2015年5月11日16時46分に朝日新聞から、「高層エレベーター、火災で停止せず・・・避難に使用」というタイトルで、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
東京都千代田区の25階建て区営住宅で今年3月に起きた火災で、本来は火災発生時に停止するはずの乗用エレベーターが動き続け、住民の3割以上が避難に使っていたことがわかった。
制御装置の故障が原因で、東京消防庁は、住民がエレベーターに閉じ込められる恐れがあったとして、当時の避難状況を詳しく調べている。
火災が起きたのは3月2日朝。
千代田区西神田の区営住宅「西神田コスモス館」(25階建て)の20階の一室から出火し、住民3人が負傷、380人以上が避難した。
警察は3月30日、この部屋に火をつけたとして、住民の男(29)を現住建造物等放火容疑で逮捕。現在、男の精神状態を調べるための鑑定留置が行われている。
建築基準法は31m(11階相当)を超える建築物に非常用エレベーターの設置を義務付けており、同館にも、非常用1基と乗用3基が設置されている。
非常用は防火性が高い構造で、火災時にも止まらず、消防隊の消火活動などに利用される。
一方、乗用には「火災時管制運転装置(火災管制)」が導入されており、火災報知機が鳴るのに連動して1階に移動し、その後は停止する仕組みになっていた。
しかし、今回の火災で停止した乗用は1基だけで、残る2基は、報知機が鳴った後も動き続けた。
同館の自治会が行ったアンケート調査によると、回答した住民64人のうち3割を超える22人が避難にエレベーターを利用。高層階(19階以上)の住民については、利用が4割以上に上った。
同館を管理する区によると、原因は同館地下1階の防災センターにある制御板の故障。昨年10月の定期点検では異常はなかったという。
区は火災後、制御板の部品を交換し、現在は正常に作動している。
出典URL
http://www.yomiuri.co.jp/national/20150511-OYT1T50059.html
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