2023年9月9日17時48分にYAHOOニュース(日本海テレビ)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取県米子市にあるバイオマス発電所で9日午前、大きな爆発を伴う火災が発生した。
けが人はいなかった。
突然、真っ赤な炎に建物が包まれ、黒い煙が上空まで上がった。
現場から約2キロの距離にあるカメラがとらえた“爆発の瞬間”。
小田原記者:
「事故の痕跡でしょうか、建物の壁や屋根が大きくひしゃげています」
火災があったのは米子市大篠津町にある「Yバイオマス発電所」の燃料受け入れ建屋。
9日午前9時半ごろ、「発電所内で爆発があり煙があがっている」と消防に通報があった。
火は約4時間後に消し止められ、けが人はいなかった。
近くで目撃した人は…。
目撃した夫婦 :
「爆発音で家が揺れたってみんな出てこられました。
何事かと思ってね、ドーンという音と一緒に炎でしたからね。
ほんの一瞬でしたよ」
火災前の映像と比べると、建屋の壁などに大きな被害が出ているのがわかる。
周辺の建物などに被害はなかったが、近所の人たちからは不安の声が聞かれた。
近くに住む人 :
「今年に入って4回目ぐらい怖いですわ。いつ何が起こるかわからない」
施設は木質燃料を使って発電をしていて、今年5月にはタンク内で燃料が自然発火する火災が起こっている。
米子警察署では、出火原因を調べるとともに再発防止に努めるよう発電所側に求める方針。
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f883d9be2aa19a2735d9c5a253e12ef882a46f5
9月9日11時54分にNHK鳥取からは、午前11時に火は鎮圧状態になったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
9日午前9時20分ごろ、米子市大篠津町にある「Yバイオマス発電所」で、「爆発音が聞こえて煙が上がっている」と発電所の従業員から消防に通報がありました。
NHKが近くの米子空港から撮影した映像では、燃料を貯蔵するタンクの手前にある建物の外壁がめくれ、煙が上がる中、消防車が活動していました。
消防によりますと、消防車7台が消火活動にあたり、午前11時に、火は鎮圧状態になったということです。
けがをした人はいませんでした。
警察によりますと、火が出たのは、木質の燃料チップを車両から運び入れる施設とみられるということです。
この発電所は、米子空港から南東に1キロほどの工業団地にあり、ことし5月にも、燃料を貯蔵するタンクで火事が発生しています。
警察と消防が詳しい出火原因を調べています。
【発電所の近くにいた人は】
火災が発生したとき、近くの畑で農作業をしていた75歳の男性は「ドーンという爆発音がして、体がのけぞった。そのあと、建物を見るとすごい勢いで炎が出ていました。怖かったです」と話していました。
【Yバイオマス発電所】
「Yバイオマス発電所」は、中部電力など5社で作る合同会社が設置し、去年4月に運転を始めました。
燃料は、ベトナムなどから輸入する木くずのペレットや東南アジアから輸入するやしの実の殻を使用していて、ボイラーで燃焼させて水を熱し、蒸気でタービンを回転させて電気を生み出します。
計画している年間発電量は、一般家庭12万5000世帯分にあたるおよそ3億9000万キロワットアワーです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20230909/4040016057.html
9月11日9時50分に読売新聞からは、ペレットを運ぶエレベーターも燃えたという、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
トラックで運ばれる燃料の木質ペレットを受け入れる鉄骨建屋(135平方メートル)と、木質ペレットを貯留槽に運ぶエレベーター(75平方メートル)が燃えた。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230910-OYT1T50087/
(2023年10月8日 修正1)
2023年10月2日20時41分にYAHOOニュース(山陰放送)からは、県の調査結果が出たが、着火原因と爆発した物質については特定できなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
鳥取県の調査チームが2日、現地調査の結果を知事に報告し、事業者による安全対策の強化を国に要望するよう求めました。
調査チームは学識経験者のほか、鳥取県と米子市、管轄の消防などで組織され、火災事故後の9月21日に現地を調査しました。
調査チームは、火災事故の原因のうち、火が出た「着火」について、電気系統の火花、コンベアの潤滑油の摩擦、木質ペレットの自然発火の3つの可能性を示し、「爆発」については、木質ペレットの自然発火、建屋内での粉塵の充満の2つの可能性を示しました。
ただ、これらのどの組み合わせで今回の火災事故となったのかを特定するには至りませんでした。
調査チームは、現在の安全基準では事業者に瑕疵があったとは言えないとして、国に安全基準の強化を要望するよう求めました。
これを受けて鳥取県は、4日に経済産業省や消防庁などに要望することにしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/44f9a2aadd07a3c2c3a9c25746fcf77b87ec07b4
10月2日19時34分にYAHOOニュース(山陰中央テレビ)からは、層状にたまったペレット屑の発酵により発生した可燃性ガスに着火した可能性も考えられるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
報告によると、爆発の原因は建屋内に木質ペレットの屑が層状にたまって発酵し、発生した可燃性ガスに着火した、または、ペレットの屑などによる粉塵爆発の2通りが考えられ、火元はベルトコンベアなど設備の静電気や摩擦熱などとしています。
平井知事は、原因が究明されるまでは再稼働は取りやめるべきだとした上で、国に対し、業者への指導を要望するとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7bf3cd3a3dcf5878af38dae71d820ba8ca94cf16
9月22日18時24分にFNN PRIME(山陰中央テレビ)からは、初めて開かれた住民説明会ではコンベアが火元で粉じん爆発が起きたと説明されたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
22日は、発電所がある大篠津地区などの住民を対象に、火事の後、初めて説明会が開かれ、発電所の所長が、直接、住民に謝罪しました。
説明会では、発電所が9月9日の火事の原因について、木質燃料から異物を取り除くコンベアが火元で、この周りで「粉塵爆発」が起きたとみられるとしたうえで、引火の原因になる異物はなく、くわしい原因は調査中だと説明しました。
また、5月の火事については、保管していた木質燃料の自然発火が原因とみられますが、今回の出火場所は燃料が貯蔵される場所ではなく、発電所は別の原因があるとしています。
説明会に出席した住民は…。
地元住民:
「2度と起こさないぞというのが感じられない。予防策をしっかりと考えてもらわないと、不安でたまりません」
「当事者意識が全然感じられない。5月からずっとあったことが、全然生かされていない。全く反映されていない。対処していけばいいという意識が丸見え」
相次ぐ火事への具体的な再発防止策は示されず、住民からは憤りの声が噴き出しました。
このほか、運転時の騒音被害を指摘する声も上がり、発電所と住民との溝が浮き彫りとなりました。
住民:
「原因も何もわかっていない状態で、あまりきょうの説明会の意味はなかったのでは」
米子バイオマス発電所・足利所長:
「原因究明等をして事実関係を的確に、丁寧に繰り返しご説明し、信頼回復を図っていくしかないと思っている」
発電所は22日、運転を停止していて、原因が究明されるまで再開しない方針で、今後も必要に応じて説明会を開き、住民の理解を得られるよう努めていくとしています。
https://www.fnn.jp/articles/-/590265
(2023年12月10日 修正2 ;追記)
2023年12月6日9時57分にNHK鳥取からは、経産省への途中経過報告によれば粉じん二次爆発が起きていたなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
米子市の「米子バイオマス発電所」では、ことし9月、燃料の木質ペレットを搬入する施設で爆発を伴う火災が発生し、3か月近くたった今も運転を停止しています。
発電所は外部の専門家を招き原因を調べていて、4日に経済産業省に調査の途中経過を報告しました。
それによりますと、2秒未満の間に連続して爆発が生じ、最初の爆発により粉じんが一気に飛び散って、続く大規模な「粉じん爆発」につながった可能性が高いとしています。
また最初の爆発の発火原因については現在も調査中とし、過去に燃料の中に異物が混入していたことがあったため、燃料に金属や岩石などが入り込み、その衝撃や摩擦で着火した可能性があるとしたほか、燃料の発酵による自然発火の可能性を分析している途中だとしています。
米子バイオマス発電所は「火災の原因を究明したうえで再発防止の対策を講じていく」とコメントしています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20231206/4040016658.html
(2024年3月27日 修正3 ;追記)
2024年3月26日17時49分にNHK鳥取からは、燃料運搬バケット内に入った異物がバケットと衝突した火花で着火した可能性あり、バケットはナイロン製に置き換えるなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
発電所は外部の専門家を招いて原因を調べていて、3月、経済産業省に調査の結果を報告しました。
それによりますと、燃料を「バケット」と呼ばれる容器に入れて貯蔵庫に運ぶ「バケットエレベータ」と呼ばれる設備に異物が混入した可能性があると指摘しています。
その上で、この異物がステンレス製の「バケット」と衝突して火花が発生した可能性があるとしています。
さらに、バケットエレベータの点検や清掃が不十分で、粉じんがたまり引火しやすい環境となったことで、爆発を伴う火災が起きた可能性を指摘していて、こうした複数の原因によって今回の火災が起きたと指摘しています。
発電所は再発防止策として、ステンレス製のバケットをすべて異物と接触しても火花が発生しにくいナイロン製のものに置き換えることや、点検や清掃の確認をしやすくするための工事や、点検や清掃の頻度を増やすことなどをあげています。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20240326/4040017421.html
(2024年4月24日 修正4 ;追記)
2024年4月22日19時11分にYAHOOニュース(山陰放送)からは、5月の火災は貯蔵ペレットに別の燃料の水分が混入して発酵が促進された、7月の火災は耐熱材破損が原因など、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
19日、発電所や出資者である中部電力などが2回目となる住民説明会を開きました。
5月の火災は、貯蔵されている木質ペレットという燃料に別の燃料の水分が混入し、発酵が促進されて自然発火。
7月の火災は、構造物の隙間に使用される部品の耐熱材の破損が原因だと説明されました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/151a992c4c383eaf43a3d0b9d2a82ef91fd44440
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。