2023年9月9日12時16分にNHK NEWS WEBから、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
先月5日、東京 板橋区の荒川の河川敷で行われた花火大会の会場で、「ナイアガラ」と呼ばれる仕掛け花火の火が周辺の下草に燃え移り、およそ2000平方メートルが焼けました。
この火事でけが人はいませんでしたが、大会は中止になり、主催した区は火事の原因を検証して再発防止策を報告書にまとめ、公表しました。
報告書では、新型コロナによって花火大会が3年間中止になったことで、マニュアルなどに明文化されていない、火事を防ぐためのノウハウが現場で十分継承されなかった可能性があると指摘しています。
また、事前に下草を刈る範囲や消火にあたる職員の配置など、安全対策の見直しも必要で、そのためのコストを踏まえ、これまでと同じ規模で「ナイアガラ」を続けるのか検討が必要だとしています。
区は今後、専門家などの意見も聞いた上で、具体的な再発防止策をまとめ、来年度以降の開催について検討するとしています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230909/k10014190161000.html
(ブログ者コメント)
以下は事故報告書の抜粋。
消火体制や下草刈の範囲、中止基準風向風速、緊急車両通路の確保など、複数の要因が検証されている。
それらのうち事前散水に関する要因記載は下記。
P12/55
2.2.1.2 重大な反省点
ただし、この点については、後述の「3 分析」以下に詳述されるとおり、次の重大な 反省点がある。
① 過去 60 回以上実施してきた本大会については、関係者らにおいて十分なノウハウが適切に共有され、継承されていた。
② それらをもとに作成され、運用されてきた従前のマニュアルは、重大な事故を発生させることなく、これまでは、十分に機能し、その結果、「関係者らのノウハウに過度に依存する」という問題点が顕在化しなかった。
③ しかし、今般、「3年間、本大会を連続で実施できなかった」事態が発生した結果、 「関係者らにおけるノウハウの継承の減衰」が発生していたものと考えられる。
④ かかる状況下においては、従前のマニュアルは予定された機能を発揮できなかったものと考えられ、今後の重大な課題と認識する。
P18/55
防火対策」では、「1500 リットル」の積水量のポン プ積載車を用いて、「13:30~18:30 の間に」「延 25 回散水」と規定されていた。
本件では、「15:50」に開始された散水を最後に、「1000 リットル」の積水量 のポンプ積載車を用いて、合計で「6回」の散水しか実施されていない。
来年度以降、散水業務を実施する受託者に示す仕様書 について、従前よりも明確かつ定量的な記載が必要と考えられる。
乙社からの聴取内容は次のとおり。
「16 時ごろに花火業者のナイアガラの設営が終了して火薬や導火線がセット されるので、これ以降は中へ入らないでほしいと以前言われたことがあり、それに従っていた。」
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/048/715/20230908.pdf
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。