2016年12月2日に掲載した元記事がプロバイダーの字数制限オーバーとなりましたので、ここに新情報を第2報修正1として掲載します。
第1報は下記参照。
http://anzendaiichi.blog.shinobi.jp/Entry/6530/
(2017年1月25日 修正1 ;追記)
2017年1月18日10時55分に毎日新聞から、施設の管理状況等に関し、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
爆発した圧力タンクが、少なくとも約10年間、未点検だったことが関係者の話で分かった。
住民が自主管理していたが、法や条例の規制対象外で、定期的な検査もしていなかった。
同様の小規模水道施設は全国の過疎地などに点在しており、専門家は対策の必要性を訴える。
「ドーンとものすごい爆発音がして、数秒間気絶したのかな。気づくと圧力タンクがなくなっていた」。
施設を運営する地元の「水道組合」で会計を担当し、肋骨を折る重傷を負った男性(65)は、沈痛な表情で振り返った。
事故が起きたのは、昨年11月26日午後6時過ぎ。
同町藤原の赤松地区の一部で水道が出なくなったため、男性と水道組合長(69)が車で数100m離れた施設の点検に出かけた。
まず男性がタンク(高さ約1.3m、直径約50cm)に上り貯水槽の中を見ると、水が入っていなかった。
電気系統のトラブルを疑い、近くにある配電盤を調べるためタンクを下り、後から来た焼き肉店経営のTさん(70)がタンクに上ると爆発。
タンクは高さ約3mの鉄骨スレート製の屋根を突き破り、施設の外まで吹き飛んだ。
Tさんは搬送先の病院で多臓器不全により死亡。組合長も手にけがをした。
施設は約20年前に整備され、地元住民でつくる水道組合が管理していた。
組合の関係者によると、これまでも数年に1度、水が出なくなり、業者に依頼して修理していた。
ただ定期検査をしたことはなく、問題のタンクは少なくとも約10年間、点検していなかった。
水道組合には、当初、10数世帯が入っていたが、今は5世帯(店舗などを除く)に減った。
高齢化が進み、管理は年々厳しくなり、組合長は「定期検査する余裕はなかった」と打ち明けた。
タンクは、電気の力でくみ上げた地下水をいったん貯水。空気の圧力で貯水槽に送り出す仕組み。
警察は、タンクのメーカーや組合関係者から事情を聴くなどして、原因究明を進めている。
[水道事業に詳しい近畿大経営学部の浦上拓也教授(公益事業論)の話]
高齢化が進む過疎地では、住民による維持・管理には限界があり、今後も同種事故が起きる可能性がある。
全国には,水道が普及していない地域に給水車で配水している自治体もある。
こうした取り組みを広げたり、今回のような小規模施設の運営を行政がバックアップしたりするなど、対策を講じるべきだ。
厚労省によると、水道法による規制・管理を義務づけられているのは、上水道(給水人口5001人以上)や簡易水道(同101~5000人)など。
大分県は、条例で同50~100人の施設も規制しているが、今回事故があったような同50人未満の小規模施設は対象外だ。
厚労省の担当者は、「小規模施設は全国に無数にあり、実態は把握していない」と話す。
県は事故後、年に1回程度メーカーなどの定期点検を受けるよう各水道組合に文書で求めたが、強制力はない。
出典
『大分の水道組合 タンク10年間未点検 3人死傷爆発事故』
http://mainichi.jp/articles/20170118/k00/00m/040/168000c
(2018年1月17日 修正2 ;追記)
2018年1月16日付で毎日新聞大分版から、タンクの圧力を監視していなかったなど、下記趣旨の記事がネット配信されていた。(新情報に基づき、第1報ともどもタイトルも修正した)
杵築日出署は15日、事故で死傷した3人を過失致死や過失傷害容疑で大分地検に書類送検した。
送検容疑は、3人は同地区の水道水の供給が停止した際、圧力タンクや配水管などに設置されたバルブの開閉状態やタンクの圧力を監視して応急措置をとるなど、危険を回避する義務があったが、怠ったとしている。
1人は死亡しているが、2人は容疑を認めている。
出典
『水道破裂事故 人を書類送検 杵築日出署』
http://mainichi.jp/articles/20180116/ddl/k44/040/457000c
1月15日19時0分にテレビ大分からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
警察は、3人が圧力タンクや配水管などの状況を確認せず復旧作業を行い、安全性を確保する注意義務を怠ったとしている。
出典
『水道設備破裂 死傷の3人書類送検』
https://www.tostv.jp/news/1809.html
1月16日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)からは、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
タンクに設置された圧力計を監視したりバルブを適切に調整するなどの注意義務を怠った疑いがある。
(ブログ者コメント)
当初の報道では、事故原因はタンクの老朽化か?というトーンだったが、どうやら操作ミスが原因だった模様。
(2018年3月22日 修正3 ;追記)
2018年3月21日付で朝日新聞大分全県版(聞蔵)から、下記趣旨の記事がネット配信されていた。
大分地検は、書類送検されていた3人を、いずれも不起訴処分にした。9日付。
理由は明らかにしていない。
その間、ずっと奥歯に挟まっていたのは、他社の事故情報がほとんど耳に入ってこなかったことです。
そこで退職を機に、有り余る時間を有効に使うべく、全国各地でどのような事故が起きているか本ブログで情報提供することにしました。
また同時に、安全に関する最近の情報なども提供することにしました。