合致した記事を検索できます(複数キーワード検索可)
 最新記事 Latest Articles 
(11/22)
(11/21)
(11/20)
(11/19)
(11/18)
(11/18)
(11/17)
(11/17)
(11/16)
(11/15)
(11/15)
(11/14)
(11/14)
(11/13)
(11/13)
(11/13)
(11/12)
(11/12)
(11/12)
(11/11)
(11/11)
(11/10)
(11/10)
(11/09)
(11/08)
 最古記事 Oldest Article 
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/09)
(04/10)
(04/10)
(04/10)
(04/10)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
(04/11)
[2142]  [2141]  [2140]  [2139]  [2138]  [2137]  [2136]  [2135]  [2134]  [2133]  [2132
2012年7月5日、6日、7日付で毎日新聞岩手版から、また7月8日付で岩手日報から、事故時の状況などに関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
 
4日午前10時半ごろ、花巻市の葛丸ダムの貯水池で、ヘリで訓練中の県防災航空隊から「男性隊員がダムに沈んで行方がわからない」と119番があった。
警察などが捜索した結果、5日午前、水深約9mで木に絡まっている状態で発見した。

 
今回の訓練は、ヘリコプターからつるされた救助隊員が、湖面に浮かんだ要救助者を抱きかかえ、湖面を平行移動する行為を繰り返す練習だった。
 
つり上げは計8回実施する計画で同日午前10時ごろから約2時間の予定で始まり、男性隊員は1回つり上げられ、ヘリの救助隊員に抱えられて湖面を移動した。
しかしヘリで監視役を務める隊員が、男性隊員が異常事態が起きたことを知らせる、手を振る合図を繰り返しているのに気づいたが、救助しようとしたところ、そのまま湖底に沈んでしまったという。

 
警察によると、貯水池の水温は6℃と低かった。男性隊員はドライスーツを着用、救命胴衣は着けていなかった。
 
ドライスーツの販売元は6日、取材に「(スーツを)救命胴衣代わりに使うことは考えられない」と指摘した。
隊員が着用していたドライスーツはナイロン製の「SAR SEA−HAWK」(アメリカ製)で、主に自衛隊や消防隊などが寒冷地や水中で作業する時に使用。航空隊では02年から使用を開始した。
09年の大分県での死亡事故を受け、救命胴衣の装着を明記した消防庁の通達をもとに航空隊はドライスーツの浮力検査を実施。「浮力は十分」と判断し、救命胴衣を使用せず訓練を続けていた。
しかし、販売元の「エイピイシステムズ」によると、ドライスーツには浮力があるとはいえ、元々救命のための装備ではない。「ドライスーツの上から救命胴衣の着用は安全上、絶対に必要だ」と話す。

 
宮城県では、浮力の有無を問わず訓練時の救命胴衣着用を徹底しており、本県隊との安全対応の違いが際立つ状況だ。


出典URL
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20120705ddlk03040157000c.html
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20120706ddlk03040057000c.html
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20120707ddlk03040113000c.html
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20120708_1
 
 
この事故に関し、2012年8月10日付で読売新聞岩手版から、安全管理が不十分だったとする中間報告の内容が、下記趣旨でネット配信されていた。
 
県総合防災室は9日、検証作業の中間報告を発表した。
 
訓練中の救命胴衣について、「ドライスーツは浮力を確保するための装備ではなく、着用すべきだった」と指摘。室長は記者会見で、「活動の要領などが文書化されず、安全管理体制がおろそかになっていた。(事故を)防げた可能性があった」と述べた。

中間報告によると、同隊ではドライスーツの浮力で安全が確保できるとして、2004年度頃から地上の安全監視員やボートを置かなくなった。
09年に大分県であった同様の事故を受け、11年10月の訓練ではドライスーツの上に救命胴衣を着用して行い、今後着用を続けることを口頭で確認していたが、今年度は引き継ぎがなかったという。


事故の背景として、活動や訓練の方法が明文化されておらず、隊長、副隊長が隊員の活動経験がないまま派遣され、活動を理解して指揮を執るのに時間がかかることなども指摘した。

県は中間報告を踏まえ、自衛隊など外部の意見を聞いた上で安全管理計画書の作成に取り組む。


出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/news/20120809-OYT8T01559.htm
 

一方、8月10日2時9分にmsn産経ニュース岩手からは、救命胴衣不着用理由に関し、若干違ったニュアンスの記事が、下記趣旨でネット配信されていた。
 
同室によると、ドライスーツは基本的に浮力があるため、救命胴衣をつけなかった。
平成21年に大分県でウエットスーツで同様の事故があった直後、消防庁からの通知で救命胴衣着用が指示されたが、文書でのマニュアルがないこともあり、徹底されなかった。


同室は、「大分の事故はウエットスーツだったため、判断を誤った。隊員たちにはドライスーツは浮力があるので大丈夫との『神話』があった」と振り返った。

 
出典URL
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120810/iwt12081002100001-n1.htm
 
 
 
(ブログ者コメント)
 
□大分県の事故は、本ブログにも掲載済。
当該記事中、「ウエットスーツにプラスαの効果で備わっている浮力に盤石の信頼を置くことはできない」旨、コメントしたが、今回、ドライスーツの事故でも、同じことが言える。
 
□それ以外、今回の事故では、訓練体制のあり方や訓練時の反省点などをどのように災害防止マニュアル、あるいは訓練マニュアルに反映させるべきかなど、さまざまな教訓が読み取れる。




(2012年10月5日 修正1 ;追記)

事故の背景に言及した中間報告書、最終報告書が発表されたという下記趣旨の記事が、複数のメディアからネット配信されていた。

(2012年8月10日付 毎日新聞岩手版)

県は9日、検証の中間報告を発表した。
「ドライスーツには浮力があり、安全だと思い込んでいた」(県総合防災室)ために救命胴衣の着用を怠り、その他の安全対策も後手に回った状況が浮き彫りになった。

隊員からの聞き取りなどを基に検証を実施。
事故当日の訓練計画に明記されていた救命胴衣を着用していなかったことや、救助される隊員に対する安全対策が十分でなかったことなどが挙げられた。
また、09年に大分県であった同様の事故後に出た消防庁の通知を受け、11年10月の訓練から救命胴衣を着用して実施することを口頭で確認したが、翌年度に引き継がれなかったことも判明した。

県はまた、同隊で実施する他の救助訓練についても緊急点検を実施。その結果、水難救助訓練以外では安全が確保されているとし、事故後取りやめていた訓練を11日から順次再開するとした。


出典URL
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20120810ddlk03040020000c.html


(2012年8月10日付 岩手日日新聞)

県総合防災室は9日、県庁で会見を開き、「防災航空隊という特殊な業務で、後輩隊員が先輩隊員に意見を言えない雰囲気があり、有意な意見が訓練の改善につながらなかった」などとする中間報告を発表した。

県は事故の検証を進めるとともに、その過程で判明した問題や背景が同隊の他の活動にも影響を及ぼしていないか、防災ヘリの運航全般にわたる緊急点検を実施。

中間報告では、検証や緊急点検を踏まえた対応として
□隊員の健康状態の確認方法の明確化
□訓練参加隊員全員による安全対策の実施
□円滑な意見交換の場の設定
□外部チェック体制の強化
などを挙げている。

このうち、訓練参加隊員全員による安全対策の実施では、これまで機内の隊員だけだった安全確認を参加隊員全員で実施。また、防災航空隊の意見交換の場を設定し、円滑な意思疎通を図る。

緊急点検の結果、水難救助とそれに伴う訓練を除き、安全に配慮した活動を実施していると認められたことから、緊急運航の回数が多いホイスト式クレーンを使った救助訓練を11日に再開、1週間程度で緊急運航に対応できるようにする。
その間の緊急運航については、引き続き県警ヘリや近県の防災ヘリのサポートを受ける。

水難救助とそれに伴う訓練の再開については、さらに検証を進め、県警の事故原因調査の結果や外部専門家の意見なども踏まえながら再開の時期を検討していくとしており、総合防災室の小山室長は「できるだけ速やかに再開したい」と述べた。
一方、事故原因について小山室長は「県警が調査しており、現時点では話すことができない」と述べた。


出典URL
http://www.iwanichi.co.jp/ken/item_30736.html


(2012年9月28日 毎日新聞 岩手版)

県は27日、検証報告書をまとめた。

県は8月の中間報告で事故の背景として、救命胴衣の未着用や隊員への安全対策が不十分だったことを指摘。
今回の報告書ではさらに、他県での訓練実施方法などと比較することなく、独断や過去の経験に依存する組織体質なども問題点として挙げた。

県は報告書を受け、救命胴衣の着用や訓練中の異常時に対応する態勢の整備など安全対策を明文化したマニュアルを初めて作成した。これまで明文化されたものはなかった。

県総合防災室の小山雄士室長は「二度と事故が起きないよう体制を整えたい」と話した。
事故以来休止していた水難救助訓練は、10月1日以降、再開される。


出典URL
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20120928ddlk03040214000c.html



(2013年2月5日 修正2 ;追記)

2013130日付で毎日新聞岩手版と岩手日報から、スーツのファスナーなどが開いていたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。


花巻署と県警捜査1課は29日、事故を未然に防止するための義務を怠ったとして、当時の県防災航空隊長(56)=既に退任=と同隊副隊長(48)を、業務上過失致死容疑で書類送検した。
捜査1課によると、隊長は隊員を指揮監督し訓練の安全な遂行を行う立場、副隊長は訓練を指揮する立場。2人とも「責任を感じている」などと話しているという。

容疑は、2人は他の隊員を指揮監督する立場にありながら、ダムに隊員を入水させる際、事前の服装点検や救命胴衣の着用、安全監視員の配置など、要救助者役の水没を防止すべき注意義務を怠り、漫然と訓練を実施した過失により、隊員を溺死させたとしている。

捜査1課によると、亡くなった隊員は、発見時、着用していたドライスーツの下腹部前面にあるファスナーは全開で、内部に水が入っていた。左腕の排気バルブも開いており、空気が抜けて浮力が失われる状態だったという。

ファスナーなどがいつ開いたのかは不明だが、入水前に複数の隊員で行う服装点検を、亡くなった隊員については行わなかった可能性もあるという。

県総合防災室の防災消防課長は,「重く受け止め、安全管理や再発防止に努めたい」と話した。

出典URL

http://mainichi.jp/area/iwate/news/20130130ddlk03040102000c.html
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20130130_4



(ブログ者コメント)

 

ファスナー全開と排気バルブ開の件は、今回、初めて報じられた。

 

もし、そういったことが事故の直接原因だったとしたら、今回の事故の教訓は、ドライスーツを救命胴衣代りに使用してはいけないということに加え、用具は正しく装着し、かつ装着状況をキチンと確認しなければならない、ということになるのかもしれない。

 

今回の書類送検内容を見て、県は、そういった観点での再発防止策を追加で打ち出すのだろうか?



読者通信欄
ネーム 必須
メールアドレス 必須

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
 通信欄 
問合せなどあれば記事末尾の読者通信欄に名前(匿名可)とメルアドを記入し ①確認ボタンをクリック ②記入欄に用件記入   ③確認ボタンをクリック ④内容がOKであれば送信ボタンをクリック    してください。     ちなみに「ご送信ありがとうございました」との返信がありますが。それは通信欄会社からの自動メッセージですので、ご留意ください。
 カテゴリー Category 
 最新コメント Latest Comments 
[06/09 ※無記名]
[06/01 ※無記名]
[02/08 ※無記名]
[02/08 ※無記名]
[01/20 ※無記名]
[08/31 ガーゴイル]
[09/27 三浦]
[03/02 南方英則]
[11/20 山城守]
[07/20 記事内容について訂正をお願いします。]
[07/16 神戸ファン]
[04/21 Rawi]
[08/12 山田晴通]
[04/24 道産子]
[04/15 道産子]
[04/15 道産子]
[04/05 道産子]
[04/02 道産子]
[04/01 道産子]
[02/27 道産子]
[02/26 愛読者]
[01/10 愛読者]
[11/07 愛読者]
[10/12 愛読者]
[08/24 愛読者]
 ツイッターなどへの接続 
 製造業ブログランキングへの接続 
下記をクリックすれば、2種類の製造業ブログランキングにつながります
にほんブログ村 企業ブログ 製造業へ
にほんブログ村 人気ブログランキングへ
 最新トラックバック 
 バーコード 
 カウンター 
 アクセス解析 
 プロフィール Profile 
HN:
魚田慎二
性別:
男性
自己紹介:
化学関係の工場で約20年、安全基準の制定、安全活動の推進、事故原因の究明と再発防止策立案などを担当しました。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。

Template by ららららいふ / Material by 素材くん「無料WEB素材屋」

忍者ブログ [PR]