2017年4月30日20時35分に日本経済新聞から、下記趣旨の記事が写真付きでネット配信されていた。
春の堤防を黄色く彩る「菜の花」が悩みの種になっている。
太い根が腐るとミミズが集まって穴ができ、ミミズをエサにするモグラ、モグラを捕食するキツネが穴を広げて堤防を傷つける。
夏場の増水で河川が決壊する原因にもなりかねず、国土交通省は堤防の補強策として、菜の花の駆除と芝生への植え替えを進めている。
「こんな太い根っこ、初めて見たよ」。
4月19日午後、栃木県栃木市を流れる巴波川の堤防で菜の花の根を計測していた国交省利根川上流河川事務所の職員は驚いた。
菜の花の根が堤防に穴を開ける原因になることは知られていたが、近年、頻発する豪雨災害を受けて、同省は対策の強化に乗り出した。
同事務所は、利根川中流部の堤防から菜の花を根絶するため、今年から支流の巴波川沿い3kmで、菜の花を刈る回数を増やす実験を始めた。
通常の刈り取りは初夏と秋の年2回だが、試験区域は3回に増やす。
刈り取った草は廃棄せず、放置して地面に酸素や日光を届きにくくし、菜の花が育ちにくい環境をつくるという。
この日は、3月に刈った区域の菜の花と、昨秋に刈ったものを地面から引き抜き、根の長さや太さを比較した。
昨秋に刈ったものは、最も太い根の円周が30cm近くあり、茎や葉を合わせた丈は130cm以上。
一方で、3月に刈ったものは100cm以下で、根の太さも親指ほど。
小栗副所長(55)は、「刈り取る回数を増やし、数年かけて菜の花をなくしたい」と話す。
堤防に咲く菜の花は、外来種のアブラナ科。
作新学院大女子短期大学部の青木章彦教授(生物学)は、「肥沃な土壌を好む菜の花にとって、富栄養化が進んだ河川の堤防は生育に好条件。種子の散布量が多く、在来種を押しのけて繁茂する」と話す。
大根のような根が枯れて腐るとミミズが集まって空洞ができ、ミミズをエサにするモグラが土を掘り進む。
さらに、モグラを捕食するキツネが穴を広げ、堤防を傷める。
利根川中流部では、こうした「食物連鎖」でできたキツネ穴が毎年10カ所以上見つかり、長さは10m近くになることもある。
小栗副所長は、「堤防に水がしみこみやすくなり、放置すれば夏の増水時に決壊する危険が高まる」と警戒する。
芝生への植え替えに取り組むのは、福岡県久留米市の筑後川。
2012年度から、雑草が生えにくい改良芝への植え替えを進め、16年末までに約25万7000m2が改良芝に姿を変えた。
筑後川は、12年7月の集中豪雨で堤防数カ所が損傷。
国交省筑後川河川事務所がレーダー探査機で堤防内部を調べたところ、26カ所のモグラ穴が確認され、対策に踏み切った。
担当者は、「堤防を強化し、水害に備えた治水対策を進めたい」と話す。
出典
『菜の花で堤防が崩れる…根腐れで空洞、植え替えへ』
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG20H4M_U7A420C1CC1000/
(ブログ者コメント)
4月25日18時52分にテレビ朝日からも、巴波川河川敷で小栗副所長から説明を受けるなどした映像がネット配信されていた。
映像中、セイヨウアブラナの花を刈ったほうの根っこと刈らなかったほうの根っこを両手に持って比較していたが、刈ったほうは痩せ細ったニンジンといった感じ。
一方、刈らなかったほうは超ビッグなサツマイモほどの太さだった。
あの綺麗な花の下に、こんなにも太い根っこが隠れていようとは、大いに驚いた。
出典
『堤防に悪影響? “名所”菜の花畑で花を刈り取り』
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000099385.html
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。