2017年4月28日22時37分に朝日新聞から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
厚生労働省は、28日、整髪料などの原料となる粉末状の有機化学物質を製造する化学工場で、請負業者の男性作業員6人が間質性肺炎などの肺疾患を発症したと発表した。
作業場で高濃度の有機粉じんが発生しており、作業員が吸引したとみられる。
厚労省は、今後、発症原因の究明を進める。
厚労省によると、工場が製造していたのは、アクリル酸系ポリマーの一種で、整髪料などの増粘剤として使われる粉末状の有機化学物質。
発症した6人は、袋詰めや運搬などを担当する請負業者の社員で、勤務歴は1~5年。
業者による2012年4月~16年3月の健康診断で、肺疾患が相次いで見つかったという。
作業員にはマスクが配布されていたが、着用が不十分だったために吸引した可能性がある。
6人以外に少なくとも19人が働いており、厚労省は、健康診断を実施するよう業者に要請した。
また、同様の化学物質を製造、輸入する国内の3社に対して、作業員のマスク着用など対策の徹底を要請した。
出典
『化学工場で6人肺疾患、有機粉じん吸引か 厚労省調査へ』
http://www.asahi.com/articles/ASK4X5H88K4XULFA031.html
(ブログ者コメント)
厚労省発表資料は下記。
厚生労働省は、有機粉じんの一種である「架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物を主成分とする吸入性粉じん」※の製造事業場に対し、肺疾患などの予防的観点から、粉じんばく露防止を指導するよう関係労働局に指示しました。
さらに、本日、当該製品および類似製品のメーカー等計4社に対し、流通先企業における、(1)粉じん吸入防止の徹底、(2)健康診断で肺に所見があった場合の精密検査の実施などを要請しました(別添2のとおり)。
併せて、化学物質の種類を問わず、高濃度の粉じんなどを吸入することは肺疾患などの健康障害を生じるおそれがあることから、中央労働災害防止協会など計3団体に対して、吸入性粉じんのばく露防止について注意喚起しました(別添3のとおり)。
※「架橋型アクリル酸系水溶性高分子化合物」は、医薬品や化粧品の製造などにおいて、国際的にも広く使われていますが、これまでに肺に対する有害性は確認されていません 。この化合物の特性などは、参考資料をご覧ください。
また、吸入性粉じんとは、肺胞まで到達する小さな粒子で、約10マイクロメートル以下の小さな粒子をいいます(1µmは1mmの千分の1)。
出典
『有機粉じんによる肺疾患の防止について関係労働局に指示しました』
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000163568.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。